巻線(マグネットワイヤー)の製造工程を優しく解説【初心者向け】

巻線マグネットワイヤー資材業務について
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この記事は以下の方向けに書いています。

・巻線ってどうやって出来るの?

・巻線の製造工程を勉強したい

 

こんにちは、コロスケです。

今日は巻線(マグネットワイヤー)の製造工程についてまとめていきます。

 

巻線って銅やアルミで出来た細い線ってことは分かっているけど、実際どうやって巻線が作られているのかを知っていますか?

 

何となく知っているつもりだけど、実は製造現場を見たことが無いから詳しくは説明出来ないよ・・・

 

という方も中にはいらっしゃると思います。

でも実際のモノ作りの現場を知っておくと、巻線の品質・価格・納期(QCDと言います)について詳しくなることが出来ます。

 

今回は資材歴10年の現役資材部員の僕が、巻線の製造工程について詳しく解説していきます。

巻線の調達担当になった方や新人のモーター設計者の方向けに有益な情報を提供致します。

 

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巻線(マグネットワイヤー)の製造工程を優しく解説【銅線・アルミ線】

製造工程工場

 

実は、巻線(マグネットワイヤー)の製造工程は、住友電工ウインテックのホームページに載っています。

 

住友電工ウインテック株式会社|事業

 

ただ、実際に現場を見たことが無い人がこの図を見ても正直良く分からないと思います。

今回は、上記住友電工ウインテックの内容を捕捉する形で、製造工程について解説していきたいと思います。

 

巻線(マグネットワイヤー)の材料

 

そもそも巻線って何で出来ているの?

 

巻線の材料をざっくり言うと以下の2点です。

 

・導体(線)の材料である銅やアルミ

・絶縁体材料(紙やワニス)

 

巻線の材料は基本この二つだけです。

細かいことを言うと、滑りやすくするパラフィンなどの材料も添加されますが、とりあえずは導体と絶縁材料でOKです。

 

またこれ以降は、ワニスによる絶縁(エナメル線)について詳しく解説していきます。

 

銅とアルミは何となく分かるけど、ワニスってどういう物なの?

 

ワニスについては製造メーカーである東特塗料のHPに詳しく記載があります。

 

電気絶縁塗料のことで、エナメル線を作成する際、銅線又はアルミ線を焼付塗装する場合に使用されます。
古くは絶縁油に天然樹脂又は類似物に溶剤を混ぜて作られていました。現代のワニスが製造されはじめたのは19世紀になってからであります。
エナメル線の被膜(塗膜)は、電気絶縁性はもちろんのこと、耐水性・耐薬品性等に優れています。

東特塗料HP  http://www.totoku-toryo.co.jp/faq#qa02

  

「導体の表面を絶縁することが出来る塗料」と覚えておけばOKです。

また東特塗料が、実際の製造工程を分かりやすく動画にしてくれていたので載せておきますね。

 

会社紹介 │ ワニスができるまで

 

ワイヤロッド(母線、荒引線)入手

巻線の工程はワイヤロッド(母線や荒引線とも言います)を入手することから始まります。

最初はワイヤロッドと呼ばれる太目の線(住友電工の場合は8mmの母線)を手に入れます。

 

ワイヤロッドは自社で作る場合もあれば、他から買ってくることもあります。

 

ワイヤロッドはどうやって作るの?

 

銅のワイヤロッドの場合、電気銅という銅の板を溶解炉で溶かし、ドロドロの銅の液体を丸い穴を通していきます。

銅が溶けているので、工場内はとても暑いです。

電気銅を溶かしてワイヤロッドにする工程は以下の動画に載っています。

(結構長いですが、15:30くらいからワイヤロッド(荒引線)が出てきます)

 

銅は文化なり~電線からIoTそして将来~(フル)

 

伸線工程

ワイヤロッドを指定のサイズまで引き伸ばすことを伸線と呼びます。

最終的な線の細さにもよりますが、一度で最終線径まで一気に引き伸ばすのでは無く、例えば8mm⇒1mm⇒0.5mmと段階的に最終線径へと伸ばしていきます。

固い銅・アルミ線を引き延ばすために、ダイスと呼ばれる固い穴に線を通し、徐々に引き伸ばしていきます。

ざっくりとしたイメージとしては、以下の通りです。

 

巻線伸線ダイス

 

導体の銅やアルミは固いので、一気に細くすることが出来ないため、ダイスを複数個設置し、徐々に指定の線径へと細く線を伸ばしていきます。

尚、線は伸線後、加工硬化と言って線自体が固くなるので、「焼鈍」=熱をかけ、線を軟らかくします。(焼鈍は焼きなましやアニールとも呼ばれます)

 

焼き付け工程

エナメル線では、先ほどのワニスを絶縁材料として用います。(横巻線の場合は紙などを巻いていきます)

焼き付け工程では、ワニスを巻線に焼き付けることで巻線の表面を絶縁します。

ワニスの焼き付けは、指定の皮膜厚になるまで複数回繰り返されます。

イメージとしては、巻線がワニス槽、オーブンの中を通っていく感じです。

 

住友電工ウインテックのHPに縦炉と横炉があったけど、何が違うの?

 

縦炉と横炉は、焼き付け設備の名称です。二つの特徴は以下の通りです。

 

縦炉:太線の焼き付けが可能。大手メーカーが保有している設備

横炉:細線の焼き付けが可能。全ての巻線製造メーカーが保有している設備

 

縦炉は、焼き付け設備(オーブン)が縦方向に伸びている設備です。

高さが10m以上ある高さがあるため、導入には大規模な投資が必要であることから資金力がある大手メーカーで導入されている設備です。

 

一方、横炉は焼き付け設備(オーブン)が横方向に伸びている設備です。

横炉は中小メーカーも含めて導入されている設備ですが、太い線の焼き付けは苦手なので細線の

焼き付けが中心です。

 

何で横炉では太い線を焼き付け出来ないの?

 

太い線自横炉のオーブンに入れると、自重の影響でワニスが均等に焼き付け出来ないためと言われております。

 

巻取り・出荷

最終的に焼き付けされた巻線は、巻取りされます。

巻線は巻取り機で自動でボビンに巻取ります。

 

ボビン

糸まきボビンと同じイメージですね。

ボビンにはボビンの大きさに応じて巻取り量が変わってきます。メーカーによりますが、10kg巻きの小さいボビンから、270kgの大きいボビンなど色々な種類があります。

 

まとめ

マグネットワイヤの製造工程のおさらいです。

 

・ワイヤロッド(母線、荒引線)入手or製造

・伸線工程(ワイヤロッドを指定の線径まで引き伸ばす)

・焼き付け工程(巻線にワニスを焼き付け絶縁皮膜を形成する)

・巻取り・出荷

 

巻線の製造工程は伸線して焼き付けるだけなので結構シンプルです。

ただ製造現場をみると色々なノウハウが詰まっているので、チャンスがあれば是非現場を見学に行ってみるのもおすすめです。

僕は出来る限り取引先の工場を訪問するようにしています。

 

 

のブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

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