この記事では、イオン株への投資が危険な理由を解説しています。
イオンって優待もあるから買おうかと思うけど、どうかな?
こんな疑問に答えます。
イオン(AEON)は、日々の生活で目にするので気になっている方も多いと思います。
特に、優待目当てで投資を検討している方も多いのでは無いでしょうか?
実際、優待目当て長期保有する方が多く、株価も堅調な動きをしています。
でも実は、イオンへの安易な投資は「非常に危険」なのを知っていましたか?
この記事では、イオンへの投資が危険な理由について解説していきます。
何となくイオンへの投資を考えている方に、役立つ情報をお届けします。
イオン株への投資は危険な理由を解説|株価が高すぎるのでダメです
イオン株への投資が危険な理由を4つまとめました。
・株価が割高すぎる(優待目当てで買う人が多い)
・タコ足配当を7年間も継続している(減配リスク大)
・イオン中核の総合スーパー(イオンモール)で大苦戦
・自己資本比率が低く有利子負債が多い
イオンは身近な会社なので、何となく投資してみたくなります。
ですが、最近はリスクが顕在化しており、経営状況が悪化しております。
以降では、詳細を解説していきます。
イオンは株価が割高すぎる(優待保有が多い)
イオンは、優待銘柄です。
優待銘柄は個人投資家の人気が高いので、株価が割高な事が多いです。
実際にPERという指標でも、イオンは割高であることが分かります。
通常日本市場は、PERは10倍から20倍程度が一般的です。
ですがイオンは何と「100倍前後」の高いPERとなっております。
僕は100社以上の会社の株価を分析してきましたが、イオンのPERは「異常に高い」と思います。
普通の投資家なら、まず買わない水準だと思います。
現在の株価は2,600円前後ですが、個人的に適正価格は「1,000円弱」だと思います笑。
新興企業だと、たまにこういう高PERを見かけます。
ですがイオンは成熟企業で、ここから大きく伸ばすのは難しいです。(日本では頭打ち)
イオンを買おうと思っている方は、イオンの銘柄はとても割高という事を理解しておきましょう。
安易に買うのは危険だね・・・
イオンは、タコ足配当を7年間も継続している(減配リスク大)
イオンは近年、利益が低迷しています。
こんな感じで、1株利益が20円から30円をウロウロしています。
一方でイオンは、1株配当を36円も払っています。
利益が20円しか無いのに、配当を36円も払っており、完全にタコ足配当の状態です。
しかもイオンは、タコ足配当を7年間も継続中です。
配当金は、利益の30%~50%程度が一般的です。
利益以上の配当を長く続ける事はできないので、どこかのタイミングで減配(配当を減らす)となる事が多いです。
この状態は、長く続けられるとは思えません。
イオンを買う人は、減配リスクが非常に高い事を理解する必要があります。
イオン中核の総合スーパー(イオンモール)で大苦戦
イオンの中核事業は、イオンモールを中心とした「総合スーパー」です。
しかしコロナウイルスの感染拡大後、総合スーパービジネスは苦戦を強いられています。
2020年度は、上記の通りGMS(総合スーパー事業)が赤字に転落しました。
コロナは、なかなか収まる見込みが立たず経営に大きな影響を与えています。
加えて、消費者の嗜好の変化の影響も受けています。
コロナ禍で通販が広がるなど、店舗ビジネスに逆風が吹いています。
前年より赤字幅が拡大した中核の総合スーパー(GMS)の苦戦が鮮明だ。ネット通販各社との競争が激化し消費者のニーズが多様化する中、てこ入れが急務だ。
【出典】日本経済新聞_イオンの6~8月、2四半期ぶり赤字 総合スーパー苦戦 ※2021年10月記事
最近は、食品も通販で買うスタイルが広がっており、イオンのビジネスは今後も厳しそうです。
自己資本比率が低く有利子負債が多い
イオンは、自己資本比率が低いです。
(自己資本比率が低いと、経営に安定感が無くなります)
こんな感じで、金融事業を除いても「15%程度の自己資本比率」となっています。
これは、結構やばめの数値です。最低でも30%は欲しいです。
金融があるので、今は自己資本比率の低さが目立ちませんが、感覚的にはヤバいかなぁと思います。
イオン株は危険だから止めるべき?株価が高くても買うべき人
じゃあイオン株は止めた方が良いかな?
