こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。
今日は、製造業と日本市場について解説していきます。
日本の製造業は日本市場を見捨てている【円安でも国内回帰が進まない理由】
円安が進んでいるが製造業に国内回帰の動きがない
コロナ禍以降、円安が加速しています。
1ドル100円から110円だったレートが、140~150円になっています。
円の価値が下がったことで、輸入品のコストが大きく上昇しています。
ここまで輸入品のコストが上がると、相対的に日本国内生産のメリットが高まります。
加えて製造業の一大拠点の中国では、人件費の高騰や政治リスクが出ています。
こうした背景から僕は「製造業の日本回帰が進むかも」と期待していました。
しかし、円安が進み2年以上経ちますが、僕が知る限り大々的に生産を国内に回帰する動きはありません。(あったとしても、国内工場の余力があれば一部を戻す程度)
理屈上は、円高時に海外へ移転したなら、円安時は国内に回帰するはずです。
しかし、今の日本の製造業にその動きが無いのはなぜでしょうか?
経営者が日本市場に魅力を感じていない
国内回帰が進まない要因をまとめました。
・地産地消が進んでいる
・再び円高に戻る可能性があるから
・人口減少の日本で、積極的に設備投資をする価値が無いと考えている
色々な理由を考えましたが、結局経営者は「日本市場への投資は割に合わない」と感じているんだと思います。
日本市場は、今後人口が大きく減少していくことが確定的です。
2004年をピークに人口減少は続いており、減少スピードは今後加速していく見込みです。
これはつまり、マーケットが縮小していくことに他なりません。
日本の経営者は、日本市場が長期的に伸びないと確信しています。
そのため現在円安で輸入コストが上がっていたとしても、積極投資をして国内生産に回帰する事をしないのです。(長期的にみて、費用対効果が見合わない)
一度海外へ移った製品は日本には回帰しない
結局、一度海外へ移った製品は日本には戻ってきません。
もちろんTSMCのように、政府が「兆単位」の補助金を出せば別ですが。
そのため海外生産に移転したモノは、円安が続く限り割高な状況が続きます。
そしてそのツケを払わされるのは、日本に住む消費者です。
今の日本のインフレは、景況感が過熱している訳ではなく、円安で輸入コストが上昇していることによるところが大きいです。
実際、足元の製造業の景況感はあまり良くないです。
2024年2月の日本の製造業PMI指数🚩
— コロスケ@現役資材部員 (@Corosukeblog) March 1, 2024
結果は9か月連続で景況感が縮小。生産高と新規受注数が大きく減少しております。
海外売上の減少要因には中国本土が特に多く挙げられたが、米国および欧州からの売上も鈍化しているとの報告もあり。
市況の回復はまだ先になりそうです。 pic.twitter.com/4awEWUI4ex
景気は良くないのに、モノの値段だけが上がる状況に陥っています。
その結果、実質賃金も減少しております。
昔のように成長や変化することもなく、ゆっくりと確実に衰退していく感じが製造業で働く身としては少し寂しいです。
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