競合によるコストダウンを詳しく解説【価格交渉で必須の知識】

資材業務について
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こんにちは、コロスケです。

今日は価格交渉の手法の一つである競合によるコストダウンについて詳しくまとめていきます。

 

コストダウンの手法は数多くありますが、一番本質的で効果的な手法がこの競合によるコストダウンです。資材部・購買部員にとって最重要の内容ですので、分からない方はこれを機会にきちんと競合の手法を習得していきましょう。

皆さんの競合に関する疑問を解決していきます。

      

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競合によるコストダウンとは?(価格交渉で必須の知識)

製造業、資材部門における「競合」とは、以下のことを言います。

 

定義:「取引先間で価格競争させ、安価な価格を引き出すこと

 

なんだか簡単そうだね、誰でも出来そう

 

この定義だけ聞くと、一見簡単に見える競合ですが、実は非常に奥が深いのです。資材部員はこの競合状態を創出すべく日々いろいろな努力をしているのです。

競合の中身について詳しく解説していきます。

 

競合がなぜ効果的なのか

コストダウンの手法は色々ありますが、競合は価格を大幅に下げる可能性を持った効果的な手法です。何故競合が効果的な手法なのでしょうか。それを理解するためには、まず取引先の心理を勉強する必要があります。

取引先の営業部門の思考は以下の通りです。

 

・自社の製品をより多く販売すること(量)

・自社の製品をより高い価格で販売すること(質)

 

取引先の営業部門のミッションは、上記の通り沢山売って出来れば高い価格で買ってもらうことです。つまり、取引先は高い値段で売るのが仕事なので、基本的には値段を下げようというモチベーションはありません。(なぜなら利益が下がるから)

ではどういう時に、取引先の営業は値段を下げるのでしょうか。

 

取引先の営業部門は、自社の製品を多く販売すること(量)と、より高い価格で販売すること(質)どちらかを選択しなければならない時、基本的には質より量を優先します。

なぜなら、製品が売れないと自社の工場でやることが無くなってしまい、売り上げが減るor伸ばせなくなるからです。

ここで初めて取引先に値段を下げる理由が発生します。

 

注文を貰えない可能性があるなら、値段を下げてでも受注したい

 

競合はこの「注文を貰えない可能性がある」ことを示唆して交渉を行うので、非常に有効な手法と言えるのです。

まとめです。

競合は、取引先の注文を増やしたいor減らしたくないという思考を利用した手法

 

競合状態の作り方(競合の創出)

競合状態をつくる方法は以下の通りです。

 

・競合している会社の製品のどちらも採用できる状況にする(最重要)

・取引先に競合状態であることをきちんと通知する

・一発勝負で、安い価格を提示した取引先を選定する(発注する)

一つずつ解説していきます。

 

競合している製品のどちらも採用できる状況にする

これが最重要のポイントです。

たまに採用できるか分からないモノと競合しているケースがありますが、これは本質的な競合ではありません。何故なら、採用できるか分からないモノの方が安くても結局採用できないからです。

そして取引先の営業も競合先(ライバル)の動向を調べていますので、競合の製品が客先が採用できないモノであると判断した場合は値段を下げてきません(なぜなら値段下げなくても受注できる可能性がとても高いから)。

まず競合状態を作るためには、どちらも採用できる状況にすることが必要です。

 

どうやったら、どちらも採用できる状況に出来るの?

 

基本は設計部門が調達品を選んでいますので設計部門と連携して、両方採用できる状態にしていきます。

つまり、競合状態を創出できるかは「価格交渉の前」に決まっているのです。価格交渉の時に競合できるかな?と考えているようでは遅いのです。

設計段階で複数社を採用できるようにしていくことが非常に重要です。

 

設計段階に入り込んで活動しなきゃいけないから、競合の創出は大変なんだね

 

取引先に競合状態であることをきちんと通知する

取引先にきちんと競合状態であること=「安い価格を提示した会社に注文する」ことを明確に伝える必要があります。

これによって、自分のところに注文が来ないかもしれないという危機感を取引先へ与えることが出来ます。

単に相見積(複数の取引先へ見積依頼すること)しても、相手は競合を意識しない場合もあります。見積依頼の前にしっかり競合であることを通知しましょう。

  

見積依頼の前にきちんと競合であることを通知しようね

  

一発勝負で、安い価格を提示した取引先を選定する(発注する)

相見積を行うときは、相手に腹の探り合いをさせないように一発勝負にしましょう。

そして相見積の結果安い価格を提示した取引先をちゃんと選定しましょう。

 

安い価格を提示した取引先を選ぶのは当たり前じゃないの?

 

実はこれが出来ていないケースをたまに見受けます。具体的にはこんなケースです。

・結局付き合いの深い取引先を選んでしまう

・仕様の制限で採用できない(競合になっていない)

付き合いの深い取引先から、「相手の方が安いんだったら、もう一度見積書提出させてください」と言われて、付き合いの深い方だけ再度見積を出すチャンスを与えてしまうことがありますが、これはNGです。

これは付き合いの深い取引先を優先している証拠で、公平な競合・相見積とは言えません。

 

また先ほどお話しした通り、安い見積を入手しても仕様の制限で採用できない場合も意味がありません。安価な見積を提示した取引先へ発注することが大事です。

 

疑似的な競合状態の創出方法

競合を作る上で一番大事なことが「競合している部材」両方を採用できる状態にすることです。しかし、設計の負荷や評価期間の問題で実際には1社しか発注できないケースが多くあります。

 

そういうときは、競合による交渉は諦めた方が良いの?