個人的には、上記理由からオススメしていません。
一方で株価が高くても、唯一検討余地がありそうなケースがあります。
・イオン経済圏にどっぷり使っている方は、購入を検討する余地があります。
・但しリスクが超高い事は念頭においた上での投資となります。
毎日イオンでお買い物している方は、購入を検討する余地があります。
以降では注意点を解説しつつ、イオン優待のメリットを解説していきます。
イオン優待カードのすごさ
イオンの株を100株保有すると、「優待カード(オーナーズカード)」を貰うことができます。
優待カードには、以下のメリットがあります。
特典 まいにちのお買い物がおトク! 3・4・5・7%のキャッシュバック
これは持ち株数に応じて、イオンでのお買い物で「キャッシュバックを受けられる」制度です。
キャッシュバック率は、以下のとおりです。
この中で一番コスパが良いのが「100株のみ」保有スタイルです。
現在なら100株26万円程度で購入が可能です。
そして様々なキャンペーンを併用する事で、お得に買い物ができます。
・イオンカードのポイント還元率:1%※イオンでの買い物時
・お客さま感謝デー(毎月20日・30日):5%割引特典
・優待カードキャッシュバック:3%
→最大で9%の還元が受けられる!
こんな感じで、かなりいい感じのポイント・キャッシュバックとなります。
また優待カードの3%の年間の具体的なメリット額は、以下のとおりです。
【イオンで年間30万円の買い物】→年間9,000円のキャッシュバック
【イオンで年間60万円の買い物】→年間18,000円のキャッシュバック
【イオンで年間90万円の買い物】→年間27,000円のキャッシュバック
年間数十万と聞くと、そんなに買わないよ・・・と思う方もいるかもしれません。
ですが、毎日イオンで食料品・日用品を買う人なら、年間なら60万円くらい行くのでは無いでしょうか?
(毎月5万円の買い物で、年間60万円になります)
こんな感じで、年間2万円近いキャッシュバックを受けられます。
そして、イオンで買い物をする限り永久にキャッシュバックを受けられます。
毎年90万円のお買い物をする方は、10年間で投資元本をキャッシュバックで全額回収できます。
(イオンは更に配当金もつくので、実際はもっと早く回収が可能)
なのでたとえ株価が割高でも、イオンのヘビーユーザーの方なら検討の余地がありそうです。
イオンの優待目当てで投資をする時の注意点
次にイオンへの優待投資をする時の注意点をいくつかご紹介します。
・株の売却・振替で株主番号が変わると保有している優待カードは無効になる。
・毎日の食料品の買い物をしないと、年間60万円はきつい
・優待の改悪リスクは意識しよう
・株数は100株で十分(一番コスパが良い)
株の売却・振替で株主番号が変わると保有している優待カードは無効に
株を売却したりすると、優待カードは無効になります。
株式のご売却や振替等により、8月末日および2月末日の株主権利確定日にご所有株式数が100株未満になった場合や株主番号が変更になった場合は、9月1日以降または3月1日以降のご利用は無効になります。株主権利確定日に無効になりましたカードは、以後使用されても特典の対象にはなりません
【出典】イオン株主さまご優待カードのご利用方法
イオン優待目当てなら、売らずにガチホしましょう。
毎日の食料品の買い物をしないと、年間60万円はきつい
イオン優待目当てに株を買うなら、年間60万円の買い物は必須です。
つまり、毎日の食料品の買い物をイオンでしている方のみメリットがあります。
たまの土日にイオンに行く!くらいでは、投資とリターンが見合わないです。
たまにイオンを使う程度なら、優待投資はおすすめできません。
優待の改悪リスクは意識しよう
株主優待は、会社の意向一つで簡単に改悪することができます。
イオンは、個人株主を増やす意向で優待カードの制度を行っています。
ですが「経営が悪化」「もう個人株主は十分と判断」となれば、優待の改悪をする可能性が考えられます。
例えば今はキャッシュバック率が3%ですが、それを1.5%にしたりとかは普通にあり得そうです。
そして優待が改悪されると、必ず株価が暴落します。
その結果、優待改悪&投資元本の毀損というダブルパンチを食らう事になります。
なので、優待目当てで投資する方も「改悪リスク」は覚悟しておく必要があります。
株数は100株で十分(一番コスパが良い)
株数が多くなると、優待のグレードがアップします。
例えば最高グレードの7%キャッシュバックを受ける場合は、3,000株必要です。
3,000株のホルダーになるためには、780万円(1株2,600円で計算)の投資が求められます。
ですが、最初に説明したようにイオンへの投資はリスクが非常に高いです。
780万円もの大金を、リスクが高いイオンへ投資するのはおすすめできません。
最小の投資=100株の投資で、3%のキャッシュバックが一番コスパが良いです。
イオンへの投資は、100株でとどめておきましょう。
まとめ:イオン株への投資が危険な理由
イオンへの投資が危険な理由まとめです。
・株価が割高すぎる(優待により割高になっている)
・タコ足配当を7年間も継続している(減配リスク大)
・イオン中核の総合スーパー(イオンモール)で大苦戦
・自己資本比率が低く有利子負債が多い
イオンは経営状況が悪化しつつあります。
ネット通販などが主流となり、主力のイオンモールも苦戦しています。
そのため基本的には投資はおすすめしておりません。
もし優待で買う場合も、リスクが高いことを理解した上で購入しましょう。
尚本記事では、著者の意見をまとめていますが、投資を推奨するものではありません。
投資をする場合は、くれぐれも自己責任でお願いいたします。
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