この記事では、ハンコ文化をなくす必要性について解説しています。
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、在宅勤務が進んできております。
しかし、在宅勤務を阻む一番の要因が「紙・ハンコ文化」です。
「IT担当大臣」兼「ハンコ議連会長」という相反する不思議な立場にいる、竹本IT相も遅まきながら、ハンコを省くべきと言い始めました。
ハンコ文化が在宅勤務(テレワーク)の壁になっている問題で、これまで業界寄りの発言をしていた竹本直一IT相が態度を変えた。24日の閣議後会見で「ハンコのために会社に行くと公共交通機関の中で密の状態が発生する。できるだけ省いた方がいい」と述べ、押印のための「やむなく出社」はやめるべきだとの認識を示した。
https://www.asahi.com/articles/ASN4S6F6QN4SULZU00S.html
僕は、製造業の資材部門で10年以上働いてきました。
僕の会社は、まさに「紙・ハンコ文化」で成り立っています。
そんな紙・ハンコ文化で仕事をし続けている著者が「ハンコ文化のデメリット」を詳しく解説していきます。
・ハンコのせいで出社しないといけないよ・・・
・ハンコ文化って何とかならないの?
ハンコ文化で疲弊している人に有益な情報を提供します。
【ハンコ文化をなくす】社内承認・決裁は今すぐシステム化すべき理由
今、ハンコ文化をなくすべき理由は以下の通りです。
・コロナ問題は、ハンコ文化を無くす50年に一度のチャンス
・ハンコ文化を続ける会社は10年後凋落する
コロナ問題の今が最後のハンコ文化と決別するチャンスです。
これを逃すと、あなたの会社は永遠にハンコを押し続ける必要があるかもしれません。
詳しく解説します。
とある資材部員の一日(ハンコ押しマシーン)
僕の会社は古い会社なので、未だにハンコが主流です。
僕自身、中間管理職として、毎日ハンコを押しています。
・社内で購入する全ての物品の見積書にハンコを押す(決裁)
・一日に100~200件くらいのハンコを押す
ぶっちゃけ、ハンコ押しマシーンです。
自分自身、何でこんなにハンコを押しているんだろう・・・と思っています。
2020年現在、コロナ問題で自宅出勤をするように政府から要請が出ています。
しかし、僕の会社はハンコを押す必要があるので、決裁者は交代で出社する必要があります。
また担当者も自分の伺いを紙で回す必要があるので、結局は数日おきには出社する必要があります。
(急ぎの案件は、出社している他の人に頼んでいます)
ハンコを押しまくるから、すぐに朱肉が無くなるw
一応ハンコを押すのには理由がある
このように書くと、ハンコを押すのは罰ゲームみたいですよね。
でも一応ハンコを押すのにも、それなりの理由があります。
手続きの正当性を担保する(不正防止)
資材部門では、社外に発注するためには上長の決裁が必要です。
会社のお金なので、適正な手続きを踏んで発注する必要があります。
紙にハンコを押すことで、正しい手続きがされたことが一目で分かります。
記録を残す
当時、誰がいつ承認したのかがすぐにハンコだと分かります。
どんなに過去の事例でも、紙さえ残っていればエビデンスとして有効な記録を残すことが出来ます。
紙・ハンコ文化が引き起こすデメリット5選【オワコン文化】
でもハンコが必須なのは、昭和までです。
令和の時代に、紙・ハンコ文化は正直オワコンです。
ハンコ貰うのが大変(スタンプラリー)
今すぐに決裁・承認を貰いたいのに「上司が出張で不在」なんてことありませんか?
(代理承認があるにせよ)、上長不在だと社内の手続きが滞留します。
他にも社内関係者からハンコ(承認)を得るために、紙を回覧する作業ってホントに効率が悪いですよね。
急ぎの場合は、紙を持って社内を駆け回る必要があります。
一枚の紙に10個以上のハンコを押されている紙を見ると、無駄な作業だなぁと思います。
ハンコを押すために印刷が必要
ハンコを押すために、書類は「紙」でなければなりません。
資材部門の職場では、ハンコを押すために、PDFの見積書をわざわざ印刷しています。
(一部の書類はわざわざ取引先の原紙を郵送してもらう)
僕の会社の資材部門は、見積書、発注伺書など、多くの書類が印刷&ハンコが必須です。
ハンコのために印刷する書類は膨大になります。
紙代が物凄いことになっています。
保管が大変(書庫が必要)
印刷&ハンコが押された紙は、一定期間保管する必要があります。
でも毎日大量に量産される紙を保管するのは、手間がかかりますし、スペースが必要です。
決裁書類を保管するための書庫がある会社も多いのではないでしょうか?
