抵抗・MLCCのチップサイズトレンドと課題【1005⇒0603】

チップ抵抗・MLCCのサイズトレンド(1005、0603)資材業務について
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こんにちは、コロスケです。

今日は、チップ抵抗やチップコンデンサ(MLCC)のサイズトレンドを解説していきます。

 

抵抗・MLCCは、原価低減や基板の小型化を目的に、年々チップサイズが小さくなってきております。

 

最近だと、村田製作所が0201サイズという、目にも見えないような小さいチップを開発しております。

 

世界最小(0201Mサイズ)で最大静電容量0.1μFの積層セラミックコンデンサを世界で初めて開発 | 村田製作所
世界最小(0201Mサイズ)で最大静電容量0.1μFの積層セラミックコンデンサを世界で初めて開発の積層セラミックコンデンサを世界で初めて開発

 

今回は、抵抗・MLCCのチップサイズの最新トレンド情報や、小型化に伴う実装上の課題を整理していきます。

 

・近年のチップサイズのトレンドが知りたい

・0603サイズの基板実装の課題が知りたい

・基板実装の課題から、日本の製造業の問題点が見えるってホント?

 

上記疑問を解決していきます。

 

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抵抗・MLCCのチップサイズトレンドと実装課題【1005⇒0603】

基板実装

 

本記事の結論は以下の通りです。

 

・MLCCは0603サイズ、チップ抵抗は1005が市場の主流になっている

・将来的には1005は生産中止となるリスクがある(特に村田のMLCC)

・0603サイズへの切り替えは実装上の課題が多い

・自社で基板実装をやる必要が本当にあるのか?

 

現在は、1005、0603サイズが市場の主流になっております。

 

「0603なんて当たり前だよ」と言う方もいれば「0603なんてまだ先の話だよ」など、会社によって状況は違うと思います。

 

チップサイズの小型化に当たっての課題と、そこから見える日本の製造業の問題点を解説していきます。

 

チップ抵抗・MLCCのサイズトレンド

チップ抵抗・MLCCは、年々小型化が進んできております。

 

MLCCのチップサイズトレンド

村田MLCC構成比率
村田製作所HP  https://article.murata.com/ja-jp/article/middle-case-size-bridges-mlcc-miniaturization-path

 

MLCCのチップサイズは、10年周期くらいでサイズが小型化しております。

2000年頃、0603サイズは市場ではほとんど流通していませんでした。

しかし、20年後の2020年では、一番使われているサイズになっています。

 

チップサイズが小型化していく背景は以下の通りです。

 

・MLCCのメインの客先であるスマホ向けで、部品小型化の要望がある

・MLCCメーカーも、小型化した方が生産効率が良い

 

チップ抵抗のサイズトレンド

次にチップ抵抗のサイズトレンドをみていきます。

 

抵抗チップサイズトレンド
パナソニックHP  https://industrial.panasonic.com/jp/ss/technical/r1

 

MLCCに比べると小型化のペースが遅いです。

2020年時点でも、1005サイズのシェアが一番高いです。

 

MLCCに比べて小型化が遅い理由は、抵抗市場はMLCCと比べてサプライヤーの数が多いからだと思われます。

 

MLCCの場合は、市場が寡占化&需要ひっ迫しているため、生産効率を上げる(チップサイズを小さく)必要があります。

一方で抵抗は、比較的サプライヤーの数も多いことから、小型化の進み方が緩やかになっています。

 

上記抵抗の資料は2017年のものだから、最新のデータに置き換えるともう少し0603サイズは多いと思う

 

将来的に1005サイズは生産中止になる?

2017年~2018年にかけて、村田製作所で深刻な納期トラブルが発生しました。

 

 

需要に見合った供給を確保するために、村田は1608サイズを生産中止にしております。

そして、将来的には1005サイズも生産中止にする可能性を示唆していました。

 

しかし、2018年末からの景気の落ち込みで需要が減少、生産中止にする品目の見直しを行いました。

2020年時点では、村田の需給は安定しておりますので、直近で1005サイズ全てが生産中止になることは無さそうです。

 

 

一方で長期的には、車の電装化&5Gの進展で、MLCCの需要は伸びていきます。

長い目で見ると、需要が減少し、生産効率が悪い1005サイズは生産中止になる可能性があります。

 

また抵抗も数年遅れてMLCCのトレンドを辿っているので、同じように0603サイズが主流になっていくものと思われます。

 

0603サイズへの切り替えは実装上の課題が大きい

0603サイズへの切り替えは、以下2つの技術的な問題があります。

 

・フロー実装設備では0603は実装が出来ない

・基板ひずみ対策が必要(基板のパターン変更が必要な場合も)

 

フロー実装設備では0603は実装が出来ない

電子部品の実装には、フローとリフローの2種類があります。

チップサイズが小型化するとリフロー実装が必要となってきます。

 

しかし、会社の設備によってはフロー設備しか保有していないケースがあります。

1005サイズまではフロー設備で実装できるかもしれませんが、0603サイズ以下になると、リフロー実装がほぼ必須のようです。

 

村田製作所の見解は、「フロー実装は1608サイズまで」のようです。

 

Q.チップ積層セラミックコンデンサの1608M/2012M/3216M(in mm)サイズ以外は、なぜフローはんだ付けができないのでしょうか?

