転注をするときの注意点を購買部員が解説【下請法上問題ないの?】

転注をするときの注意点を購買部員が解説【下請法上問題ないの?】 資材業務について
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こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。

今日は、転注をするときの注意点を解説します。

    

別の取引先に転注したいんだけど、注意点はある?

転注って下請法上問題ないの?

    

こんな疑問に回答します。

   

資材部員として仕事をしていると、安いメーカーへ転注することがあります。

でも他社へ転注する時には、色々と注意点があります。

安易に転注してしまうと、後々トラブルになる可能性が高いです。

   

僕は資材部員として、10年以上仕事をしてきました。

他社へ転注することも何十回も経験しています。

   

今回は、その経験も踏まえて「転注をするときの注意点」を分かりやすく解説します。

    

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転注をするときの注意点を購買部員が解説【下請法上問題ないの?】

打ち合わせ・会議

     

そもそも下請取引先への注文品を転注しちゃって大丈夫なの?

     

A:前もって宣言して、取引先の同意を得た上で転注すればOKです。

     

下請取引先が相手だと、転注できないのでは?と思っている人がいます。

でもちゃんと適切に対応すれば、問題はありません。

    

詳しく解説します。

    

下請取引先でも転注して大丈夫?

下請法には、「4つの義務と11の禁止事項」が定められています。

   

下請法 4つの義務と11の禁止事項
【出典】公正取引委員会 知って守って下請法

     

この中に「転注禁止」は無いので、下請法上は問題ありません。

ただ下請法上、問題がなければ何をしても良い訳ではありません。

    

商習慣上、事前に取引先に通知して、相手の了承を得ることが望ましいです。

    

下請け取引先への注文品を転注する時の注意点

他には注意すべきことは無いの?

    

下請取引先への注文を転注する場合は、以下の3つを注意しましょう。

   

・取引先に実害が無いこと(例:在庫)

・自社への依存度が高すぎる場合は注意

・転注する理由が正当なこと

     

取引先に実害が無いこと(例:在庫)

急に転注してしまうと、取引先が納入するために準備していた材料の行き場がなくなる可能性があります。

特にカスタム品では、自社のためにモノづくりをしてくれています。

    

また受注を見込んで、設備投資してしまった場合も注意が必要です。

設備投資自体は、取引先の判断で実施するものですが、自社の案件のために設備投資をしてしまった場合は、ある程度の配慮が必要です。

(基本はそういうことが無いように、コミュニケーションを取りたいです)

   

基本的には、取引先の在庫がはけてから切り替えを行います。

(切り替えのタイミング次第では、一括買取という選択を取るケースもあります)

   

自社への依存度が高すぎる場合は注意

御社への売上比率が70%です!

   

こういう自社への依存度が高い取引先の場合、転注した場合の影響度合いを事前に調査すべきです。

一義的には、取引先の経営の責任はありません。

しかし商習慣上、自分が手を引いて倒産してしまう事態は避けるべきです。

(悪い噂が立つかもしれません)

    

自社への依存度が高い場合は、他の案件をバーターで注文することや、徐々に比率を下げていくなどの工夫が必要です。

   

転注する理由が正当なこと

あの取引先は、気に食わないから転注してやれ!

    

これはNGです。

転注する時には、正当な理由が必要です。

  

モデルチェンジ、機種終息、安価メーカーへの置き換えなど、やむを得ない事情の時に転注をしましょう。

   

一般取引先への注文品を他社へ転注する時の注意点・マナーを解説

meeting

     

下請取引先への対応はわかったけど、一般取引先で注意すべきことはある?

     

一般取引先への注文を、他社へ転注する時の注意点は以下の2つです。

   

・誠実に

・前広に

   

上記2つを意識しましょう。(もちろん、下請取引先でも同様に意識すべきです)

抽象的な記載なので、もう少し詳しく説明します。

    

なぜ転注するときは「誠実」になる必要があるのか?

・他の部材でも引き続き取引をするかも

・仮にゼロになっても数年後また取引するかも

    

資材調達は「継続的な取引」が中心です。売り切り買い切りの商売ではありません。

もし不誠実な転注をした場合、取引先は「もう二度と付き合うものか」と思います。

   

数年後に別の案件でもう一度取引しなければならない時、取引先はどう思うでしょうか?

普通に考えて、いい気分はしないですよね。

   

取引先とは良好な関係を築き、win-winを意識することが最も大切です。

転注というイベントでこそ、相手と良好な関係を築けるのかが試されます。

   

     

転注する時に「前広」に連絡する必要がある理由

・相手も年間の売上計画を立てている

・残った在庫・部材を消化する必要がある

     

転注すると決まったら、早めに連絡をして今後の進め方を相談しましょう。

   

どのくらい前に連絡した方が良いの?

    

これは発注額、手配リードタイム、標準品orカスタム品によって変わってきます。

ただ感覚的には、半年前には連絡を入れておいたほうが良いと思います。

    

意外と取引先は在庫を持っているケースがあります。

また売上計画に入れられると、「来年まで待ってくれ」みたいな泣きが入る可能性もあります。

   

もちろん、転注の準備ができるまではバレないように動くことも重要です。

ですが、取引先にも切り替え準備期間を設けてあげましょう。

   

まとめ:転注する時は前広に誠実に対応しよう

本記事のまとめです。

   

・下請取引先であっても、注意点を守れば転注しても大丈夫です

・転注の際は「誠実」「前広」のキーワードを意識しよう!

     

転注をする時は、取引先との関係が崩れやすいです。

安易に転注してしまうと、後々遺恨を残す可能性があるので注意が必要です。

   

上記注意点を守って、取引先との関係を維持しつつ転注というミッションを成し遂げましょう!

    

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

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