サンケン電気の構造改革・リストラの概要【半導体・LED生産中止】

サンケン電気の 構造改革・リストラ・生産中止・工場閉鎖 資材業務について
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こんにちは、コロスケです。

今日はサンケン電気の構造改革について詳しく解説していきます。

 

2019年11月6日、サンケン電気は事業の構造改革を発表致しました。

 

サンケン電気株式会社は、本日開催した取締役会において、主力の半導体デバイスとパワーモジュールに経営リソースを集中させ成長戦略を加速すべく事業構造の選択と集中を促進することとし、このため半導体デバイス事業の生産体制の最適化並びにパワーシステム事業及びLED灯具事業の戦略的見直しを行う方針を決定しましたので、お知らせします。

https://www.sanken-ele.co.jp/fina/pdf/20191106.pdf

 

今回は、サンケン電気の構造改革の内容について詳しく解説していきます。

 

・サンケン電気の構造改革の概要を知りたい

・調達品への影響はあるの?

・サンケン電気の経営は大丈夫なの?

 

資材歴10年で、実際にサンケン電気と取引していると著者が、上記疑問を解決していきます。

 

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サンケン電気の構造改革・リストラの概要【半導体・LED生産中止】

経営

 

サンケン電気のプレスリリースの内容は以下の通りです。

 

https://www.sanken-ele.co.jp/tousika/pdf/frb_2003c_2q_j.pdf

今回、サンケン電気の3つの事業が構造改革の対象となっております。

具体的に一つずつ詳細を解説していきます。

 

半導体デバイス事業ー国内工場の統廃合と海外工場への移転

サンケン電気の半導体事業では、IC・ディスクリート・LED製品を製造しております。

サンケン電気が中核事業として位置づけている、半導体事業の全面的な構造改革が行われます。

 

・不採算製品の撤退

・日本国内の工場の統廃合

・海外工場への生産移管

・外注化の促進

 

この内、外注化の促進として、物流機能を担うサンケンロジスティクスを39憶円で売却することが既に決まっております。

 

資材部員が気にするべき、不採算品の対象や工場の統廃合の詳細はまだ決まっておりません。

プレスリリースにあるように、2022年3月迄と2年程度の猶予期間があります。

詳細については、これからアナウンスがあるものと思われます。

 

資材部員は、自分の調達品に影響が無いかをきちんと確認するようにしましょう。

 

パワーシステム事業ー第三者への売却を検討

パワーシステム事業は以下の製品群です。

 

無停電電源装置、汎用インバータ、直流電源装置、高光度航空障害灯、スイッチング電源及びトランス等

 

パワーシステム事業として、18年度実績が264億円となっており、サンケン電気全体の15%程度の規模です。

今回、このパワーシステム事業を第三者への売却を検討することが発表されました。

 

現時点で売却先情報は未定ですが、2021年3月までに売却予定となっております。

 

売却先の方針によりますが、基本的に移管先では品種の統廃合が実施されます。

パワーシステム関連の品種を購入している資材部員は、調達品に該当品があるかをチェックしましょう。

 

LED灯具事業ー事業撤退

LED灯具事業とは、LED照明などの製品が対象です。

サンケン電気のLED灯具事業は、2020年3月迄の生産中止が発表されました。

 

生産中止まで半年ありませんので、LED照明を購入している担当者は至急ラストバイ手続きや代替品への切り替えを進めていきましょう。

 

また保守サービス事業も外部企業へ事業譲渡される計画なので、注意が必要です。

 

サンケン電気の経営状況は大丈夫なのか?【財務状況を分析】

経営

 

このような構造改革・リストラが行われると心配になるのが、経営状況です。

結論から言うと、経営体質を強化するポジティブな構造改革と言えるので、直近で倒産などの心配をする必要はなさそうです。

 

サンケン電気の経営・財務状況を詳しく分析していきます。

 

サンケン電気の売り上げ・営業利益率推移

サンケン電気の過去6年の売り上げ・営業利益率をグラフにまとめてみました。

 

サンケン電気売上営業利益推移
サンケン電気のIR資料を基に筆者がグラフ化

 

サンケン電気の売り上げは18年度実績で1,737憶円でした。

営業利益率は6.1%と製造業にしては、悪くない数字となっています。

 

しかし、2019年度では第二四半期で売り上げ・利益ともに下方修正しており、直近では業績は悪化しております。

 

また、サンケン電気は2017年度に今回とは別の構造改革で早期退職の実施など、リストラを敢行しており、183憶円の特別損失を出しております。

(その結果、17年度の純利益は-114憶円の赤字に転落)

 

サンケン電気は、営業利益は黒字を出している

 

サンケン電気のフリーキャッシュフロー

営業利益は出ているサンケン電気ですが、キャッシュフローの状況はどうなっているのでしょうか。

過去5年間の実績をまとめました。

 

サンケン電気フリーキャッシュフロー
サンケン電気のIR資料を基に筆者がグラフ化

 

キャッシュフローとは、企業が一年間の企業活動で、どれだけお金を増やすことが出来たか?に着目した指標です。

営業利益が出ていても、キャッシュフローが赤字だと経営リスクがあります。

 

サンケン電気は、営業活動では毎年確実にキャッシュを増やしています。

一方、2016年を除いて、フリーキャッシュフロー(企業活動の結果、余った余剰資金)がマイナスになっています。

 

フリーキャッシュフローがマイナスだと、毎年お金が減少していくので、お金を借りるなど補填をしていく必要があります。

これが続くと、借金体質になってしまうので注意が必要です。

サンケンはキャッシュフローが赤字が続いているので、多少注意が必要かもしれません。

 

マーケットの反応

11月6日の構造改革の発表によって、株価はどのように動いたのでしょうか。

以下が直近の株価の推移です。

 

サンケン電気株価
サンケン電気の1か月の株価チャート(SBI証券)

 

これをみると、発表があった11月6日以降、株価が大きく上昇しています。

投資家は、今回の構造改革を「企業体質を強化するポジティブな改革」と捉えているようです。

 

確かに営業利益も確実に出ているので、不採算事業の見直しを行うことで今まで以上に利益が出せる企業になることが期待できそうです。

 

まとめ

サンケン電気の構造改革のまとめです。

 

・半導体・パワーシステム・LED灯具の3つの事業の構造改革を実施

・不採算事業の見直しや生産工場移転などがあるため、資材部員は対応が必要

・今回の構造改革で経営への心配は無さそう

 

今回の構造改革は、抜本的な事業構造の見直しとなります。

そのため、生産中止や生産工場の移転など資材部員が対応すべきことは多くなりそうです。

 

まずはサンケン電気から情報をヒアリングし、自分が購入している品目の影響を調査していきましょう。

 

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

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