こんにちは、コロスケです。
今日は半導体の一種であるFPGAとは何か?について解説していきます。
半導体ってホントに色々な種類があって、意味不明ですよね。
僕も資材部員として半導体の調達担当になった頃は、「FPGAって何??」という感じでした。
勉強すると、ASIC/PLD/CPLD/FPGAなど色々な用語が出てきて、逆に意味が分からなくなってしまいます。
今回は資材調達歴10年の僕が、文系の初心者向けにFPGAとは何か?を分かりやすく解説していきます。
・FPGAとは何かを知りたい
・PLD/CPLD/FPGAの違いを知りたい
・FPGAを使うメリット・デメリットを知りたい
文系の方向けに、これらFPGAに関する疑問を解決していきます。
FPGAとは何か?【FPGAとCPLDの違いもわかりやすく解説】
FPGAとは何なのでしょうか?
・FPGAとは、カスタムICの一種
・FPGA⇒設計者が手元で回路情報を書き込めるIC
・PLD/CPLD/FPGAは構造が違うだけで、機能は同じ
一言でFPGAをまとめると上記の通りなのですが、ちょっと分かりにくいと思います。
これから詳しく解説していきます。
FPGAとは何か?
FPGAとは、field-programmable gate arrayの略で、ユーザー側の設計者が手元で希望の回路設計することが出来るICです。
【カスタムIC】設計者がカスタマイズできるIC⇒ASICやFPGA
【カタログIC】ICメーカーが製造した標準的なIC
カタログICとカスタムICの全体図を以下の図に書いてみました。
FPGAは、ユーザーの手元で回路を自由に書き変えることが出来るので、カスタムICの分類されています。
(但しFPGA自体はメーカーの規格品なので、セミカスタムICと呼ぶ人たちもいます)
とりあえずFPGA/PLD/CPLDは、「ユーザーの手元で回路を自由に書き変えることが出来るカスタムIC」と覚えておけばOKです。
PLD/CPLD/FPGAの違いは何?
カスタムICの理解を難しくしているのがこれら用語の多さです。
結局、PLD/CPLD/FPGAの違いは何なの?
これらの疑問は以下の認識でいれば大丈夫です。
・PLD/CPLD/FPGAも全部一緒!
・名前が違う理由は回路の構造が違うだけで、機能は同じ
・細かいことを言うと、CPLDは小容量帯、FPGAは中大容量帯
PLD/CPLD/FPGAも全部機能は一緒です。
僕たち文系は、同じモノと覚えておけば大丈夫です。
またPLDは、CPLDとFPGAを含めた、ユーザーの手元で回路を書き込めるICの総称です。
FPGAのメリット(ASICとの比較)
同じカスタムICのASICとFPGAは、どんな違いがあるのでしょうか?
FPGAのメリット
ASICと比較した時、FPGAのメリットは以下の通りです。
・設計変更に強い(ASICは開発を始めたら設計変更できない)
・開発期間が短い(ASICの場合は半年~の開発期間)
・開発費が不要(ASICは開発費がかかります)
・量産数量が少なくても大丈夫
ASICは客先専用ICを新たに作るので、お金と期間がかかります。
また開発を始めると修正がききません。
FPGAは設計者自信がツールを使い回路を書き込むので、開発費がかからないなどのメリットがあります。
FPGAのデメリット
一方で、FPGAにもデメリットはあります。
・一般的にASICよりも値段が高い
・設計者がFPGAの設計ツールを使いこなす必要がある
専用に開発したASICと比べると、FPGAの方が製品単価が高いです。
そのため以前は、開発・試作段階はFPGA、量産はASICと使い分けているケースが多かったです。
一方最近は、FPGAのプロセスシュリンクが進み、ASICとも同等レベル以下の価格が出るようになってきました。
なので、価格が高いというデメリットも徐々に薄れてきています。
実際、ASICの置き換えとして、FPGAの市場規模が大きくなってきています。
もう一つのデメリットは、開発ツールを使いこなすことです。
FPGAは設計者がツールに書き込みをする必要があることから、ツールに習熟する必要があります。
半導体商社のFAEがサポートしてくれますが、ツールの習熟がFPGA採用の課題になっています。
PLD(FPGA/CPLD)の市場トレンド
簡単にPLD(FPGA/CPLD)の市場トレンドも解説していきます。
・最先端プロセス適用でFPGAの価格が安くなってきている
・ARMコアを内蔵した高付加価値品が登場
・ほぼ3社で世界シェアの9割程度の寡占化
最先端プロセス適用でFPGAの価格が安くなってきている
先ほどご説明したようにFPGAは、プロセスの進化で単価がどんどん安くなってきております。
2020年1月時点では、メーカーHPを見ると、「16nmプロセス品」が発売されています。
以前は価格でASICに太刀打ちできなかった分野でも、FPGAで勝負できる価格になってきました。
でもASICには、プロセスの進化は無いの?
プロセスが進化するほど、ASICの開発費は大きくなってきます。
先端プロセスでは、億単位の開発費がかかります。
開発費を抑えようと思うと、こなれた古いプロセスで作ることになります。
そうすると、ASICの古いプロセス VS FPGAの最先端プロセスとなるので価格が追い付いてきているのです。
(先端プロセスになると、ICにあるチップサイズを小さくできて、同じウエハから沢山のチップが取れるので安いんです)
ARMコアを内蔵した高付加価値品が登場
FPGAは回路の周辺機能をどんどん取り込んで部品点数削減に貢献してきました。
近年では、ARMのコアを内蔵した高付加価値のFPGAも登場しています。
周辺機能の取り込みで、トータルの部品費用と実装費用の削減が進んでおります。
3社で世界市場の9割程度のシェア
PLD市場はINTEL(旧ALTERA)、XILINX、LATTICEの3社が主要メーカーです。
いずれも工場を持たないファブレスの企業です。
3社で世界市場の9割程度のシェアを押さえており、PLD市場は寡占化しております。
まとめ
本記事のまとめです。
・FPGAは設計者が手元でカスタマイズできるIC
・PLD/CPLD/FPGAは同じ機能
・FPGAのメリットは、設計変更に強い・開発費不要
文系の資材部員は、まずは最低限の知識だけ覚えればOKです。
上記情報さえ知っていれば、とりあえずは何とかなります。
担当業務を進めていく内に、詳細を勉強していけば大丈夫です。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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