この記事では、ヤマダ電機の株価は、なぜ安いのか分析しています。
ヤマダHDの株価が下がっているけど、理由が知りたいな。
こんな疑問に答えます。
最近ヤマダホールディングスの株価が低迷しています。
ピーク時に700円近かった株価が、300円台へと下落しています。
ヤマダ電機に一体何があったのでしょうか?
単元も安いしとりあえず買ってみよう!
ちょっと待って下さい。
実はヤマダホールディングには、経営リスクが隠されています。
そのため、安易に投資すると含み損になる可能性があります。
そこで本記事では、ヤマダホールディングスの株価がなぜ安いのか?を解説します。
ヤマダ電機への投資を考えている方に、役立つ情報を提供します。
ヤマダ電機の株価はなぜ安いの?【安易な購入が危険な理由を解説】
ヤマダホールディングスの株価が安い理由を4つあげました。
・在宅・巣ごもり特需の終了
・優待改悪により保有メリット激減
・ヤマダの戦略「家電×住宅」を投資家は疑問視
・中期目標の達成のハードルが高いから
直近は、売上・利益共に好調です。
ですがヤマダは上記4つの課題を抱えており、株価は伸び悩んでいます。
以降では、株価が安い4つの理由を詳しく分析していきます。
巣ごもり需要の終了
2020年、新型コロナウイルスが流行しました。
その結果、以下3つのことが起きました。
・在宅勤務、テレワークの急速な普及
・外出自粛
・国民1人あたり10万円の特別給付金
10万円の給付金と、巣ごもり需要と呼ばれる特需によって、ヤマダ電機の利益はV字回復しました。
具体的には、テレワーク用にPC機器を揃える人が急増しました。
また住宅環境を改善するために、エアコンなど家電を買い換える人も増えました。
加えて、外出自粛の影響で任天堂Switchなどゲーム機などが多く売れました。
ですが、巣ごもり需要は一巡しました。
これからは、巣ごもり特需は期待できません。
家電は、○○特需の後は決まって需要が低迷します。
(消費税増税前の掛け込み特需など)
今後のヤマダは、巣ごもり特需の反動で、売上・利益が下がる事が懸念されます。
優待改悪の改悪により保有メリット激減
ヤマダホールディングスは、個人投資家向けに株主優待を設けています。
(ヤマダ電機で使える商品券を貰えます)
ですが2021年、ヤマダホールディングスは、株主優待の内容を改悪しました。
株主の皆様に対する利益還元の公平性及び株主配当と株主優待とのバランス等という観点から、総合的に検討を重ねた結果、現行の株主優待制度を変更させていただくことといたしました
【出典】ヤマダホールディングス_株主優待制度の変更に関するお知らせ
具体的には、以下の通り優待券の金額が大きく減少しました。
・100株~499株:3,000円から1,500円へと見直し
・長期保有者特典に、2,000円から2,500円分の優待追加→長期特典廃止
こんな感じで、優待としての魅力が激減しました。
今までは、ヤマダ電機でお買い物する人は、必ず保有すべきでした。
ですが、現在は優待目当てに買う人が減ったことも株価の減少につながっています。
ヤマダの戦略「家電×住宅」を投資家は疑問視
ヤマダホールディングスは、近年多角化経営を推し進めています。
その中でも、家電とシナジーがある「住宅」事業のM&Aを加速しています。
・ヒノキヤグループを子会社化
・レオハウスを完全子会社化
・エス・バイ・エルを完全子会社化
住宅と家電。
一見シナジー効果がありそうですが、投資家は買収効果を疑問視しています。
日本では、今後急速に人口減少が進んでいきます。
人口が減るという事は、住宅の需要も減少することを意味します。
野村総合研究所は、2040年度の新設の住宅着工件数が、コロナ前の2019年比で「半分近くに減少」する事を予想しています。
このグラフを見て分かる通り、今後日本の住宅市場は右肩下がりです。
市場が半分になるという事は、単純計算で企業の売上も半分になります。
淘汰される企業も増えるはずです。
実際、買収されたヒノキヤグループは、ヤマダの傘下に入る経緯をこのように説明しています。