 

A. 3225M以上の大きなサイズは、チップ表面と内部の温度差が大きくなり、その温度差によってクラックが起こる可能性があるので対象外となります。

1005M以下は小さなサイズのため、フローはんだ付けをするとチップの脱落やブリッジの可能性があり、フローはんだ付けの対象外としております。

https://www.murata.com/ja-jp/support/faqs/products/capacitor/mlcc/mnt/0003

 

このように0603サイズを実装しようとする場合は、設備投資が必要になってくるので、切り替えのハードルが上がります。

 

基板ひずみ対策が必要

またチップの小型に伴い、基板のひずみ対策が必要になってきます。

 

基板のハンドリングやコネクタ接続の際に、基板に曲げ圧力がかかります。

固定されたMLCCに曲げ圧力がかかると、クラックが発生することがあり、これを基板のひずみ問題と呼んでいます。

 

セットの小型化等のため、小型部品への置き換え検討が進んでいます。

既存の1608Mサイズ以上のコンデンサから、ランドサイズだけ変更して 1005Mサイズや、0603Mサイズに置き換えるケースでは、基板曲げによるクラック発生のリスクが増加するため注意が必要です。

https://www.murata.com/-/media/webrenewal/products/capacitor/mlcc/faq/mnt/small-mlcc-caution-ver3.ashx?la=ja-jp

 

チップ小型化問題から日本の製造業の課題を見る【実装はコア技術?】

調達環境の悪化

 

多くの製造業では、0603サイズへの対応が進んでおらず苦慮しています。

個人的にはこの問題から、日本の製造業の問題点を見出すことが出来ると思っています。

 

・古い会社は、自社の基板実装技術がオワコン化している

・自社で全ての工程をやり切る考え方が古い

・結局は、リストラが出来ない構造が根本問題

 

市場の小型化のトレンドに、実装技術が追いついておらず、オワコン化してきています。

自社で全てをやろうとする考え方が古いです。

 

自社の基板実装技術がオワコン化している

0603サイズは市場のトレンドです。

モノ作りをしていくためには、市場のトレンドについていく必要があります。

市場にあるものを使いこなし、良い製品を作るのが製造業のあるべき姿です。

 

古くから基板実装を自社で行っている会社では、この市場トレンドについて行けていないところが増えている印象です。

 

自社で全ての製造工程をやり切る考え方が古い

日本が右肩上がりに経済成長を続けていた時は、人も金も沢山ありました。

しかし、近年の日本の製造業では右肩上がりの成長は見込ません。

 

アジアの安価なメーカーとの価格競争を続けており、利益が出にくい構造になってきています。

そういう状況で、全ての製造工程を自社で取り込むのには無理があります。

 

限られた予算は、競争力の源泉になる技術に集中投資するべきです。

しかしながら、日本は不要な部門を切って捨てることが出来ませんでした。

 

半導体では、垂直統合型の日本が敗れ去り、水平分業型の企業が台頭しました。

 

 

何でもかんでも自社でやろうとする考えは古いのです。

基板実装が得意な企業は沢山あります。

内製に拘るあまり、技術力・価格競争力が落ちている企業が多いです。

 

リストラが出来ない構造が根本問題

 

でも、何で日本の会社は競争力の無い事業を残存させているの?

 

日本の製造業もバカでは無いので、自社の製造工程に価格競争力が無いことは分かっています。

しかし、それが出来ないのは、「日本の会社が終身雇用制を前提としており、簡単に解雇が出来ないから」です。

 

本当なら、他社に任せた方が安い場合でも、人員が遊んでしまうため、外注化を踏み切ることが出来ません。

 

結局、パナソニックの半導体の身売りなど、どうにもならなくなってからの後手後手の対応となるのです。

 

まとめ&私見

本記事のまとめです。

 

・MLCCは0603サイズ、チップ抵抗は1005が市場の主流になっている

・将来的には1005は生産中止となるリスクがある(特に村田のMLCC)

・0603サイズへの切り替えは実装上の課題が多い

・全部を自社でモノ作りをするのは時代遅れ

 

チップサイズの小型化から、実は日本の製造業の問題点が見えてきます。

全部自社でやり切ろうとする考えは古いので、将来的には水平分業化が進んでいくものと思われます。

 

また水平分業化が進み、基板ASSYで買うことになると、電子部品の調達担当者も不要になる可能性が出てきます。

 

いずれ電子部品の調達担当者は、EMSメーカーに転職することになるかもしれません。

10年後はどうなるのか分からないので、今の内から「リストラされるかも・・・」は考えた方が良いかもしれません。

 

 

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。

  

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