こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。
仕事で銅を買っています。
この記事では、銅価格がアルミより価格変動が大きい理由を解説します。
![](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2019/05/がびーん-min.png)
なんで銅価格ってこんなに値動き激しいの?
こんな事を思った方は、いないでしょうか?
実際、銅の値段は日々変動しており、調達価格にも影響しています。
銅はホントに値動きが激しいです。
一方でアルミの価格は、銅に比べると比較的安定しています。
![](http://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2019/04/メイン.png)
確かにアルミの相場で大騒ぎしたことは無いね
でも銅とアルミ、同じ非鉄金属なのに、何でこんなに値動きが違うか知っていますか?
この記事では、資材歴10年の著者が「銅の値動きが激しい理由」を解説します。
・銅が含まれる製品を買っている資材部員
・コモディティへの投資を考えている方
こんな方に有益な情報を提供します。
【銅相場解説】銅地金のボラティリティが大きい理由を4つ回答
![世界・地球・疑問](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/世界・地球・疑問.jpg)
銅価格がアルミ価格より値動きが激しい理由は、以下の4つです。
・アルミより銅の方が希少だから
・銅は生産国と消費国が違うから
・チリの政情不安やストライキで生産が不安定だから
・投機マネーが入るようになったから
銅とアルミ。
同じ非鉄金属ですが、色々と違う所があるんです。
詳しく解説します。
【理由1】アルミより銅の方が希少だから
資本主義社会では、「希少性」が価格を決めます。
希少なモノであれば、高値が付きます。
銅とアルミも同じです。
地球上にある銅とアルミの埋蔵量は、以下の通りです。
銅はアルミに比べて、57分の1しか量が無い
銅鉱石の世界の埋蔵量は、約 4 億 9 千万トン(純分)と推定されている
【出典】QST 銅鉱石
アルミニウムの原料であるボーキサイトの世界の鉱石埋蔵量は、概算で 280 億 t とされている。
【出典】JOGMEC金属資源情報
同じ理屈で、埋蔵量が少ない金(ゴールド)も値動きが激しいですよね。
【理由2】銅は生産国と消費国が違うから
価格を決める一つの理由に、「生産国と消費国が一致しているか?」があります。
アルミの場合、生産国と消費国が一致します。
![アルミ生産国・消費国ランキング](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/アルミ生産国・消費国ランキング-800x655.png)
上図は、2016年のアルミ新地金生産国ベストテンです。
ご覧の通り中国が生産・消費ともに第一位となっています。
更にいうと「中国の生産量と消費量が均衡」しています。
自分で作って、自分で消費しているだけなので、需給のバランスが崩れにくいです。
次に銅を見てみましょう。
![世界の鉱石生産量推移](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/世界の鉱石生産量推移.png)
銅の原料である鉱石の生産量は、チリやペルーなど南米のシェアが高いです。
![世界の地金消費量推移](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/世界の地金消費量推移-1.png)
一方で消費量でみると、中国が半分消費しています。
このように生産と消費の国が違うので、需給バランスが崩れやすいです。
バランスが崩れ供給が逼迫すると、価格が上がりやすくなります。
【理由3】チリの政情不安やストライキで生産が不安定だから
![世界の鉱石生産量推移](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/世界の鉱石生産量推移.png)
このグラフの通り、世界の3割以上の生産を「チリ」が占めています。
そのためチリの供給に不安が出ると、価格が上昇する傾向にあります。
実際チリは過去、政情不安やストライキが起きております。
南米チリで学生の抗議活動に端を発した反政府デモが全国に拡大し、混乱が深まっている。事態を鎮めようと政府は最低賃金の引き上げなどの政策を発表したが、抗議活動は収まらず、最大の輸出品目である銅の生産にも影響が出ている。
【出典】日本経済新聞 チリの反政府デモ収束せず 銅生産に影響も ※2019年10月記事 太字は著者
住友金属鉱山が権益を持つチリの銅鉱山の操業が止まったことが21日明らかになった。労働条件を巡る労働組合との協議がまとまらず、従業員側がストライキに入っていた。操業再開の時期は未定という。
【出典】日本経済新聞 住友鉱山、ストライキでチリ銅鉱山の操業停止 ※2020年12月記事
世界最大の銅鉱石産出国であるチリの問題が起きると、供給量が減少します。
そのため、チリでストライキやデモが起こると、銅相場は値上がりします。
【理由4】投機マネーが入るようになったから
銅地金は、アルミと比べると価格の変動要素が大きいです。
そのため、2000年頃から投機マネーが流入するようになりました。
![銅価格の推移(1980年~2020年)](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/銅価格の推移(1980年2020年).png)
上のグラフは2019年までですが、2021年1月時点では「8,000$近辺」をウロウロしています。
銅は株と同じように、投機先として選ばれるようになりました。
銅価格は、実体経済を先取りして価格変動します。
そのため銅価格は、株価の先行指標=「Dr.Copper」とも呼ばれています。
一方でアルミは、投機マネーが入らないので価格変動が少ないです。
![アルミニウム価格の推移](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/アルミニウム価格の推移.png)
銅価格はこれからも上がっていく?
この記事では、銅価格のボラティリティが大きい理由をまとめました。
でも銅価格は、今後上昇を続ける可能性があることをご存知でしょうか?
![銅鉱石埋蔵量と推定可採年数](https://corosuke-blog.com/wp-content/uploads/2021/01/銅鉱石埋蔵量と推定可採年数.png)
2014年時点で「あと37年」しか銅は採掘できないという試算があります。
これは、現在ある銅山が「いつまで採掘出来るのか?」を表しています。
銅価格の低迷等を理由に探鉱や新規鉱山開発への投資が落ち込み、可採埋蔵量の積み増し(新規鉱床の発見)が追い付いていないことが原因と考えられる。
【出典】jogmec 銅の需給動向等
新規鉱山が見つかれば、期限は伸びるので、37年後に銅が取れなくなる訳ではありません。
但し、新規鉱山開発などには多額の資金がかかります。
その費用を回収できる銅価格が求められることから、長い目で見ると銅価格は上昇することを予想しています。
まとめ:銅はアルミに比べると値動きが激しい
銅の値動きが激しい理由を再掲します。
・アルミより銅の方が希少だから
・銅は生産国と消費国が違うから
・チリの政情不安やストライキで生産が不安定だから
・投機マネーが入るようになったから
銅を使った製品を購入する人たちは、今後も銅相場に一喜一憂することになりそうです。
この記事が、銅相場の理解に役立てば嬉しいです。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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