【原低】原価低減基準という曖昧な指標を現役資材部員が詳しく解説

原低とは何か?原価低減基準を解説 資材業務について
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こんにちは、コロスケです。

今日は原価低減という考えについて解説していきます。

 

資材調達/購買部員にとって、「原価低減」略して原低は、どれだけ会社に貢献したかを示す一つの指標です。

 

営業部員にとっての売上が成績になるように、資材部員にとっては原低が成績の指標になるとも言われております。

 

しかし、原低という考え方は一般的な概念では無いです。

会社によっても考え方が異なるため、一言で「原低」と言っても、人によって認識がバラバラであることが多いです。

 

そこで今回は原低基準の考え方を整理していきたいと思います。

 

・資材部員の評価の指標が知りたい

・原価低減って何?

・原価低減の考え方について知りたい

  

資材部員の大事な指標を知りたい方へ有益な情報を提供致します。

 

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【原低】原価低減基準という曖昧な指標を現役資材部員が詳しく解説

 

原低とは何なのでしょうか?

 

・原低とは「原価低減」の略で、資材部員の評価の指標の一つ

・しかし原低は、曖昧なところが多く、原低だけで資材の成績は図れない

・今回は原低の考え方を詳しく解説

 

資材部員は、どれだけ安くモノを買えるかが重要です。

その指標が原低のため、資材部員の評価を決める指標の一つとなっています。

 

ただ、色々問題も多い指標なので、個人的にはあまり意味の無い指標かなとも思っています。

 

また原低の考え方は会社によって異なるので、もしかしたら僕が知らない考え方もあるかもしれません。

もし、違う考え方があれば教えて頂けると嬉しいです。

 

原低とは何か?

そもそも原低とは何なのでしょうか?

 

・原低とは、いくらモノを安く購入できたかを表す指標

・100円のモノを90円で購入出来たら、10円が原低になる

 

資材部員は、適当にモノを買っている訳ではありません。

どれだけモノを安く購入できたかをきちんと計算しています。

 

10円安く買えたら、10円が原低となり、資材部員の成績となります。

資材部員が事あるごとに、「値段は下がらないのか?」と言うのは、原低を少しでも積み上げるためです。

 

一方で原低は非常に曖昧な指標

一方で、「原低」の考え方は非常に曖昧です。

 

・原低基準の価格(100円→90円の100円)をどうやって設定するのか?

 

実は、原低基準価格は、任意に決めることが出来ます。

 

新規の部品はどのように基準の価格を決めれば良いのでしょうか?

一次見積?それとも類似品の価格?

 

試作価格から量産価格へ移行した時、基準価格はいくらで設定すれば良いのでしょうか?

 

このように、基準の考え方によって原低の額は大きく変わってきます。

ぶっちゃけ、担当者が基準を甘く設定すれば、原低=成績はいくらでも吊り上げられます。

 

なので、同じ組織で原低を一律で評価するためには原低基準を合わせる必要があります

 

原低基準の考え方(リピート品)

ここでは原低基準の一つの考え方をご紹介していきます。

リピート品の場合は、そこまで難しくはありません。

 

原低基準は通常「半年に一度更新」されます。

少量生産などの会社では「原低基準を1年単位で見直す」こともありますが、量産品を作っている工場は半年に一度の見直しが多いと思います。

(四半期に一度見直す会社もあるのでしょうか?)

 

原低基準を決めるルールは主に以下の2つがあります。

 

・前期の最終単価を基準にする(期末単価

・前期の加重平均単価を基準にする(加重平均単価

 

期末の単価を基準にするのは、分かりやすいです。

ただ期末に特別な事情で単価が変わった場合は、正しい基準を反映できなくなる可能性が出てきます。

 

数量ロットで単価が変わる場合もあるので、正確に基準を把握するためには、加重平均単価の方が優れています。

 

 

上記ケースでは、10月以降の基準単価はいくらになるでしょうか?

期末単価の場合は90円。加重平均単価の場合は、97.5円となります。

 

このようにリピート品であっても基準の考え方によって、原低額は変わってきます。

 

また「試作単価から量産単価へ移行した場合は、原低計上しない」などの個別ルールも会社によっては存在します。

イレギュラーな原低計上をしないような仕組みが作られています。

 

原低基準の考え方(新規品)

新しく購入する部材の場合、基準をどこに置くかは難しくなってきます。

会社のルールによって変わりますが、大きくは以下3つの基準があります。

 

・一次見積額を基準にする

・予算/目標価格を基準にする

・新規品の場合は原低計上しない

 

それぞれメリット・デメリットがあります。

 

一次見積額を基準にする

最初に取引先から提示された見積価格を基準とするやり方です。

価格交渉によって値下げ出来た場合、その値下げ幅を原低として計上することが出来ます。

 

しかしこの場合、取引先が提出する見積書が基準となるため、最初の値段が高ければ原低が簡単に出せることになります。

 

そしてこの考えが行き過ぎると、「最初はわざと取引先に高い見積書を出してもらう」というルール違反が発生するリスクもあります。

  

予算/目標価格を基準にする

これは自社の予算や、部材に割り付けられた目標価格を基準にする方法です。

予算より安く買うことが出来れば、原低として計上します。

 

会社の損益にリンクしているので、実態と乖離した原低は計上されないメリットがあります。

 

一方で会社の予算によって定められる価格なので、どんなに頑張って交渉をしても目標より高ければ、値上げカウントとなってしまいます。

往々にして、目標価格は厳しいことが多いので「頑張ってもムダ」という感情を生みやすいです。

 

新規品の場合は原低計上しない

こういうメリット・デメリットがあるので、「新規品の場合は原低計上しない」というルールも考えられます。

この場合は、原低はリピート品のみでカウントされるので、ラッキー原低などが発生する余地は少なくなります。

 

公平性という観点からは新規品は、原低のカウントから除外するのも良さそうです。

 

一方で、そうすると「新規の時は値段を下げずに、後から値段を下げた方が得」という事態が生じます。

最初は高くて良いので、来期以降徐々に値下げしてくださいというやり方です。

 

また、一般的に部材の価格は、新規採用の段階が一番下がりやすいです。

売り手側からすると、採用が決まった後は値下げする理由が無いため、採用後はなかなか値段を下げることが難しくなります。

 

最初にきちんと価格交渉をした方が、部材の原価が安くなる可能性もあります。

新規品を原低計上しないと、「あえて最初は値下げ交渉をしない」という間違ったインセンティブが働くリスクがあります。

 

原低だけでは資材部員の成績になりえない

以上のように、原価低減の基準は色々な考え方があります。

そして、それぞれメリット・デメリットがあるため、原低は資材部員を評価する単一の指標にはなりえません

 

また同じ基準で原低を計算しても、品種によって価格の下がり易さに違いがあります。

値上がり傾向にある品種を調達している担当者は不利です。

 

結局、原低だけで資材部員を評価することは出来ないので、上長は担当者の仕事ぶりを総合的に判断して評価しています。

 

まとめ

原価低減基準とは?についてのまとめです。

 

・原低とは「原価低減」の略で、資材部員の評価の指標の一つ

・しかし原低は、曖昧なところが多く、原低だけで資材の成績は図れない

・結局、資材部員の成績は原低以外も含めて総合的に判断される

 

現在の資材調達では、BCP(供給継続性)が重視されるようになりました。

そのため相対的に原低の価値は下がってきています。

 

将来的に、取引先との関係構築など、原低以外の要素の方が重要になるかもしれません。

皆さんの職場では、原低はどのくらい大事な指標でしょうか?

 

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。

  

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