こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、日清製粉グループの株価が下落している理由を解説しています。
日清製粉の株価が下落傾向にあります。
最近になって、年初来安値を更新しております。
株価が下がってきたので、投資を検討している方も多いと思います。
そこで今回は、日清製粉Gの株価が下がっている要因を詳しく分析していきます。
同社への投資を考えている方に役立つ情報をお届けします。
【小麦値上がり】日清製粉Gの株価が下落している理由を解説
日清製粉グループの株価が下がっている原因をまとめました。
・小麦価格高騰の影響で、国内市場の小麦需要減退
・原料高騰による食品事業の利益減少
・豪州事業の不調
2022年になって小麦の値段が高騰しています。
しかし、小麦の高騰だけが株価下落の要因ではありません。
詳しく解説します。
日清製粉Gの会社概要をざっくり解説
日清製粉の会社概要をまとめました。
・小麦の製粉、各種加工食品、惣菜等を製造する企業
・2021年度の売上は6,797億円、営業利益は294億円
・小麦関連事業、イースト事業での国内シェアNo1
日清製粉は、小麦の製粉事業など様々な事業を行っています。
中核の製粉事業が40%の比率となっております。
残りが製粉に関連した食品事業・惣菜事業等です。
製粉、パスタなど様々な商品で、国内シェアNo1となっています。
上記商品は、スーパーで必ず見かける商品ばかりです。
またその他事業では、食品工場の建設事業や、スクリーン印刷用資材に使われるクロスメッシュ事業を行っています。
実はその他事業、売上は低いですが利益率が高いです。
売上に占める比率は少ないですが、日清製粉にきっちり貢献しています。
このように日清製粉は、小麦に関連して様々な事業を行っている会社です。
小麦のサプライチェーン(政府が買い付けている)
日清製粉は、小麦製粉や各種小麦食品を製造しております。
その原料である「小麦」はどうやって仕入れているのでしょうか?
・小麦は日本政府が一括して仕入れ、その小麦を日清製粉が決められた価格で購入している
日本で生産される小麦の約9割は、そして海外から輸入しています。
小麦は、日本の主食であり貴重なエネルギー源です。
そのため輸入小麦については、日本政府が一括して購入しております。
日本政府が購入したあと、各製粉会社へ売り渡されます。
そして日本政府が販売する小麦は、市況価格に応じて半年おきに価格が改定されます。
製粉会社が仕入れる小麦は、この政府の価格改定の影響をモロに受けます。
上記の通り2022年4月から、政府から購入する小麦価格が17.3%も上昇しております。
そのため最初は、この影響で日清製粉の損益が悪化しているのかと思っていました。
しかし、日清製粉は価格改定の分を全額売価に反映しております。
実際、決算資料でも、小麦価格の値上げ影響360億円を値上げで相殺する予定と説明しています。
つまり日本製粉は、良くも悪くも政府の価格をそのまま顧客に転嫁しているだけなんです。
では日清製粉の株価が下がっているのは、何故なのでしょうか?
小麦価格高騰の影響で、国内市場の小麦需要減退
食品は、消費者が値上げに非常に敏感です。
食品が値上がりすると、消費者は購入を控えるなどの対応を取る事が多いです。(特に日本)
2022年の小麦の値上げ幅は、非常に大きいです。
そのため、パスタなど各種小麦製品の値段が大幅に上昇しております。
こうした影響から、2022年度では買い控えによる売上ダウンの影響が見込まれています。
日清製粉は、買い控えによって14億円の利益ダウンになると予想しています。
僕もイチ消費者ですが、パスタの値段がかなり上がっていて、買うのを躊躇しました。
このように「高いからパスタは止めておこう」というマインドが出てきており、日清製粉の経営にマイナス影響を与えています。
原料高騰による食品事業の利益減少
製粉事業は、値上げをそのまま顧客に転嫁していました。
しかし、食品事業については原価高騰を全て値上げできておりません。
2022年度1Q決算では、食品全般のコストが上昇したことで、前年同期比で利益が大幅にダウンしています。
上記の通り、前年同期比で12億円利益がダウンしております。
原材料の高騰は収まる気配はありません。
2Q以降も厳しい見通しになることから、日清製粉の株価は下落傾向にあるのです。
豪州事業の不調
日清製粉は、日本だけでなく世界各国で事業を展開しています。
そしてオーストラリア地域でも、製粉事業を展開しています。
日清製粉は豪州地域の売上を伸ばすために、地元企業の買収を進めています。
・2013年に、ニュージーランドのチャンピオン製粉 Ltdを買収
・2019年に、豪州のアライド・ピナクル Pty Ltd.を買収
注力地域の豪州地域ですが、経営状況が芳しくありません。
2021年度には、ニュージーランドで減損を出すなど、苦しい経営状況が続いています。
ニュージーランド製粉事業が一部得意先向け出荷喪失、及びオセアニア地域のコロナ対策等の影響を受け低調な出荷が続いたこと等により業績が悪化したことを踏まえ減損損失を計上
【出典】日清製粉_2021年度通期決算説明資料_豪州事業
直近の豪州事業の経営状況が、株価を押し下げる要因となっているのです。
まとめ:日清製粉Gの株価が下落している理由
日清製粉の株価が下がっている要因をまとめました。
・小麦価格高騰の影響で、国内市場の小麦需要減退
・原料高騰による食品事業の利益減少
・豪州事業の不調
日清製粉は、2022年度はインフレ・円安と戦う年となっています。
今後も売上・利益を維持しつつ、成長戦略を加速させられるかがポイントとなっています。
この記事が日本製粉の分析の参考になれば幸いです。
なお本記事は著者の意見をまとめたもので、投資を推奨するものではございません。
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