こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。
今日は、大手製造業のメーカがなぜ品質不正を行うのか解説します。
日本の大手製造メーカによる品質不正が後を絶ちません。
最近では、ダイハツや豊田自動織機が認証に関わる試験で品質不正をしていたことが発覚しております。
特定の分野に限らず、様々な企業が不正に手を染めていることが分かります。
様々な企業が不正を行っていることを考えると、特定の企業の悪しき文化が不正を引き起こしたと説明するのは難しいです。
むしろ「日本の企業文化」に根差した根本的な問題があると考えるのが自然です。
僕は製造業で働く人間として、どうして不正が起きるのだろうか?と色々考えてきました。
そんな中、最近読んだ本でズバリの回答が得られました。
今回は、山口周さんの「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」という本を参考に、どうして日本の大企業で品質不正が多発するのか?を解説していきます。
日本の製造業の会社はなぜ品質不正を行うのか?【根本原因を解説】
日本の製造業は、なぜ品質不正を行うのでしょうか?
結論は、以下のとおりです。
①日本の経営者は「論理・理論」に偏った経営をしている
②論理的・理論的に正しい判断は、他社も追随する茨の道(レッドオーシャン)
③レッドオーシャンで差別化する道は、スピードとコストの2つのみ
④経営者・管理者が限界を超えてスピード・コストを追求すると、現場が不正に走る
「論理・理論」に偏った経営をすると事業はレッドオーシャンになる
山口周さんは、論理・理論的に正しいことは、誰でも同じ結論になると述べています。
例えば、日本は少子高齢化が進んでいます。
日本市場が長期的に縮小していく中で、多くの経営者が論理的に正しい解として「海外に事業展開」を進めました。
ですがこうした事業方針は、極論を言うと誰でも思いつく無難な方針です。
そのため多くの会社が海外事業に注力した結果、結局海外で過当競争が繰り広げられることになります。
差別化要素はスピードとコストの2つのみ
こうした過当競争の環境では、差別化要素は2つしかありません。
それは「スピードとコスト」の2つです。
・開発スケジュールを短縮化する
・売値を1円でも安くする
短期的には、こうした方針は機能します。
しかし他社も同じ活動をすると、いずれ限界がきます。
(スケジュールを半分にしたり、コストを半分にするのは現実的ではない)
しかし差別化要因が2つだけなので、経営者は「もっとスケジュールを短くしろ!もっとコストを下げろ!」と言い続けるしかありません。
そして限界を超えた指示が続くと、現場はつじつま合わせのために不正に走る事になるのです。
論理的な正しさだけではだめ
結局、経営陣が論理的に正しい事をすると、凡庸で競合が多い道を進むことになります。
本来経営陣は、他社にまねできない自社の強みを追求すべきなのです。
そこでは「自社はどんな道へ進むべきか?」という抽象的かつ複数の答えが存在する問いに応えなければなりません。
そこには、論理的に正しい1つの解は存在しません。
多くの経営者はこうした解の無い問題を避け、論理的に正しい(誰もが思いつく安直な)道を選んでしまうのです。
品質不正では、現場で働く人の問題点にフォーカスされがちです。
しかし、根本原因が「経営者の方針に問題がある」ので、現場の人の考え方を変えるだけでは同じ問題が再び起きます。
こうした根本原因が認識されれば、製造業の疲弊感・閉そく感は徐々に改善していくはずだと思います。
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