国内住宅業界においては、2017 年6月 13 日開催の国土交通省の第6回建設産業政策会議によると中長期的な人口減少や超高齢化社会の進行、それに伴う労働力不足が予想されております。
また、政府の住宅政策が、従前の新規建設を前提にする制度設計から、既存の公的賃貸住宅・民間賃貸住宅ストックをリフォームして最大限有効に活用するべきという「ストック重視」へ転換されたことや、多様化するライフスタイルを反映した消費者の住宅取得意識の変化等により、新設住宅着工戸数は減少傾向が続き、企業間の競争はさらに激しくなるものと思われます。
【出典】ヒノキヤグループ_株式会社ヤマダ電機による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明 ※太字は著者
ヒノキヤグループはヤマダ傘下に入る事で、ヤマダの資金力・ノウハウを活用できるようになります。
ですがヤマダは、今後住宅需要が減少する中「どうやって売上・利益を拡大するのか?」という重い課題を背負う事になります。
中期目標の達成のハードルが高い
ヤマダホールディングスは、2025年に向けた中期計画で売上2兆円という高い目標を掲げています。
21年度売上予想から3年で「3,140億円」も売上をアップさせる計画です。
ですが、個人的にはかなりハードルの高い計画かなと思っています。
先程説明したように、コロナ特需は一巡しており、ここからの大きな需要の伸びが期待出来ないからです。
ヤマダは、売上拡大のために3つの施策を講じています。
・売り場面積拡大
・リアル&Eコマース事業拡大
・各セグメント・事業会社の売上・利益最大化
この中でも売り場面積拡大で、1,450億円の売上増を計画しています。
具体的には、売り場面積を16%拡大する予定です。
ただ個人的には、売上面積の拡大や店舗形態の見直しで売上が大きく変わるか疑問です。
最近は、ネットで買うという流れが主流になっています。
売り場面積を増やしても、売上が大きく変わらない気がします。
どちらかと言うと、魅力的な製品を共同開発したり、インバウンド需要を増やすなど、そういう方向性に進むべきではと感じています。
こうした2兆円への目標も、投資家には懐疑的に見られており、株価が伸び悩んでいるのです。
ヤマダ電機株は買い?株価を買うべき人の条件
これまで、ヤマダ電機の株価が安い背景を解説しました。
では、ヤマダ電機の株は買いなのでしょうか?
僕が考える「ヤマダを買うべき人の条件」を2つ挙げました。
・普段からヤマダ電機でお買い物をしている人
・現状の売上・利益を維持できると考えている方
まず普段からヤマダ電機で買い物をしている方は、株を買う価値があります。
5万円程度の投資で、毎年1,500円の優待をゲットできます。
改悪がありましたが、それでもヤマダ電機ユーザーは検討の余地がありそうです。
また「現状の売上・利益を維持できそう」と考える方も投資検討の余地があります。
現状、ヤマダの株価は400円前後です。
配当18円を維持出来るなら、税引前の利回りが4.5%です。
現状は配当性向も低いので、現状の売上・利益が維持できれば、減配リスクは低そうです。
僕個人は、家の近くにヤマダが無いので、敢えて買わなくても良いかなぁと思っています。
(配当利回りは魅力的ですが・・・)
まとめ:ヤマダ電機の株価はなぜ安いのか?安易な購入は危険です
本記事のまとめです。
・在宅・巣ごもり特需の終了
・優待改悪により保有メリット激減
・ヤマダの戦略「家電×住宅」を投資家は疑問視
・中期目標の達成のハードルが高いから
ヤマダ電機は、近年株価が下落しています。
株価の下落には、様々な要因が関わっています。
そのため、安易に株を購入すると、長期間含み損を抱える事になりかねません。
購入する時は、上記課題を理解した上で購入するようにしましょう。
尚、本記事は銘柄の分析記事であり、投資を推奨するものではありません。
投資の際は、自己責任でお願い致します。
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