なぜ品質不正・偽装は頻発するのか?【原因を現役製造業社員が解説】

なぜ品質不正・偽装は頻発するのか?現役製造業社員が本気で考えた資材業務について
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こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。

この記事では、「製造業の品質不正・品質偽装は、なぜ起きるのか?」を分析しています。

    

ここ数年、日本企業の品質不正が相次いでいます。

最近では、三菱電機が品質不正により、社長が辞任する事態にまで陥っています。

    

     

不正した会社はけしからん!

    

このように文句を言うのは、簡単です。

でも最近僕は、「日本企業の文化、日本人の考え方に何か問題があるのでは?」と思うようになりました。

特定の企業の不祥事とするには、あまりにも件数が多すぎです。

今まで起きた不祥事に、共通する要素があるはずです。

    

「日本の製造業はなぜ品質不正に手を染めるのか?」

今の製造業で働く僕たちは、このことを真剣に考えるべきです。

    

以降では、僕自身の考えを詳しく紹介していきます。

      

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なぜ品質不正・偽装は頻発するのか?【原因を現役製造業社員が解説】

原因

      

日本の製造業で不正が起きる原因を3つ考えました。

     

・売り手と買い手が対等の立場では無い(売り手の立場が弱い)

・事なかれ主義や他人任せで、自分で考えて行動しない

昔から勤める人が偉い・空気を読むべき文化

     

日本独自の文化や日本人特有の考え方に、不正の根本原因があると考えました。

これらの考え方が「どのように不正に関与するのか」を詳しく解説します。

   

尚この記事では、京セラのUL偽装報告書などを参考にしています。

どうして不正が起きたのかを詳細に分析した報告書ですので、製造業で働く方は参考になるかと思います。

       

【原因1】売り手と買い手が対等の立場ではない

資本主義社会では、売り手と買い手は対等な立場で取引をします。

    

しかし実態は、買い手が有利なケースが多いです。

そのため客先の言う通りにしないと、受注を貰えない時があります。

    

また不正が多発したJIS規格のケースでは、誰でも作れる商品=コモディティになりがちです。

コモディティ化した商品は、圧倒的に買い手が有利な立場になります。

    

コモディティ化

市場に流通している商品がメーカーごとの個性を失い、消費者にとってはどこのメーカーの品を購入しても大差のない状態のこと

【出典】wikipedia コモディティ化

    

その結果、日本メーカーの多くは「顧客の言われた通りにやるべき」と考えがちです。

すると、以下のことが起きます。

     

・実力以上の規格でも受け入れてしまう

・やりたくない検査でも受け入れてしまう

      

お客さんが絶対って言っているから、これは必須ね!

    

こんな感じで、厳しい検査条件が受注の必須要件になってしまいます。

その結果、「出来ない事でも、頑張ってやらなきゃいけない風土」が出来上がります。

      

京セラのUL偽装報告書では、この事を「顧客に対する迎合的な姿勢」と表現しています。

    

ケミカル事業部では、顧客に対して対応できないことをできないと伝えることなく、顧客要求への迎合的・表⾯的な対応が継続され、その結果、UL のルールの潜脱が横⾏することとなった。

【出典】京セラ 当社ケミカル製品における不適切対応に関する調査結果等のご報告

    

できない事を現場でカバーしようとすると、規定通りに検査を行わなかったり、違う検査で代替することにつながります。

たぶん、工場の品管部門はこんな事を考えていたのでは無いでしょうか?

     

今回の新機種、こんな検査しなきゃいけないの?

忙しすぎてこんな事出来ないよ・・・

     

量産で安定的にこの仕様を満たすことは出来ないよ・・・

    

現実的にできない検査を任された品管が、不正で辻褄をあわせるのは自然な成り行きに思えました。

     

売り手の立場が弱く、実現できない検査をせざるを得ないことに不正の要因がある

     

【原因2】事なかれ主義や他人任せで、自分で考えて行動しない

品質不正のニュースを見て「仕様を見直せば良いのに」と思いませんか?

