旭化成がAS/ABS樹脂事業から撤退【背景と今後の見通しを解説】

旭化成がAS_ABS樹脂事業から撤退-min資材業務について
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こんにちは、コロスケです。

この記事では、旭化成がAS/ABS/ACS樹脂事業から撤退することについて解説していきます。

  

2020年3月6日、旭化成がAS/ABS/ACS樹脂からの撤退をプレスリリースで発表しました。

  

  

ABS業界は、2018年に国内1位と2位が合併。国内シェアが6割近いテクノUMGが誕生し、寡占化が進んでおります。

今回は、旭化成のAS,ABS,ACS事業からの撤退について、資材歴10年の現役資材部員が、詳しく解説していきます。

  

・旭化成のABS撤退の背景を知りたい

・撤退によって市況への影響はあるの?

・資材部員が行うべきことが知りたい

  

これら疑問を解決していきます。

  

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旭化成がAS/ABS/ACS樹脂事業から撤退【背景と今後の見通し解説】

 

旭化成のプレスリリースの概要は以下の通りです。

  

・旭化成がAS/ABS/ACS樹脂事業から2021年3月に撤退

・国内樹脂市場へ与える影響は軽微

・国内の樹脂需要は年々減少。旭化成の撤退で更に寡占化が進んでいく

   

旭化成のAS/ABS/ACS事業は、以前より縮小傾向でしたが、今回完全に撤退することが決まりました。

詳細を解説していきます。

   

旭化成撤退の概要

今回のプレスリリースのポイントを抜粋致します。

  

・工場/営業活動: 2021年3月末 終了予定

・ 対象製品 : AS樹脂、ABS樹脂およびACS樹脂(製品名:「スタイラック™」、「エステロイ™」)

・製造拠点: 川崎製造所内AS工場(神奈川県川崎市)

【出典】旭化成プレスリリース  https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2019/ze200306_2.html

  

50年以上の歴史がある川崎製造所のAS事業に幕が下ろされることになりました。

今後旭化成は、ABSの原料であるANなど、他の注力事業へとリソースを振り向けていくことになります。

  

旭化成は2015年にABS重合からは撤退済み

旭化成は、石油化学事業の採算が悪く、2015年には事業再編を行っております。

  

ABS樹脂「スタイラック」事業

現在、水島地区に有している年産6万5千トンの生産設備を2015年12月を目途に停止し、川崎地区で製造するAS樹脂と外部調達するABS樹脂をコンパウンドする事業に転換します。今後は国内外のコンパウンド拠点を活用し、差別性の高いAS樹脂を用いたコンパウンド品の供給に特化することで、事業収益の改善を図ります。

https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2013/ze140225_2.html

   

元々、ABS事業は厳しい状況が続いておりました。

2015年末にABSの重合を辞める決断をしております。

 

その後、外部調達したABS樹脂をコンパウンドする事業に転換し、収益改善を図っていました。

しかし、厳しい状況は変わらなかったようで、今回遂にAS樹脂、ABS樹脂およびACS樹脂からの完全な撤退となりました。

  

国内のABS樹脂の需要は年々減ってきている

旭化成が事業撤退を決断した背景に、国内の樹脂需要が減少していることが挙げられます。

  

・製造業の海外の移転

・経済の成熟

・国内人口の減少

  

などにより、樹脂の国内需要は減少を続けております。

 

ABS樹脂出荷量推移-min
https://www.chem-t.com/link/data/abs/index.html
の資料をベースに著者がグラフ化

  

このグラフで分かる通り、2000年に60万トンだった出荷数量が2019年には、34万トンまで減少しています。

20年間で国内の市場が4割も縮小していることが分かります。

  

国内のABS市場は右肩下がりのレッドオーシャンです。

その結果、合併による寡占化・撤退など、事業再編が進んでいます。

  

旭化成のABS/AS/ACS樹脂の撤退による調達への影響は?

 

今回の旭化成の撤退による影響はどのくらいあるのでしょうか?

  

・今回の撤退による影響があるのは、旭化成材を使っている一部にユーザーのみ

・撤退により市況がタイトになるなどの心配は不要

・国内市場は寡占化が進んでおり、注意が必要

  

旭化成材を買っている人は、他社材への切り替え手続きが必要です。

今回の撤退で市況がタイトになることは無さそうなので、需給の心配は今のところ不要です。

  

まとめ:旭化成の撤退の影響は軽微だが、市場の寡占化が加速

本記事のまとめです。

  

・旭化成がAS/ABS/ACS樹脂事業から2021年3月に撤退

・国内樹脂市場へ与える影響は軽微

・国内の樹脂需要は、年々減少。旭化成の撤退で更に寡占化が進んでいく

   

今回の撤退で樹脂業界の寡占化が更に進みます。

直近は、供給過多で市況価格も下落していますが、市況が変わると、寡占市場では値上げやグレード集約など、調達リスクが顕在化します。

 

樹脂材料は、BCP対策として、国内だけでなく海外メーカーからの調達も視野に入れた方が良いかもしれません。

  

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

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