東邦ガスの株価が暴落!【株価が下落している要因を詳しく分析】

東邦ガスの株価が暴落!【今後も下落していく理由を解説します】 株/ETF/投資信託
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この記事では、東邦ガスの株価が暴落している理由を解説しています

     

東邦ガスの株価が下落傾向にあります。

     

【出典】Google市場概説_東邦ガス株価推移
【出典】Google市場概説_東邦ガス株価推移

       

東邦ガスは、経営が安定しているイメージがあるので、投資を検討している方も多いと思います。

でも最近は株価が暴落しており、安易な投資は危険なのをご存知でしょうか?

      

身近な企業だからと言って、安易に投資すると大きな含み損となる可能性もあります。

そこで本記事では「東邦ガスの株価はなぜ暴落したのか?」を詳しく解説していきます。

     

投資を検討している方へ役立つ情報をお届けします。 

      

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東邦ガスの株価が暴落!【株価が下落している要因を詳しく分析】

ガス

       

東邦ガスの株価が下落している要因は、以下のとおりです。

      

・優待バブル終了により株価が下落

・元々の株価が割高過ぎ

・暴落後の価格でも、そこまで割安感は無い

       

東邦ガスの暴落の一番の要因は、優待バブルがはじけた事にあります。

株価は暴落しましたが、それでも割安感はあまりありません。

暴落=割安と判断すると、思わぬ失敗につながるので要注意です。

    

詳しく解説していきます。

      

       

東邦ガスの経営概況

東邦ガスは、中部圏(愛知県・岐阜県・三重県)を中心に、都市ガス(天然ガス)の製造、供給、販売をしています。

        

【出典】東邦ガス_東邦ガスの概要
【出典】東邦ガス_東邦ガスの概要

    

東邦ガスの最近の売上・営業利益推移は、以下のとおりです。

     

【出典】東邦ガス売上・営業利益率推移※著者作成
【出典】東邦ガス売上・営業利益率推移※著者作成

        

過去9年の推移を見ると、売上・利益は「横ばい・微減」であることが分かります。

ガス代は、原料価格を売価に転嫁できる仕組みがあります。

そのためガス代の市況価格によって、売上高が大きく変わります。

     

次に、ガスの顧客数とガスの販売量を見ていきます。

       

【グラフ】東邦ガス_ガスお客様数推移※著者作成
【グラフ】東邦ガス_ガスお客様数推移※著者作成

      

ガスメーター取り付け数は、毎年少しずつ伸びています。

三大都市圏の愛知を抱えている事、単身世帯が増えている事が、増加の背景にあると思われます。

      

【グラフ】東邦ガス_ガス販売量推移※著者作成
【グラフ】東邦ガス_ガス販売量推移※著者作成

      

一方でガス販売量は、横ばい・やや微減となっております。

2019年以降、コロナの影響で企業活動が制限された事で、ガスの販売量も減っています。

(ガスの販売量の約8割が企業向け)

     

ガス事業の強みは、原料価格を売価に転嫁できる事です。(原料費調整制)

資源価格の変動リスクを基本的に受けないのは、大きなメリットです。

    

一方で原料費調整制度にも、デメリットもあります。

     

・燃料の変動はすぐに価格反映されない(適用ズレが起きる)

・急激な値上げの場合は、全額を売価に転嫁できない(上限)

     

燃料の価格転嫁には、2ヶ月のズレがあります。

    

【出典】経済産業省_原燃料費調整制度の見直しについて
【出典】経済産業省_原燃料費調整制度の見直しについて

    

原料の価格をタイムリーに売価に反映できない事で、損をしたり得をしたりする事があります。

また、原料価格の上昇を転嫁できる幅が決まっています。

そのため、全ての値上げを売価に反映できないケースがあります。

      

原料価格の大幅な上昇時の需要家に対する影響を緩和するために、自動的に調整される幅に一定の上限を設定し、 原料費が高騰しても、需要家料金への反映には一定の抑制をします。

【出典】経済産業省_ガスの原料費調整制度について

   

経営環境の変化(電力・ガス自由化)

従来、電気・ガスは独占企業によって運営されていました。

しかし、近年電力・ガスの自由化となり、経営環境が大きく変化しております。

    

