この記事では、ロームの決算資料を元に、最新の稼働状況とコロナ対策を解説します。
ロームの最新決算はどうだったの?
あと最新の稼働状況が知りたいな
こんな疑問に答えます。
20年2月から深刻化したコロナウイルスは、ロームの経営に大きな影響を与えています。
今回は、コロナがロームにどんな影響を与えたのかを、決算資料を元に詳しく分析していきます。
【19年度決算】ロームの最新稼働状況とコロナ対策を詳しく解説
ロームの決算内容とコロナウイルスの影響度は、以下の通りです。
・19年度売上:3,628憶円(前年度比9%減)
・19年度営業利益:294憶円(前年度比47%減)
・20年4月はコロナの影響で、工場の稼働が約2割減少
・ロームのコロナ対策の現状を紹介
コロナウイルスの影響で、ロームは19年度は減収減益となりました。
20年度は更にマイナスとなりそうです。
詳しく解説していきます。
ローム19年度決算概要
19年度で、コロナの影響があったのは2か月だけです。
米中貿易戦争の影響も大きかったようで、前年度比で10%近く売上が落ちています。
20年度は自動車ビジネスが20%も下がる見通しもあります。
ロームは売上の約5割が車載です。
現時点で20年度の計画は未定としていますが、更に落ちることが予想されます。
ロームはコロナの影響をかなり受けていた
ロームは、コロナ影響で経済活動が止まっていた地域に多く工場を構えていました。
そのため3月以降、供給が滞るようになりました。
ローム製品を調達していた資材部員は、かなり苦労しているのではないでしょうか?
上記地域は、いずれもコロナウイルスの影響で、工場の稼働停止・稼働率ダウンとなりました。
ローム工場毎の最新稼働状況
次に工場ごとの最新稼働状況を見ていきます。
ローム中国生産拠点
ロームの中国の生産拠点は、春節明けに稼働が再開出来ませんでした。
しかしその後は、製造が再開し、3月には稼働は元に戻りました。
ロームマレーシア生産拠点
マレーシアは、3月中旬頃から非常事態宣言が発令され、経済活動が制限されました。
3月中旬以降、稼働が下がったことで、納期へ深刻な影響が出ています。
しかし現在は、政府の許可を得て通常稼働となっており、5月にはコロナ前の稼働率に戻る見込みです。
現地政府発令による稼働制限は継続しておりますが、当局の許可を得て、通常稼働となっております。
ローム 新型コロナウイルスの影響について(第十報)
ロームフィリピン生産拠点
フィリピンも3月中旬から、非常事態宣言の影響で稼働が極端に落ちています。
4月の稼働率は25%程度となっており、調達品に深刻な影響が出ています。
5月12日時点でも、一部稼働制限となっており5月の稼働も50%程度と低調となっています。
現地政府発令に従い、一部稼動制限を受けておりますが、当局との交渉の結果、制限の一部緩和もあり、50%を超える稼働状況に回復しつつあります。
ローム 新型コロナウイルスの影響について(第十報)
ロームのコロナ対策(BCP)
ロームは、コロナウイルスの影響で工場の稼働に深刻な影響が出ました。
その対策として、決算説明資料では、以下の方針を出しています。
いかなる困難があろうとも顧客への供給責任を果たす
【出典】ロームIR資料
モノ作りが出来ないと、会社はつぶれます。
それだけでなく、我々客先の生産ラインも止めてしまいます。
コロナに打ち勝つBCP方針として、ロームは2つの対策を挙げています。
・組み立て工程の生産能力向上&自動化を加速
・後工程の製造委託(OSAT)比率を10%⇒30%へ引き上げる
今回製造が止まった後工程の外注化を進めることで、複数箇所で生産できる体制を構築するようです。
BCP対策が会社の大きな方針となるほど、生産継続性が重視されるようになりました。
まとめ:海外工場の安定生産の体制が必要不可欠
本記事のまとめです。
・ロームはコロナの影響で、4月の稼働が約2割減少
・ロームは海外生産拠点のBCP対策に取り組んでいる
2011年のタイの洪水の時もそうでしたが、トラブルがあるとBCPの重要性が認識されます。
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れるように、数年後にはBCPはどこかへ消えてしまいます。
納期の責任を負っている資材部門として、BCPの大切さは社内関係者に粘り強く訴えていきたいと思います。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。
コメント