博報堂DYの株価が下落している理由を解説【広告予算カット?】

博報堂DYの株価が下落している理由を解説【広告予算カット?】 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、博報堂DYホールディングスの株価が下落している理由をまとめています。

       

最近、博報堂の株価が下落しています。

       

【出典】Google市場概説_博報堂DYホールディングス株価推移
【出典】Google市場概説_博報堂DYホールディングス株価推移

      

1年前と比べて、株価が40%ほど下落し、年初来最安値を更新しています。

株価が下がってきているので、投資を考えている方も多いと思います。

    

一方で博報堂の株価が下がっているのには、理由があります。

下がっているからと言って、安易に投資するのはリスキーです。

     

そこで本記事では、博報堂DYの株価が下がっている理由を詳しく分析していきます。

同社への投資を考えている方に、有益な情報を提供します。

         

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博報堂DYの株価が下落している理由を解説【広告予算カット?】

       

博報堂の株価が下がっている理由をまとめました。

       

・2021年度の高利益は一時的要因だから

・デジタル人材採用で経費が増加する見込みだから

・景気が悪くなると広告費は真っ先にカットされるから

・投資先としてあまり魅力を感じない(個人的理由)

     

株価が下がっているのには、それなりの理由がありました。

詳しく解説します。

       

2021年度の高利益は一時的要因だから

博報堂の2021年度のEPS(1株純利益)は、148円と非常に高い水準でした。

      

【出典】博報堂DY_EPS、1株配当金、配当性向推移
【グラフ】博報堂DY_EPS、1株配当金、配当性向推移(著者作成)

       

その影響で、2021年度の博報堂の株価は堅調でした。

しかし2022年度は、EPSは大きく減少しています(148円→予想70円)。

     

実は、2022年になって利益が大きく減少した訳ではありません。

2021年度は、株の売却益のお陰で一時的に利益がかさ増しされていました。

       

特別損益について、特別利益は㈱リクルートホールディングス等の株式売却による投資有価証券売却益236億27百万円などを計上

【出典】博報堂DY_2021年度通期決算短信

      

実は博報堂は、2021年度に保有していたリクルートの株式を売却しています。

その結果、EPSが大きく増えていたのです。

   

2022年度は株式売却による利益がなく、通常の利益水準に戻っていたのです。

その影響で株価も下落傾向にあります。

       

デジタル人材採用で経費が増加する見込みだから

2022年度、博報堂は「販売管理費」が約270億円も増加する計画となっています。

270億円の内訳は以下のとおりです。

      

・のれん償却費を含む M&A によるもの:70億円

・基盤整備のための戦略費用: 100 億円

・テクノロジー新会社にて100 名程度の採用など:100億円

        

こうした積極的な投資によって、目先の利益は下がっていく見込みです。

特にデジタル人材の採用は、2023年度以降も継続的に伸ばしていく計画となっています。

      

また、テクノロジー新会社にて 100 名程度の採用を計画しているが、優秀な人材を採用するべく、今年から来年にかけて徐々に採用数が増えていくことを想定している。

【出典】博報堂DY_2022年度決算質疑応答

        

博報堂の2022年度の営業利益予想は、510億円です。

利益の半分を投資に回すことで、目先の利益が目減りする見込みとなっています。

    

こうした背景から、株価は下落傾向にあるのです。

      

景気が悪くなると広告費は真っ先にカットされるから

2022年度は、世界的に景気が悪化することが想定されています。

    

世界最大の経済大国であるアメリカは、急速な利上げを進めており景気後退懸念が高まっています。

また中国も、厳格なコロナ対応による経済活動の停滞が起きています。

      

他にも様々な景気後退リスクが健在化しつつあります。

      

・ドル独歩高による新興国通貨危機の懸念

・中国の不動産バブルの崩壊リスク

・ドイツ、ウクライナの戦争の長期化

・欧州の電力不足

     

現在の世界は、多くの火種を抱えています。

こうした火種が大きくなると、今後深刻な景気後退が起こる事が予想されます。

    

そして景気が悪化すると、真っ先にカットされるのが「広告予算」です。

企業は景気が悪くなると、広告宣伝費をまず最初に抑える傾向があります。

    

そういう意味で、博報堂は景気悪化の影響をモロに受ける業態と言えます。

今後景気悪化に伴い、博報堂の利益が下がる事が見込まれる事から、株価は先行して下落しているのです。

       

投資先としてあまり魅力を感じない(個人的理由)

また僕個人の意見ですが、投資先として博報堂にあまり魅力を感じませんでした。

      

・低い利益率

・自己資本比率もそこまで高くない

・広告代理店なのに、決算説明資料の質がチープ

      

博報堂といえば、就活でも大人気の超有名企業です。

年収も高く、働き先としては素晴らしい会社だと思います。

    

ですが、利益率がそこまで高くなく自己資本比率も低めです。

投資先としてもっと優良な会社が山のようにあるので、敢えて博報堂に投資する理由が見当たりません。

     

加えて個人的に、博報堂のプレゼン資料が残念でした。

今まで多くの会社の決算説明資料のPPTを見ましたが、博報堂の決算説明資料の質は非常に低いです。

     

投資家が知りたい情報がきちんと書かれておらず、内容を理解しにくいです。

加えて、PPTのデザインも非常に残念な感じです。

      

【出典】博報堂DY_2022年度1Q決算説明資料
【出典】博報堂DY_2022年度1Q決算説明資料

       

もちろん、無駄にPPTのデザインに凝れば良い訳ではありません。

しかし博報堂は、広告代理店です。

プレゼンこそ、博報堂の力の源泉のはずです。

  

その「広告代理店」の博報堂のプレゼン資料がこんなレベルだと、仕事もこんなレベルなのかな・・・と邪推してしまいます。

      

まとめ:博報堂DYの株価が下落している理由

博報堂の株価が下がっている理由をまとめました。

      

・2021年度の高利益は一時的要因だから

・デジタル人材採用で経費が増加する見込みだから

・景気が悪くなると広告費は真っ先にカットされるから

・会社的にあまり魅力を感じない(個人的理由)

      

今後景気が悪化していくと、博報堂の経営は更に厳しくなる事が予想されます。

この記事が博報堂の分析の参考になれば幸いです。

    

なお本記事は、著者の個人的意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではございません。

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