いきなりステーキの株価はなぜ暴落したか解説【経営やばいです】

いきなりステーキの株価はなぜ暴落したか解説【経営やばいです】 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、いきなりステーキを運営するペッパーフードサービスの株価が暴落した要因を解説します。

      

2022年8月の決算発表で、ペッパーフードサービスの株価が再び暴落しています。

     

【出典】Google市場概説_ペッパーフードサービス株価推移
【出典】Google市場概説_ペッパーフードサービス株価推移

       

決算発表後に、株価が30%ほど下落しています。

いきなりステーキに何があったのでしょうか?

     

そこで本記事では、ペッパーフードサービスの株価が下がった原因と今後の見通しを解説していきます。

     

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いきなりステーキの株価はなぜ暴落したか解説【経営やばいです】

ステーキ

      

いきなりステーキの株価が下落している要因をまとめました。

      

・いきなりステーキの拡大路線の大失敗

・債務超過で中核のペッパーランチを売却

・2022年も黒字化の目処が立たっていない

・株主優待の廃止

・経営の見通しが甘い

     

ペッパーフードサービスは、現在も経営再建中です。

経営状況は悪く、今の状況を放置すると潰れる可能性もあります。

    

この状態を受けて、株価は下落を続けています。

詳しく解説します。

      

いきなりステーキの拡大路線の大失敗

ネットニュースでも話題になりましたが、ペッパーフードサービスの経営が悪化した要因は、いきなりステーキの拡大路線が行き詰まったからです。

     

いきなりステーキは「気軽に安くステーキを食べられる」というコンセプトが人気を呼びました。

これを受けて、いきなりステーキは急速に店舗数を拡大しました。

       

【グラフ】いきなりステーキ店舗数推移(著者作成)
【グラフ】いきなりステーキ店舗数推移(著者作成)

      

たった6店舗で、493店舗に拡大しました。

しかし、あなたもご存知の通り、飲食店の流行り廃りはあっという間です。

一時期はメディアにも取り上げられ大人気となりましたが、あっという間に顧客が離れていきました。

     

加えて稚拙な拡大によって、店舗同士で客を取り合う事態となりました。

     

当連結会計年度の売上高は新規出店により57,129百万円(前期比5.5%増)となりましたが、店舗同士の競合などによる既存店不振の影響により、セグメント利益は1,924百万円(前期比63.8%減)となりました。

【出典】ペッパーフードサービス_2019年12月期 決算短信

     

この結果、店舗当たりの売上・利益が大きく目減りする結果となり、経営状況が急速に悪化しました。

     

債務超過で中核のペッパーランチを売却

無計画な事業拡大により、ペッパーフードサービスは経営危機に陥りました。

債務超過一歩手前の状況になり、倒産寸前の状態まで追い込まれました。

      

当事業年度においては、懸念された債務超過は、純資産455百万円で生じておりませんが、営業損失4,025百万円、経常損失3,904百万円及び当期純損失3,955百万円となっていることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が依然として存在しております。

【出典】ペッパーフードサービス_2020年12月期 決算短信

    

この状況を打破すべく経営陣は、中核事業であるペッパーランチを売却することで手元資金を確保しました。

      

【出典】ペッパーランチ公式サイト_世界にはばたくペッパーランチ
【出典】ペッパーランチ公式サイト_世界にはばたくペッパーランチ

       

実はペッパーランチ事業は、コロナ禍でも黒字を出しておりました。

フランチャイズビジネスによるロイヤリティ収入等もある、同社の中核事業となっておりました。

このようにペッパーランチは、ビジネスとして成り立っていることから、85億円という価格で売却することができたのです。

     

ペッパーフードサービスは、売却益で債務超過を免れることができました。

しかし、中核事業を手放してしまったことで、残されたのは赤字垂れ流しの「いきなりステーキ事業」となりました。

今後は、このいきなりステーキ事業を何とか黒字化し、経営を再建しなければなりません。

     

2022年も黒字化の目処が立たっていない

2022年8月にペッパーフードサービスは、第二四半期決算を発表しました。

第二四半期実績で、赤字が解消していないことが明らかになりました。

     

【出典】ペッパーフードサービス_2022年12月期 第2四半期決算短信
【出典】ペッパーフードサービス_2022年12月期 第2四半期決算短信

        

そして、2022年度通期の決算予想も赤字となっています。

    

【出典】ペッパーフードサービス_2022年12月期 第2四半期決算説明資料
【出典】ペッパーフードサービス_2022年12月期 第2四半期決算説明資料

       

このひどい決算を受けて、横ばいだった株価が再び暴落しました。

     

【出典】Google市場概説_ペッパーフードサービス株価推移
【出典】Google市場概説_ペッパーフードサービス株価推移

        

現状、黒字化の目処が立っておらず、この状態が続くと再び経営危機に陥る可能性があります。

      

株主優待の廃止

また2022年8月の第二四半期決算で、ペッパーフードサービスは優待の廃止を発表しました。

      

当社は中長期的に事業拡大のための投資を行うことにより企業価値の向上を図り、早期の復配を目指すことが、株主の皆様に対する公平な利益還元に繋がると考え、株主優待制度を廃止させていただくことといたしました。

【出典】ペッパーフードサービス_株主優待制度の廃止に関するお知らせ

   

プレスリリースには書かれていませんが、優待の負担も経営の重荷になっていたと思われます。

    

・100株~300株未満の株主様 半期ごとに株主様優待券1,000円分

     

100株が4万円だと、優待利回りが5%にもなります。

黒字化の目処が立たない以上、やむを得ない判断だと思われます。

   

しかし、優待目当てで投資していた方も多いので、優待廃止によって売却を選択する個人投資家も多かったと思われます。

優待廃止は、株価の暴落を招くことが多いです。

      

経営の見通しが甘い

ペッパーフードサービスの経営を見ると、つくづく経営の見通しが甘いなぁと感じてしまいます。

     

・いきなりステーキ事業の稚拙な事業拡大

・債務超過手前になるまで、方向転換ができない

・中核事業を手放す判断

・2022年度以降の業績見通しの甘さ

     

2022年8月の決算説明で、黒字から赤字へ見直しとなった理由を「コロナ禍」のせいにしています。

     

【出典】ペッパーフードサービス_2022年12月期 第2四半期決算説明資料_計画見直しの背景
【出典】ペッパーフードサービス2022年12月期 第2四半期決算説明資料計画見直しの背景

      

しかし2022年上期は、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金として「約10億円」を手にしています。

おそらく、協力金のお陰で赤字幅が圧縮されているはずです。

     

また2022年のコロナ第七波は行動制限が行われておらず、外食の自粛はそこまで発生していません。

そもそも、いきなりステーキは一人客が多く、大きな影響は無いものと思われます。

    

もっと根本的な要因は、顧客がいきなりステーキに魅力を感じていない事にあるはずです。

そうした根本的な分析を行わずに、コロナ禍のせいにしていては、いつまでも業績は改善しません。

    

尚、今回の決算発表と合わせて、これまで会社を率いていた社長が引責辞任となります。

今後いきなりステーキの魅力が復活し、客足が戻るかに注目です。

      

まとめ:いきなりステーキの株価はなぜ暴落したのか?

ペッパーフードサービスの株価が下落した理由まとめです。

       

・いきなりステーキの拡大路線の大失敗

・債務超過で中核のペッパーランチを売却

・2022年も黒字化の目処が立たっていない

・株主優待の廃止

・経営の見通しが甘い

      

一世を風靡したいきなりステーキですが、かなり経営状況はやばいです。

リバウンド狙いの買いは危険なので、注意しましょう。

     

尚本記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではございません。

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