こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。
今日は「資材部門におけるアンカリング効果」というテーマで解説します。
皆さん、アンカリング効果という言葉を聞いたことがありますか?
アンカリング効果とは、最初に出した数字が、物事の基準となってしまうことです。
アンカリング効果とは、最初に提示された数字や条件が基準となって、その後の判断が無意識に左右されてしまう、という心理。
アンカリング効果とは?
相場が分からないモノの値段を予想する時、誰かが最初に1000円と言うと、後の人はその1,000円を基準に物事を考えてしまいます。
実はこの考えが、資材調達においては必須の知識なのをご存知でしょうか。
今回は資材歴10年の著者が、「アンカリング効果の具体的活用方法」を解説します。
・資材部員に役立つ理論を知りたい
・取引先との交渉をうまく進めたい
という方に、有益な情報を提供します。
【取引先に騙されない!】資材・購買におけるアンカリング効果とは?
アンカリングとは資材部門において、どういう意味を持つのでしょうか?
・取引先が提示する一次見積を安易に基準にしないようにしよう!
アンカリング効果では、例えその数字に根拠がなくても、最初に提示した価格が基準となってしまいます。
資材調達において、アンカリング効果は価格交渉の場面で良く出てくる理論です。
アンカリング効果を知らないと、取引先に良いように騙されて、割高な価格で購入してしまうかもしれません。
資材部門でのアンカリング効果の活用法を詳しく解説します。
【活用法1】取引先の根拠のない値上げ要請を見破る
取引先から20%の値上げ要請を受けたとき、10%まで値上げを抑制できて満足していませんか?
交渉の結果、価格を10%アップのところまで抑制できたよ
しかし、取引先の値上げ幅が20%だと、気が付かぬ内に20%の値上げが価格の基準となってしまいます。
そして、20%の値上げ幅から交渉がスタートしています。
頑張って値上げ幅を半分に抑えても、実は適性な価格よりまだ高い可能性があります。
つまりアンカリング効果のせいで、最初の20%の値上げ幅に妥当性がなくても、その価格が基準になってしまいます。
取引先から値上げ要請が来ても、「取引先の値上げ幅に妥当性はあるのか?」を考えるようにしましょう。
間違っても、根拠のないアンカーに惑わされないようにしましょう。
【活用法2】新規部品は必ず類似品と比較しよう
初めて購入する新規部品の見積単価が、3,000円でした。
3,000円の妥当性を確認する術がないと、最初の3,000円が交渉の基準となってしまいます。
3,000円からもう少し安くできませんか?
3,000円から頑張って500円値下げして2,500円にしても、実は2,000円が適性な価格なのかもしれません。
根拠のない一次見積を基準にしてしまうと、価格の妥当性を確認することができません。
必ず類似品との価格差を調べたり、コストの積み上げをして、一次見積に騙されないようにしましょう。
【活用法3】上司の印象を変えるアンカリング
実はアンカリング効果を使うと、上司の印象も大きく変わってきます。
例えば、調達品の値上げ抑制交渉で、20%の値上げ要請が来ているとします。
頑張って10%まで抑制し、その結果だけを上司に報告します。
すると上司は「10%も値上げじゃないか!値上げは認めん!」となる可能性があります。
でも最初に「20%の値上げが来ている」と報告し、結果として10%まで下がったことを報告できれば、上司は、「ちゃんと交渉したんだ」と理解してくれます。
同じ10%の値上げでも最初の基準値を20%と置くことで、上司の印象が変わってきます。
上司の承認を得るのも資材部員の仕事です。
控えめの数字を基準に置いて、上司の印象を良くしてみましょう。
まとめ:資材部員はアンカリング効果をうまく活用しよう!
本記事のまとめです。
・取引先が提示する一次見積を安易に基準にしないようにしよう!
アンカリング効果は、価格交渉の場面で頻繁に出てくる理論です。
取引先の根拠のないアンカーに騙されないように、必ず適切な物差しで比較・分析するようにしましょう。
またアンカリング効果は、社内関係者との調整でも有効に活用することができます。
最初に出す数字をうまく使って、関係者の印象を改善しましょう!
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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