更に膨大な紙は、期限管理が必要です。
一番面倒なのは、不要になった過去の紙の引っ越し、廃棄作業です。
僕の会社では、紙の引っ越し・廃棄作業を1年に1回行っていますが、物凄い工数がかかっています。
紙として保管するだけで、物凄い保管費用が掛かっています。
出社しなきゃいけない
先ほども説明しましたが、ハンコを押すためには必ず出社が必要になります。
今後テレワークが進んでいく中で「ハンコ」という存在は、物凄い邪魔な存在になります。
ハンコを押すために会社に行くのなんて嫌ですよね。
書類を探すのが大変
最後に、紙の書類は探すのが大変です。
データ化していれば、検索が容易ですが、紙の場合、書庫に行って紙を一枚ずつめくる必要があります。
ISO対応で、膨大な書類を探し出す作業は、ムダ以外の何物でもありません。
社内承認・決裁はすぐにシステム化・電子署名にすべき
ここまでの説明で明らかですが、社内の承認・決裁は、今すぐシステム化・電子署名にすべきです。
2005年に保存書類を電子化出来る法律が施行されており、法整備は整ってきております。
e-文書法、電子帳簿保存法とは、従来法令により書面(紙)での保存が義務付けられていた国税関係書類などの法定保存文書を、電子データで保存することを容認する法律です。
http://www.pfu.fujitsu.com/si/di/edoc/article01.html
現在政府も紙書類をなくすように要請しております。
安倍晋三首相が22日、民間の企業活動について「紙や押印を前提とした慣行を改めるように」と指示したことがある。
https://www.asahi.com/articles/ASN4S6F6QN4SULZU00S.html
政府も推奨している、加えて業務上のメリットも大であることを考えると、電子化をやらない理由は無いですよね。
ハンコおじさんの反論
でも何故実際には、なかなかハンコ文化が進まないのでしょうか?
ハンコおじさんに聞いてみたいと思います。
ハンコは偽造されない
やっぱりハンコの方が確実だよね
電子データだと、別の人が改ざんするリスクがあります。
しかし、電子決裁のセキュリティも現在はきちんと守られるようになっています。
電子署名によって今までの紙文書で行っていた押印、サインなどと同様の効力を電子文書上でも発揮できます。
https://www.wanbishi.co.jp/blog/what-is-digital-signature.html
そもそもハンコは、バックデートされたり、紛失のリスクもあります。
必ずしも現物の印鑑の方が安全という訳ではありません。
システム化するお金が無い
ハンコが無駄なのは分かるけど、システムを導入するお金が無いよ
恐らく多くの会社は、予算が無いから導入をためらっているんだと思います。
でも以下2つの会社が同じ製品を作っていたら、どちらの方が利益が出るでしょうか?
【A社】社内外の書類は紙が中心。手続きもハンコ決裁のみ。
【B社】書類・決裁は全て電子化済。
どう考えてもB社の方が、生産性が高く利益が出そうですよね。
目先のお金を渋っても、結局はトータルで損をします。
僕は社内決裁の電子化は、会社運営に当たっての必要経費だと思っています。
まとめ:ハンコ文化をなくすチャンスは今しかない!
本記事のまとめです。
・コロナ問題は、ハンコ文化を無くす50年に一度のチャンス
・ハンコ文化を続ける会社は10年後凋落する
昭和を代表する文化であるハンコは、寿命を迎えています。
令和になってもハンコ文化が続いていましたが、コロナウイルスがハンコ文化にとどめをさしそうです。
ハンコという非効率文化から脱却して、生産性が高い業務形態に移行してほしいですよね。
僕も自分の会社で、ハンコ文化が消滅するように頑張っていきたいと思います。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。
コメント