この記事では、インフィニオン(Infineon)の売上情報と、サイプレス(Cypress)の買収についてまとめています。
あなたは「インフィニオンはどんな会社?」と聞かれて、すぐ答えられますか?
名前は知っているし、部品も買っているけど、詳細はあんまり知らない人も多いと思います。
今回は半導体バイヤーの方向けに「インフィニオンの概要とサイプレス買収」について詳しく解説していきます。
・インフィニオンってどんな会社なの?
・サイプレス買収したってホント?
これら疑問を解決していきます。
【2020年】インフィニオンの売上情報とサイプレス買収まとめ
インフィニオンの概要は以下の通りです。
・インフィニオンはドイツの半導体メーカー
・サイプレス買収で、売上が世界トップ10位の半導体メーカーに
・車載、パワー半導体、マイコン、セキュリティICが得意分野
インフィニオンはドイツの半導体メーカーです。
サイプレスの買収で世界トップ10位の半導体メーカーになったことを覚えておきましょう。
とりあえずはこれを覚えておけば大丈夫ですが、もう少し詳しく解説していきます。
インフィニオンの基本情報(売上他)
インフィニオンの基本情報は以下の通りです。
・2000年にドイツのシーメンスの半導体部門が分離独立した会社
・売上8,029Mユーロ(約1兆円)※レート120円/ユーロ
・従業員が全世界に約41,400人、製造拠点が世界に17か所
インフィニオンは、シーメンスの半導体部門が母体です。
2019年の売上が約1兆円となっており、世界を代表する半導体メーカーです。
インフィニオンの世界シェア
一口に半導体と言っても広いので、具体的な品種ごとのシェアを見ていきましょう。
車載半導体シェア
NXPに次いで世界2位のシェアでしたが、サイプレスと一緒になることで、車載半導体で世界シェア1位になります。
32bitマイコン世界シェア
32ビットマイコンでは、世界シェア5位でしたが、サイプレスと一緒になることで、世界シェア4位になります。
セキュリティIC
NXPと同率シェア1位です。
インフィニオンとNXPは、競合する分野が多いですね。
パワーディスクリート、モジュール
パワー半導体の分野では、2位のオンセミに倍以上の差をつけての1位です。
インフィニオンビジネスセグメント
次にインフィニオンのセグメント毎の売上を見ていきます。
インフィニオンは売上の4割以上を自動車向けで占めています。
インフィニオンの売上・利益推移
インフィニオンの売上・利益推移は以下の通りです。
19年の売上が9,635憶円(120円/ユーロで計算)です。
営業利益率が14%となっています。
営業利益率は、過去8年間を見ても8%以上の高水準を維持しています。
また売上も右肩上がりに増えております。
これは後述する買収が大きく寄与しています。
インフィニオンの買収履歴
次にインフィニオンが買収した会社を紹介します。
・2014年にIRを買収
・2016年にWolfspeedを買収
・2020年にCypressを買収
シナジー効果がある半導体企業を定期的に買収しております。
インフィニオンの売上増は、積極的な買収によってもたらされたものでした。
【2020年】インフィニオンによるサイプレス買収を解説詳しく解説
次に2019年に発表されたインフィニオンによるサイプレス買収について説明していきます。
インフィニオンによる買収の概要
2019年6月、インフィニオンは、サイプレスを買収することを発表しました。
インフィニオン テクノロジーズ(FSE:IFX/OTCQX:IFNNY; 以下、インフィニオン)と米半導体メーカーのサイプレス セミコンダクタ社(NASDAQ: CY; 以下、サイプレス)は、本日、インフィニオンがサイプレスの株式を1株当たり23.85米ドル(総額90億ユーロ相当)で取得する旨の最終契約を締結したことをお知らせいたします。
https://www.infineon.com/cms/jp/about-infineon/press/press-releases/2019/INFXX201906-074.html
当初は、米国当局の承認がおりるか不安視されていましたが、2020年3月に手続きが完了したことが発表されました。
インフィニオン テクノロジーズ(FSE:IFX / OTCQX:IFNNY 以下「インフィニオン」)は、サイプレス セミコンダクタ社(NASDAQ:CY 以下「サイプレス」)の買収に必要とされる規制当局からの全ての承認が得られたことを発表いたします。5営業日以内に買収取引を完了する予定です。
https://www.infineon.com/cms/jp/about-infineon/press/press-releases/2020/INFXX202003-046.html
買収されるサイプレス(Cypress)の概要
サイプレスの概要は以下の通りです。
・サイプレスは1982年にアメリカで操業した半導体メーカー
・2019年の売上が2,205Mドル⇒2,400憶円(110円/$)の会社
・90億ユーロ⇒1兆800憶円(120円/ユーロ)で買収される
・サイプレスはNOR型フラッシュメモリとSRAMで高いシェアを持つ
買収によりサイプレスの売上2,400億円が増え、世界の半導体売上ランキングが10位になります。
インフィニオンによるサイプレス買収の背景
僕の推測も含めて、サイプレス買収の背景を整理しました。
・マイコン事業のシェア拡大
・サイプレスのコネクテイビティに関するノウハウ取得
・車載半導体のポートフォリオ拡充(フラッシュメモリ)
サイプレス買収により、市場の伸びが期待できる車載やIoTをより強化していくことになります。
まとめ:インフィニオンは世界トップ10位の半導体メーカー
本記事のまとめです。
・インフィニオンはドイツの半導体メーカー
・サイプレス買収で、売上が世界トップ10位の半導体メーカーに
・車載、パワー半導体、マイコン、セキュリティICが得意分野
インフィニオンは買収による事業拡大に積極的な会社です。
今後、今まで以上に車載やIoTの分野で存在感が高まっていくと思われます。
これからも、インフィニオンの動向には注目していきたいと思います。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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