【電力自由化】電気の売上増が見込めるため、大きなビジネスチャンス

【ガス自由化】シェアが奪われる可能性があるため、大きなリスク

      

自由化と聞くと、既存の企業にはマイナスのイメージがあります。

ですが東邦ガスは、電気の自由化以降、電気ビジネスの売上を伸ばしています。

     

【グラフ】東邦ガス_電気販売量推移※著者作成
【グラフ】東邦ガス_電気販売量推移※著者作成

     

このように右肩上がりで、販売量を増やしている事が分かります。

ガスとのセットで売る方法が、功を奏しているようです。

     

その結果、2020年度時点で売上の11%が、電気事業となっています。

      

【グラフ】東邦ガス_セグメント別売上推移(2020年度)※著者作成
【グラフ】東邦ガス_セグメント別売上推移(2020年度)※著者作成

     

更に今の所、ガス自由化による経営への影響は無さそうです。

(ガス販売量・決算資料から、競争激化によるマイナス影響の報告は無い)

     

一方で、電気事業は現時点ではあまり儲かっておりません。

電気事業が利益に貢献するのかが、今後のポイントになるかと思われます。

     

東邦ガスは優待バブルで割高だった

2016年以降、日本では優待目当ての投資が流行りました。

優待がある銘柄は、長期保有者が増え、株価が上昇しました。

      

東邦ガスも、優待制度を設けております。

具体的には、ガス代への支払いに使える「がすてきポイント」もしくは「商品・雑貨」を選ぶ事ができます。

      

【出典】東邦ガス_2021年3月株主優待(食品・雑貨)
【出典】東邦ガス_2021年3月株主優待(食品・雑貨)

       

その結果、東邦ガスの株価は大きく上昇しました。

     

【出典】Google市場概説_東邦ガス株価推移
【出典】Google市場概説_東邦ガス株価推移

       

当時は、類似企業の「東京ガス」と比較しても、割高であった事がよく分かります。

(東京ガスには優待は無い)

       

【東邦ガス5,000円時】PER:30~50倍前後、配当利回り:1%前後

【東京ガス3,000円時】PER:20~30倍前後、配当利回り:2%前後

     

PER、配当利回りどちらの観点でも、明らかに割高な水準であることが分かります。

      

優待バブルが終了し株価が大きく下落

2021年になり、優待バブルは終わりを迎えました。

その結果、優待企業の株価も下落傾向にあります。

    

         

東邦ガスもその影響で、株価が急落しました。

     

【出典】Google市場概説_東邦ガス株価推移
【出典】Google市場概説_東邦ガス株価推移

        

ピーク時に7,000円近い株価が、何と3,000円を割っています。

たった1年で株価が半値以下になってしまいました。

    

この間、株価が半分になるほどの経営上の問題は起きておりません。

(利益が減少傾向にあるくらい)

     

東邦ガスは、優待バブルの崩壊と共に、株価が大きく下落したのです。

      

株価の暴落後も割安感はあまりない

株価が半値以下になったので、反発狙いの人も増えているかもしれません。

ですが、以前の株価は割高過ぎでした。

そのため、株価が暴落後にようやく適正価格になりました。

     

【東邦ガス:株価2,800円】PER23倍、配当利回り2.0%

※2021年決算予想値

      

東京ガスとほぼ同じ水準まで落ちてきた感覚です。

そのため、競合と比較してもそこまで割安感はありません。

    

また個人的に「売上横ばいor微減」の企業でPER23倍は高すぎの気がします。

他にも割安で配当が多い企業が沢山あります。

     

なので今が底値と考えるのは、リスクが高い気がします。

花王のように、想像以上に株価が下げるケースもあるので、要注意です。

     

       

東邦ガスの今後の見通し【今後も暴落・下落する可能性あり】

本記事のまとめです。

      

・優待バブル終了により株価が下落

・元々の株価が割高過ぎ

・暴落後の価格でも、そこまで割安感は無い

       

東邦ガスは、優待バブルの終了と共に株価が暴落しています。

元々が割高だった事もあり、暴落後でも割安感はあまりありません。

    

東邦ガスへの投資をする際は、上記リスクを踏まえた上で慎重に投資するようにしましょう。

     

最後まで読んでくれてありがとうございました!

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