この記事では、直接輸入と間接輸入の使い分け方を解説してます。
資材調達部門は、どういう理屈で直接輸入と間接輸入を分けているの?
こんな疑問に回答します。
資材調達部門は、海外から部材を輸入するとき、どんな基準で商流を選定しているかご存知ですか?
設計部門の人は、「何で直接輸入にしているんだ?」と疑問に思うかもしれません。
今回は、資材歴10年の著者が「直接輸入と間接輸入はどう使い分けるべきか?」を解説します。
直接輸入と間接輸入はどう使い分けるべき?【資材調達部員が詳しく解説】
直接輸入と間接輸入の使い分け方は、以下の通りです。
・金額が大きい大物は直接輸入すべき
・金額が小さい雑多な品目は間接輸入にすべき
直接輸入と間接輸入をどちらにすべきか迷った時は、基本は金額が大きい大物に絞って、直接輸入すべきです。
大物に絞って直接輸入することで、直接輸入のメリットを最大限享受できます。
詳しく解説します。
直接輸入と間接輸入とは何か?
直接輸入と間接輸入の定義は以下の通りです。
直接輸入:資材部門が海外メーカーから直接、材料を輸入する
間接輸入:日本の商社に注文、海外メーカとの取引、輸入は商社が行う
直接・間接それぞれにメリット・デメリットがあるので、使い分けが必要です。
金額が大きい大物は直接輸入すべき理由
金額が大きい品目を直接輸入すべき理由は、「原価低減(原低)効果を最大限享受できる」からです。
直接輸入は、商社を介さず直接取引するので、商社の利益を省くことが出来ます。
でもどうして金額が大きい品目で直接輸入をすべきなの?
それは同じ10%の原低効果でも、発注金額が大きいほど原低額も増えるからです。
・100円を10%原低⇒10円の原低額
・1億円を10%原低⇒1,000万円の原低額
直接輸入をするなら、大きなリターンが見込める金額が高い品目を選びましょう。
金額が小さい雑多な品目は間接輸入にすべき理由
じゃあ何で他の品目は直接輸入しないの?
それは、直接輸入に物凄い手間がかかるからです。
海外メーカーから直接仕入れる場合、資材部員が、海運貨物取扱業者とやり取りしたり、通関手続きを行う必要があります。
特に不具合品の返却の場合、資材部員が輸出者になるので、輸出手続きも必要となってきます。
ぶっちゃけ、超めんどいです。
全ての部材を自分が輸入していたら、それだけで日が暮れてしまいます。
こういう手間のかかる業務を代行してくれるのが「商社」です。
商社は、海外メーカーとのやりとりだけでなく、輸入に関する手続きを全部やってくれます。
自分で輸入するようになると、商社の人のありがたさが分かってきます。
「品目数が多い」「金額が小さい」場合は、出来る限り商社にお願いして、手間をかけないようにしましょう。
何故全部直接輸入にしないのか?
なんで資材部員は楽しようとしているんだ!
全部直接輸入にして、価格を安くしろ!
という人がたまにいます。
値段下がるんだから、頑張って直接輸入にすれば良いのでは?と思うかもしれません。
でも全部直接輸入にすると、こんなデメリットがあります。
・資材部員のパフォーマンスが落ちる
・資材部以外の人たちも労力が増える(仕様調整・品質対応)
・そもそも、そこまで原低額が大きくない(苦労>効果)
資材部員のパフォーマンスが落ちる
先ほど説明したように、直接輸入を増やすと、資材部員の仕事は輸入業務に多くの時間が割かれます。
そのため本来やるべき仕事(新規メーカー調査、取引先との交渉など)が疎かになります。
特に社内関係者にとって困る「資材部門のレスポンスの遅さ」に繋がりやすいです。
輸入業務そのものに、付加価値はありません。
輸入業務ばかりに忙殺されると、資材部員としての付加価値が無くなってしまいます。
資材部以外の人たちも労力が増える(仕様調整・品質対応)
直接輸入すると、資材部員以外の人も大変になります。
商社がいれば、仕様調整も商社の人が来社してくれます。
しかし海外メーカーの場合、仕様調整・品質の打合せを直接行う必要があります。
直接調達をすると、社内全体の作業量が増えるので、何でもかんでも直接輸入にするべきできはありません。
まとめ:直接輸入はここぞの場面で使おう
本記事のまとめです。
・金額が大きい大物は直接輸入すべき
・金額が小さい雑多な品目は間接輸入にすべき
直接輸入は、調達品のコストを大きく下げることが出来る可能性を秘めています。
しかし、その分手間もかかるので、バランスが重要です。
直接輸入をうまく使いこなすことで調達品の原価低減を進めていきましょう!
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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