この記事では、りそな銀行の株価が安い理由を解説しています。
りそなHDって何でこんなに株価が安いのかな?
こんな疑問に答えます。
りそなHDは、長期に渡って株価が低迷しています。
高配当なので、投資を検討している方も多いのでは無いでしょうか?
配当利回り4%超は、美味しいですよね。
ですが配当利回りが高いのには、それなりの理由があるのをご存知でしょうか?
投資後に後悔しないためにも、りそなのリスクはきちんと把握しておくべきです。
そこで本記事では、りそなの株価が安い理由と今後の見通しを解説します。
りそなへの投資を考えている方に、役立つ情報を提供します。
りそな銀行の株価が安い理由を解説【りそなの株価はどうなる?】
りそなHDの株価が安い理由は、以下の3つです。
・公的資金の返済に時間がかかっていたから
・リテールビジネスが人口減で今後厳しい
・ゼロ金利政策で稼ぎにくくなっている
りそなには、いくつかの事業リスクがあります。
その影響で、売上が伸び悩んでおります。
以降では、りそなの株価が安い原因を深堀りしていきます。
公的資金の返済に時間がかかっていたから
バブル崩壊後、各銀行は多額の「不良債権」を抱えていました。
不良債権とは何ですか?
不良債権とは、約定どおりの元本や利息の支払いが受けられなくなるなど、その経済価値が低下した貸出債権を指します。
【出典】日本銀行_質問不良債権とは何ですか?
その影響で、多くの銀行に「公的資金:政府のお金」が注入されました。
特に影響が大きかったりそなは、実質政府に国有化されることになりました。
2003年5月17日、政府はりそなグループへの公的資金による資本注入を認めた。傘下のりそな銀行に2兆円規模を注入し、実質国有化した。
【出典】日本経済新聞_2003年5月17日 りそな、実質国有化へ 公的資金2兆円投入
その後銀行各社は、民間企業として元の姿に戻るために、公的資金を頑張って返済することになりました。
銀行の中でも、りそなは返済に時間がかかりました。
このように他行と比べて、公的資金の返済が長引きました。
そして2015年にようやく公的資金を完済し、元の民間企業に戻りました。
りそなは2015年まで、公的資金の返済を優先してきました。
その影響で、りそなは海外展開が遅れております。
人口減の日本では、今後海外展開が必須です。
今後の売上拡大のキーである「海外展開」が遅れていることが、株価低迷の原因になっています。
りそなのリテールビジネスが人口減で今後厳しい
りそなは、メガバンクとは異なり「リテール=個人向け」事業が貸し出しの大半を占めています。
このように8割が「個人や中小企業向け」です。
更に、その中でも「住宅ローン」の比率が高いです。
ですが、日本は人口が今後減少していきます。
空き家がどんどん増えるなど、不動産への融資事業はジリ貧です。
人口減により、りそなは間違いなくマイナスの影響を受けます。
今後事業が縮小傾向にあることから、株価が伸び悩んでいるのです。
ゼロ金利政策で稼ぎにくくなっている(銀行全般)
りそなに限らず、銀行は「ゼロ金利政策」の影響で稼げなくなっています。
政策金利を限りなくゼロ近くに誘導する金融政策。
政策金利をゼロにすることにより、銀行はただ同然で資金を調達できるため、企業への融資がしやすくなり、お金の流れが活発化し、景気を刺激する効果が得られます。
【出典】大和証券_金融・証券用語解説 [ゼロ金利(政策)]
銀行は、金貸し業です。
金利が安いと、いくらお金を貸しても稼げません。
こんな感じで、1%未満の金利でお金が借りられます。
金利が安すぎで、これじゃあ銀行は全然稼げないですよね。
その結果上記グラフのように、経常利益は徐々に減少しています。
今後も低金利が続く限り、りそなは厳しい経営を強いられる見込みです。
りそな銀行の今後はどうなるか解説【株価は暴落する?安いまま?】
今後のりそな銀行はどうなるのかな?
りそな銀行の見通しは、以下のとおりです。
・国内メインのビジネススタイルでは今後ジリ貧
・手数料ビジネス(特に承継信託)で、どれだけ稼げるかが鍵
・同じ銀行なら個人的に三菱UFJ、三井住友がおすすめ
今後日本は人口がどんどん減少していきます。
国内メインでビジネス展開するりそなは、今後かなり苦しいと思われます。
りそなが今後伸びるかどうかは、手数料事業にかかっています。
国内メインのビジネスではジリ貧
株価を上昇させるためには、「売上・利益」を伸ばす必要があります。
ですが、りそなは今後大きく売上を伸ばせる目処が立っていません。
国内でリテール(個人消費者向け事業)でNo1になっても、国内市場のパイが小さくなるので、売上はどんどん減る構図です。
また低金利政策は、当面続く見込みです。
りそなの冬の時代の終わりが見えないと、投資しにくいです。
このように株価が安い理由は、投資家が先行きを不安視しているからに他ありません。
僕も同意見で、高配当に釣られて安易にりそなを買うのは危険だと思っています。
承継信託事業が唯一伸びている
厳しい経営状況のりそなですが、唯一右肩上がりの事業があります。
それが「承継信託事業」です。
近年経営者の引退により、承継信託を行うケースが増えてきております。
りそな銀行も年々案件が増えてきております。
もちろん、承継信託だけで稼げる訳ではありません。
しかし、経営者とのつながりを増やすことで、会社への融資や、経営者個人の資産運用へ広がる可能性があります。
手数料ビジネスで儲けることが出来れば、今後りそなが復活する可能性もありそうです。
個人的には同じ銀行なら三菱UFJ、三井住友がおすすめ
銀行は、フィンテックの台頭などで「オワコン扱い」されています。
ですがその影響で、株価が割安な状態で放置されています。
そのため、配当狙いの投資家には「リスクが高いけどリターンも高い」状態になっています。
りそなもご多分に漏れず、配当利回りは4%超と高配当化しています。
ですが、同じ銀行ならあえてりそなを選ばなくても良いかなと思っています。
りそなは、今後の人口減少になす術がありません。
それなら海外事業に積極的な三菱UFJや、累進配当を宣言している三井住友がオススメです。
まとめ:りそな銀行の株価が安い理由!今後どうなるのか?
本記事のまとめです。
・りそなは、ゼロ金利政策&人口減で今後苦しくなる見込み
・今後手数料ビジネスを拡大できるかが鍵
・個人的には同じ銀行なら、三菱UFJや三井住友がおすすめ
りそなは、高配当銘柄として有名ですが、リスクも高いです。
長期的に売上が右肩下がりの可能性が高いので、投資する場合は要注意です。
個人的には、同じ銀行ならメガバンの2つ(三菱UFJ・三井住友)がオススメかなと思っています。
尚、本記事は著者の意見をまとめたもので、投資を推奨するものではございません。
投資は、自己責任にて宜しくお願いいたします。
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