     

バカだねぇ、できない検査なら仕様書を見直せば良いのに

   

でも不正を行った企業は、仕様の見直し調整すらしていないという衝撃の事実があります。

    

顧客からの要求を踏まえたカスタマイズに際しても、UL のルールに従って新たな認証が必要といった説明・交渉や UL 認証の必要性等について、顧客との間で議論・交渉が⾏われていた様⼦は窺われない。

【出典】京セラ 当社ケミカル製品における不適切対応に関する調査結果等のご報告

     

顧客との調整など、やるべきことをやらない風土を京セラは「事なかれ主義、⾒て⾒ぬふり、他者依存、丸投げ⽂化と評価しています。

     

・おかしい事を見つけても見て見ぬ振りをしてしまう

・誰かがやってくれるだろうと考える

・自分の仕事では無いと考える

・上司が指示しない限りやらない

     

こうした考えが、不正を長期間継続させる要因になります。

サラリーマンを長い間やっていると、「自分さえ良ければ良い」「面倒を起こしたくない」という気持ちが出てきます。

    

「良くない事」と理解しつつも、誰も声をあげないしそのまま放っておこうと考えてしまいます。

   

多分僕も同じ品管の立場だったら、同じように見て見ぬ振りをしていたと思います。

なので、僕は「品管が悪い」なんて言葉を言う資格はありません。

    

上司の指示に従うのはサラリーマンの宿命です。

ですが上司の指示待ちに慣れてしまうと、自分で考える事が出来なくなってしまいます

     

多くのサラリーマンは、誰かに決めてもらう事に慣れ切ってしまっています。

自分でどうするべきか?を深く考えなくても、仕事が回ります。

   

むしろ余計な事を考えると、トラブルの元です。

できるだけ揉め事を起こさない事だけを考えて、仕事をするようになります。

    

自分で考える事を放棄してしまう文化が「品質不正」を生んだ根本要因では無いかと思います。

     

事なかれ主義や他人任せで、自分で考えて行動できない事が不正の原因

       

【原因3】昔から勤める人が偉い・空気を読むべき文化

日本では、終身雇用・年功序列という文化があります。

多くの人が同じ会社で定年を迎えていました。(今は少しずつ変わってきていますが)

     

そういう伝統的な会社では、昔から勤めている人がそのまま出世していきます。

そのため、上司・先輩が決めた事(風習)に異議を唱えにくい組織構造になっています。

     

新入社員が「あなた(上司)が決めたやり方は間違えています」なんて絶対に言えないですよね。

上司も自分がやってきた事を否定されて、嬉しいはずがありません。

「変だな」と思っても、上司が「このやり方で良いんだ」と言えば納得するしかありません。

    

そして5年10年働いていると、自然と「不正を行う文化」に慣れてしまいます

    

また日本では、正論を言うのを好まない文化があります。

周りとは違う発言ばかりすると、周りから嫌われます笑。

    

京セラの不正を告発した社員は、上司・総務などに「これはおかしい!」と何度も声を上げています。

でも職場にそういう人がいたら「揉め事起こすなよ、空気を読めよ」と思う人が大半では無いでしょうか?

     

ルールに文句を言ったり、業務がおかしいという人を会社は敬遠します。

なぜなら理不尽でも、言われたとおり働いてくれる人の方が会社にとってありがたいからです。

(社員同士で議論を戦わせて合意形成するので無く、上意下達を好む)

       

こういう「モノを言いにくい文化」が不正を長期間を野放しにしてしまいます。

     

・空気を読む文化、上司に逆らえない文化が品質不正の原因となった

     

まとめ:どうして製造業では品質不正が起きるのか?

製造業で品質不正が起きる原因のまとめです。

     

・売り手と買い手が対等の立場では無い(売り手の立場が弱い)

・事なかれ主義や他人任せで、自分で考えて行動出来ない

昔から勤める人が偉い・空気を読むべき文化

      

一連の品質不正は、特定の企業が悪い!品管部門が悪い!で済ましちゃダメな問題です。

不正の根っこには、日本企業や日本人の文化が関係しています。

      

「自分が同じ立場だったら、不正をしていたかもしれない」

そう考えると、単純に不正をした人を批判するのは正しいとは思えません。

    

会社組織を一朝一夕で変えるのは、不可能です。

でも製造業で働く身として、事なかれ主義や他人任せにせず、自分で正しいと思う事をすべきだと改めて感じました。

    

この記事が、製造業の品質不正を考えるきっかけになれば幸いです。

    

このブログでは、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。

      

      

    

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