この記事では「良品計画の株価が下落しているのは何故か?」を解説しています。
良品計画は「無印良品」を世界で展開するグローバル企業です。
無印の製品はシンプルな商品が多く、普段から活用している人も多いのでは無いでしょうか?
そんな良品計画ですが、株価が下落傾向にあります。
一時4,000円あった株価が、1,000円台まで下落しています。
株価が下がっているので、リバウンド狙いで投資検討している方も多いと思います。
ですが、安易に投資すると含み損を抱えるリスクがあります。
投資をする際は、投資先の経営リスクをきちんと理解しておくべきです。
そこで本記事では、良品計画の株価が下落している理由を詳しく解説します。
投資を検討している方に、役立つ情報を提供します。
良品計画の株価が下落しているのはなぜ?【無印の苦戦を解説】
良品計画の株価が下落している要因を3つまとめました。
・長引くコロナのマイナス影響
・原材料費の高騰
・多額の設備投資が必要なビジネスモデル
良品計画は、シンプルなデザインを武器に世界展開を続けております。
ですが、直近は逆風が吹いており苦しい状況が続いています。
以降では、良品計画の株価下落要因を詳しく分析していきます。
良品計画の株高を支えていたのは急速な事業拡大
良品計画は、世界各国へ進出を行っています。
海外進出に伴い、売上を急速に伸ばしています。
このように美しい右肩上がりの売上です。
13年2月に1,800億円だった売上が、2020年には4,000億円を突破しています。
(20年8月は、決算年度の変更による一時的な要因)
実際、良品計画は既に売上の4割が「海外」となっています。
海外事業の中でも、中国向けの比率が高いのが特徴です。
無印良品のシンプルなデザインは、世界各国で受け入れられている事が分かります。
長引くコロナのマイナス影響
しかし2020年の新型コロナウイルスによって、良品計画も大きな影響を受けました。
外出自粛や感染防止による店舗閉鎖によって、売上・利益が大きくダウンしています。
このグラフの通り、20年8月期に大きな赤字を出しました。
この赤字の要因は、コロナウイルスにより店舗が一時閉鎖されたり、時短営業を余儀なくされたからです。
ネット通販の売上を伸ばしましたが、実店舗の売上ダウンを補うことは出来ませんでした。
もう一つ、20年8月期は大規模な減損処理を行っています。
これは、コロナ影響で投資資金の回収見込みが立たなくなった事に加え、決算月を変えたタイミングで膿を出し切る経営陣の戦略だと思われます。
そして2021年8月決算では、黒字に転換。V字回復しました。
しかし翌2022年8月決算予想では、売上は伸びているのに利益がダウンする予想となっています。
コロナ禍からのV字回復を見せましたが、再びコロナ禍の影響を受けております。
このように長引くコロナ影響が、良品計画の株価にマイナスの影響を与えています。
原材料費の上昇
良品計画の利益が落ちているもう一つの要因が「原材料費の高騰」です。
コロナ以降、需要の急回復に供給量が追いつかない状況が続いています。
その結果、様々な原材料が高騰しております。
物価上昇を示す「企業物価指数」は、数十年振りの上昇となっています。
企業物価指数 39年3か月ぶりの高さに 原材料費の価格転嫁拡大https://t.co/5cx0fRpwlO#Nらじ
— NHKラジオニュース (@nhk_radio_news) April 12, 2022
良品計画が扱う主力の材料である「綿:コットン」も大きく上昇しています。
またプラスチック製品の原料である「樹脂材料」も大きく値上がりしています。
石油化学製品の基礎原料となるナフサ(粗製ガソリン)の高騰が続いている。国産ナフサの2021年10~12月期価格は前の四半期に比べ1割強上昇し、7年ぶりの高値となった。
【出典】日本経済新聞_国産ナフサ7年ぶり高値 10~12月、合成樹脂も一段高
原材料の高騰により、売上は伸びているのに利益が伸びない状況を生んでいます。
このように原価の高騰が、良品計画の利益を押し下げる要因となっています。
多額の設備投資が必要なビジネスモデル
株価が下がっている最後の要因が「多額の設備投資」が必要なビジネスモデルです。
良品計画は、事業拡大のために莫大な投資を行っています。
・店舗の取得費用
・物流センターへの投資
・ソフトウェアの開発
この中でも実店舗への投資は、かなりの負担となっています。
フリーキャッシュフローも、度々マイナスになっています。
そして自前で用意できない分は、借金で賄っており、徐々に自己資本比率が下がっています。
良品計画は積極的な設備投資を行い、売上を拡大する戦略です。
事業が上手くいっている時は、売上・利益が右肩上がりです。
ですが、コロナのように逆風が吹くと、積極的な設備投資が重荷になります。
実店舗を運営するビジネスモデルは、環境の変化に弱いです。
こうした背景もあって、株価は近年下がっております。
尚、念のため申し上げると、良品計画の屋台骨は全く揺らいでいません。
元々自己資本比率が非常に高く、極めて健全な経営を行っていました。
コロナ禍で苦境に立っていますが、すぐに経営的な問題になる状況ではありません。
良品計画の株は買い?今後株価の下落が止まるのか解説
ここまで良品計画のリスクを分析しました。
次に良品計画の今後の見通しについて、解説していきます。
株価が上昇するために必要な事を2つ挙げました。
・SDGsを全面に押し出し、値上げを進められるか?
・EC(ネット通販)事業を拡大できるか?
値上げができるか?
現在世界中でインフレが加速しています。
今後も原料の高騰は続く事が予想されています。
利益を維持・拡大するためには、原価上昇を反映した値上げが必要となります。
一方で良品計画は、直近での大幅な値上げには否定的な考えです。
綿など原材料費が上昇しているが、堂前宣夫社長は「秋に向けて原価は厳しくなるが、ベーシックな商品は価格を上下させたくない」とし、ベーシックな商品以外のところで無印良品らしい品揃えや商品企画を行い、原価高をカバーしていく方針を示した。
【出典】ロイター_良品計画、9―11月期は15%営業減益 オミクロン影響は読めず
個人的には、値上げしないままではかなりキツイと思っています。
どこかのタイミングで適切な値上げをせざるを得ないと思います。
そこで重要なのがSDGsです。
元々良品計画は、SDGsと親和性の高いビジネスを展開してきました。
個人的にSDGsを全面に出せば、比較的値上げしやすいのでは…と思っています。
こうしたSDGsを押し出した戦略で、販売数量を維持しつつ値上げを出来れば、利益を再び上昇軌道に乗せられるはずです。
EC(ネット通販)事業を拡大できるか?
コロナ禍によって、人々のライフスタイルは大きく変わりました。
実店舗でモノを買うのでは無く、ネット通販で買うスタイルが急速に普及しています。
良品計画もEC事業を拡大しており、特に中国ではEC事業の貢献度が高まっています。
元々実店舗運営は、店舗や人員の確保など相当な設備投資が必要です。
その点、ECなら実店舗運営に比べて高い利益率が期待できます。
コロナ禍を逆手に、利益率の高いEC事業を伸ばせるかどうかがポイントだと考えています。
まとめ:良品計画の株価が下落しているのはなぜ?
良品計画の株価が下がっている理由まとめです。
・長引くコロナのマイナス影響
・原材料費の高騰
・多額の設備投資が必要なビジネスモデル
良品計画は、積極的な投資により事業を急速に拡大させてきました。
しかし、直近は逆風が吹いており、厳しい状況が続いております。
再び株価を伸ばせるか、注目してみていきたいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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コメント
参考になります!
YouTubeやってないんですか?
コメントありがとうございます!やっていないです笑!