こんにちは、コロスケです。
今日は日本ポリプロのPP樹脂についてまとめていきます。
少し前になりますが、2019年7月31日に日本ポリプロが鹿島工場の設備1系列の生産を停止することを発表しました。
http://www.pochem.co.jp/jpp/news/20190731-1.pdf
日本国内のPP樹脂市場は、プライムポリマーと日本ポリプロの2社でシェアの大半を占める寡占市場となっております。
そのため、日本ポリプロの生産動向は、国内のPP需給に大きな影響を与えます。
今回は日本ポリプロの鹿島の設備1系列の停止について詳しく解説していきます。
・日本ポリプロの納期・価格は今後どうなるの?
・PPの今後の市場動向・需給が知りたい
これらPP樹脂に関する疑問を資材歴10年の僕が詳しく解決していきます。
日本ポリプロ鹿島工場の製造設備の停止の影響を解説【PP樹脂】
本記事の結論です。
・鹿島工場の製造設備1系列を2020年4月に停止
・代わりに五井工場で1系列を新たに建設、稼働開始している
・供給量の総量は大きく変わらない見込みで、引き続きPPの供給はタイト
鹿島工場の設備が停止となりますが、その代わりに五井工場で新設備が稼働しており、供給量の総量は大きく変わらない見込みです。
元々PP樹脂の供給はタイトでしたが、今後もその状況は続く見込みです。
詳細は以下の通りです。
日本ポリプロとは?
日本国内ではPP樹脂を製造しているメーカーは5社あります。
そのうち日本ポリプロは国内シェア30%強の、国内2位のシェアを持っているメーカーです。
日本ポリプロは、千葉県の五井工場、茨城県の鹿島工場、そして岡山県の水島工場の3つの製造拠点を有しています。
PP樹脂のメーカーシェアについて知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。
設備停止の概要
日本ポリプロのプレスリリースの内容です。
この度、更なる事業基盤の強化、合理化を進める施策として、鹿島工場のポリプロピレン製造設備 1 系列の停止を決定致しました。
http://www.pochem.co.jp/jpp/news/20190731-1.pdf
この鹿島工場の製造設備1系列の能力は10.6万トン/年となっております。
これは、日本ポリプロの総生産の12%に相当する能力です。
設備停止の背景
今回、日本ポリプロは何故設備の停止を決定したのでしょうか。
日本ポリプロのプレスリリースにヒントが載っています。
ポリプロピレン樹脂の事業環境は、今後も中東・アジア地域での新増設が計画され、汎用品を中心とした海外品の流入による国産品需要の低迷によって、非常に厳しい状況の到来が予想されております。
http://www.pochem.co.jp/jpp/news/20190731-1.pdf
アジア地域では、積極的に設備の増設が計画されております。
現在日本国内のPP樹脂の需要は、日本のPPメーカーがほぼ賄っております。(PP樹脂の輸入率は5%程度)
直近ではPP樹脂の需要は増えておりますが、日本ポリプロは今の供給量が適切と考えているようです。
今回の製造設備の停止は、これ以上生産能力を増やさないという明確なメッセージだと思います。
・日本ポリプロは現在の供給量が適切と考えており、これ以上供給量を増やす予定は無い
資材部員が取るべき対応
PP樹脂を購入している資材部員は今回の発表を受け、どのような対応を取れば良いのでしょうか。
取るべき対応は以下の2点です。
・2020年4月以降の供給枠の確認
・BCP対策の推進
2020年4月以降の供給枠の確認
現状鹿島工場の製造設備1系列は、2020年4月に停止する予定となっております。
減産する分は、新設した五井工場の設備で補うことになりますが、直近では納期問題が発生するリスクが高まります。
また、日本ポリプロは2020年5月頃から法律で定められた定修の予定があります。
2020年5月~7月迄は、生産が停止となる模様のため、在庫の積み上げが出来ているかをきちんと確認することが必要です。
2年前は、鹿島工場の設備トラブルと定修が重なり大変だったから、今回は問題が無いように万全を期したいね。
BCP対策の推進
日本のPP市場は、ほぼプライムポリマーと日本ポリプロの2社で寡占化されております。
そして両社ともに供給がひっ迫しており、新規に受注を受け付ける余裕があまりありません。
PPメーカーで生産トラブルがあっても、日本国内の他社でリカバリーすることは難しいです。
そのため、基本的には代替メーカー=海外材となります。
2年前、2017年の日本ポリプロの鹿島工場での設備トラブルで苦労した人も多いと思います。
何かあってからの対応では遅いので、今の内から海外メーカーの認定を進めるようにしましょう。
まとめ
日本ポリプロ鹿島工場の設備停止のまとめです。
・鹿島工場の製造設備1系列を2020年4月に停止
・代わりに五井工場で1系列を新たに建設、稼働開始している
・供給量の総量は大きく変わらない見込みで、引き続きPPの供給はタイト
・資材部員は、直近の枠の確保とBCP対策の推進が必要
PP樹脂は、様々な分野で使われている重要な材料です。
特に最近のPP市場は供給がタイトになっており、注意が必要です。
資材部員は、数量枠の確保やBCP対策の推進を進めることが求められています。
問題が起きる前から活動を進めていくことで、問題発生の芽を未然に防いでいきましょう。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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