 

一つのテクニックですが、1社しか発注できないケースであっても疑似的に競合状態を創り上げることが出来ます。ポイントは以下の1点です。

 

・社内関係者と口裏を合わせる

これに尽きます。要は、本当はA社にしか技術的に選定できないにも関わずB社も採用できると相手の取引先に思わせることです。

    

どうして社内の人と口裏を合わせる必要があるの?

 

取引先の営業の人は色々なルートから情報を仕入れます。資材だけでなく設計部門の担当者からも日々情報を集めています。資材が競合があるぞと思わせても大抵の場合、設計部門からA社しか採用できない情報が漏れてしまいます。

そうするとA社の営業は、値段下げなくても自分が受注できると思うので、決して値段は下げません。

もし、本当は一方しか採用できない状況にも関わらず、コストダウンのために競合状態を疑似的に創出する場合は、社内関係者と意思統一を行い、採用情報が社外に漏れないようにしましょう。

 

この時、他社の価格が安かったらどうするの??

 

A社しか採用できない場合、他社の見積は参考までに見積を貰いますが、採用を前提としていないことをきちんと説明しておいた方が良いです。

そして、基本は採用予定のA社だけに採用前提の見積書を出してもらいます。この時に、B社の存在を意識させ、競合させます。

  

でもそれって取引先にウソをついているからあまり良くないんじゃない?

 

僕は他の記事で「取引先をだますのはNG」と書いてきました。だますというのは今後所要が10倍になるなど明らかなウソです。そういうウソは後で必ず分かります。その結果、今後取引先へ提供する情報が信頼されなくなるリスクが生じます。

今回の件は採用検討の段階でA社とB社両方を検討していることは事実ですので、だますことには当たらないです。

分かりにくいかもしれませんが、取引先へ真摯に向き合い信頼関係を築く一方で、ビジネスで利益の最大化を目指す営利企業同士の交渉ですので、馬鹿正直になる必要はありません。

 

競合によるコストダウン交渉で資材部員がやってはいけないこと

・競合相手の価格情報の漏洩

・一方の取引先を当て馬にすること

・一方を優遇すること

 

上記3つがNGの行動です。競合による価格交渉を行うときはやらないように注意しましょう。具体的に一つずつ解説していきます。

 

競合相手の価格情報の漏洩

競合相手の価格情報をもう一方の取引先に教えてはいけません。明文化されている訳ではありませんが、価格交渉時のマナーです。

 

どうしてダメなの?たまに取引先から聞かれるけど・・・

  

・A社の価格はA社の許可なく開示してはダメ

・情報を開示するようになると、最初の見積の時に本気を出してこなくなる

 

A社の価格をB社へ勝手に連絡したら、漏洩されたA社の人は快く思わないですよね。

仮にA社との間で、価格情報の他社への開示不可と取り決めていなくても、それは暗黙のルールとなっているので、やらないようにしましょう。

 

また一方に情報を開示するようになると、開示された側は相手の価格を見てから、ちゃんとした価格を出してくるようになります。(最初の見積の時は高い価格を出してくる)

つまり競合が成り立たなくなりますので、そういう寝技はやめましょう。

 

競合は、相手の価格を教えずに一発勝負にしようね

      

一方の取引先を当て馬にすること

発注する気も無いのに、採用するそぶりを見せて見積を取り、価格情報だけを引き出すことを「当て馬にする」と言います。

取引先を当て馬にすると、いずれその取引先は、採用する気も無いのに見積依頼してきていると気が付きます。

そして、当て馬にされた取引先は今後僕たちの見積依頼に紳士に対応してくれなくなります。

この場合も競合関係が成り立たなくなりますし、取引先からの信頼を失うので、取引先を当て馬にすることはやめましょう。

 

当て馬にされた取引先は良い気分にはならないから止めようね

   

一方の取引先を優遇すること

一方だけに相手の価格を教えたり、再見積のチャンスを与えるのは公平な取引とは言えないので、止めましょう。

 

一方の取引先からもう一度見積させてほしいと言われたらどうしたら良いの?

 

基本的には、「見積は一度きり」にするべきです。

2回目のチャンスを与えるといつまでたっても終わらないですし、1回目に安い価格を出してきた取引先の不信感が募ります。そして何よりそれを許すと、その取引先は1回目に本気の価格を出してこなくなります(様子見の価格出し)。

 

やっぱりえこひいきは良くないよね

  

最後に

競合によるコストダウンは手法としては、とても効果的ですが実は奥が深いです。

本当の意味での競合状態を作るためには、設計段階に遡って複数社を採用できるようにしておかなければなりません。

そのためには、普段から設計部門と連携していく必要がありますので、競合とは価格交渉の時だけ頑張れば良いという訳では無いのです。

 

一方で競合によるコストダウンは、他の手法と比べても効果が非常に大きいでし、相手の本気を出させるという意味で本質的なコストダウンです。

資材部員の人は競合のよるコストダウンが出来るように日々の業務を進めていきましょう。

 

また、他にもコストダウンの方法は無いの?と思った方は以下の記事がオススメです。

 

 

競合によるコストダウンを行い、資材部門の付加価値を高めていきましょう!

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