こんにちは、コロスケです。
今日は、資材部門・購買部門の役割について、まとめていきます。
資材部門って、聞いたことはあるけど、実際何やっているか良く分からない人が多いと思います。
特に就活生や転職を検討している方は、面接に備えてある程度資材の役割を知っておきたいですよね。
僕は、製造業の資材部門に入社し、10年以上資材部門で働いてきました。
今回は、僕の10年以上の経験を踏まえて、資材部門・購買部門の役割を分かりやすく解説していきます。
・資材、購買部門の役割が知りたい
・実際にどんな仕事をしているの?
これら資材部門に関する疑問を解決していきます。
資材調達・購買部門の役割が知りたい!【現役資材部員が優しく解説】
資材部門・購買部門の役割は以下の通りです。
資材部門は、「物やサービスを買う」ことが仕事です。
調達を通じて、会社の事業活動に貢献していくのが役割です。
【役割1】モノづくりに必要な「モノ・サービス」を買う仕事
僕たち資材部員は、自分の会社が製造している製品に必要な「モノ・サービス」を買っています。
モノとは、「自分の会社で使う材料」のことです。
サービスとは、「設計作業や工事」などです。
実際に何を買うかは、働いている会社がどんな材料・サービスを必要とするかで変わってきます。
買うことは分かったけど、いまいちピンとこないなぁ
実は、僕たちは普段の生活で資材の仕事を行っています。
例えば、母親から「今日の晩御飯はカレーライスにするけど、お肉を買い忘れたから、帰りがけにお肉を買ってきて」と言われたあなたは、すでに資材部の役割を担っているのです。
あなたはカレーという製品を作るために必要なモノ(材料)を仕入れる資材部員なのです。
もしあなたが働く会社がスマホを作っていた場合、資材部門の役割はスマホに使われる部材(液晶パネル、半導体、基板、抵抗、コンデンサなど)を買うことが仕事になります。
じゃあ、資材部は普段の僕たちの買い物と同じなの?
僕たちの普段のお買い物と資材業務の一番の違いが「自分で買うものを選べるか」です。
僕たちのお買い物は(予算さえ許せば)自分で好きなものを買うことが出来ますが、資材業務の場合買うものは基本的には設計者が選びます。
【役割2】品質の良いモノ・サービスを適正な価格で必要な時期に購入
資材部門の付加価値は「品質の良い材料を適正な価格で購入」することです。
僕たちはこのことを専門用語で「Q(Quality)、C(Cost)、D(Delivery)の最適化」と呼んでいます。
ちょっとわかりづらいので一つずつ解説していきます。
Q(Quality):品質を確保する
資材部門は、調達する材料の適性な品質を保つ役割があります。
先ほどのカレーライスのお肉で例えると、賞味期限が切れているお肉を買ってきてしまうとお腹を壊してしまいます。
家族がお腹を壊さないように、ちゃんと賞味期限内の品質が担保されたお肉を選ぶ必要があります。
これが品質の良いものを購入するということです。
具体的な業務でご説明すると、同じネジをしっかりしたA社と、てきとーなB社の2社が作っていました。
資材部門としてどちらから購入すべきでしょうか。
A社に手配したいね。B社だと不具合品が入ってきちゃうかも。
実際の業務ではこのようにA社、B社どちらの品質が良いかを判断して手配先を選定しております。
尚、品質については、品質のプロ(品質部門)が同じ社内にいますので彼らと連携して方針を決めます。
C(Cost):適性な価格で調達する
資材部門は、適正な価格で材料を調達する役割があります。
僕たちは必要なモノ・サービスを適正な価格で購入することを目指して日々業務を行っております。
資材部門の醍醐味の一つは、価格査定・価格交渉です。
一般に資材部門は契約部門と言われており、購入品の価格の決定・発注権限を有しております。
取引先との交渉で1円値下げ出来れば、それがそのまま会社の利益になります。
でも適正な価格ってどういうこと?安ければ良いんじゃないの?
基本的には僕たちはモノ・サービスを出来る限り安く買うようにしていますが、安ければ何でもよいということではありません。
いくら価格が安くても、必要な機能・品質が備わっていなければ意味がありません。
購入しようとしているモノの機能・品質が確保されているかは常に考えなければなりません。
一般的に品質・機能が上昇すると価格は高くなります。価格と品質のバランスの両方を適正化することはとても難しく、資材部門の永遠のテーマと言えます。
D(Delivery):必要な時期に調達する
資材部門は、モノ・サービスを必要な時期に購入する役割を担っています。
必要なモノ・サービスの納入が遅れてしまうと、自分の会社の製造現場でモノが作れなくなります。
必要なモノが欠品しないように資材部門は細心の注意を払います。
モノが欠品することは、製造部門全体に多大な迷惑をかけることから、モノの納期でトラブルが発生したときは、取引先の製造現場を訪問するなどモノの確保に走ります。
僕の感想ですが、資材部門で一番大変なことは、納期問題対応だと思っています。それくらい納期というのは大事です。
じゃあ必要な時期より早くモノを購入すれば納期問題は起きないね
ただ、購入する時期は早ければ良いわけではありません。
早く買うということはその分早くお金を支払うことになります。
製造に使われずに倉庫に眠っている在庫は、その間会社のキャッシュフローを悪化させますので、モノづくりに必要な時期に購入することが大事です。
【役割3】仕入れ先と社内関係者の橋渡し役
資材部門は、仕入先と社内の橋渡しを担っています。
会社の資材部門は、対仕入れ先(取引先)の窓口です。
仕入れ先からの問い合わせは一義的に資材部門が受け付けます。
また、仕入れ先への依頼や問い合わせも基本的には資材部門から行います。
(技術・品質的な問い合わせについては資材を経由せずに直接やり取りすることもあります)
文字通り資材部門は仕入れ先と社内関係者の橋渡し役だね
そのため、資材部門は社内及び仕入先の事情に精通している必要があります。
仕入れ先の情報をきちんと把握できている資材担当者は、社内関係者から信頼されるため、日々仕入先及び社内の情報を仕入れることが求められます。
【役割4】納期管理・在庫管理を行う
資材部門の仕事はモノ・サービスを購入することですが、購入に付随して以下の業務を行うことがあります。
・注文した材料が指定納期通り届くかを確認する
・納入された材料の受入作業をする
・納入された材料の在庫管理をする
・在庫された材料を製造現場へ渡す
会社によって、資材部門の業務範疇は変わってきます。
上記作業は、生産管理部門が行うこともあります。
まとめ:資材部門はQCDを最適化する!
本記事のまとめです。
・資材の役割は、モノづくりに必要な「モノ・サービス」を買うことです
・品質の良いモノ・サービスを適正な価格で必要な時期に購入しています
・仕入れ先と社内関係者の橋渡し役を担っています
・買うことに付随して「納期管理」「在庫管理」などを行うこともあります
営業部門と違って、なじみの薄い資材部門ですが、実は僕たちの普段のお買い物に似ているところもあるんです。
僕は個人的に資材部門の一番のやりがいは、「事務系なんだけど、モノづくりに深く関われる」ことだと思っています。
資材部のやりがいについては、以下記事にまとめておりますので、ご覧ください。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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