こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、トヨタ自動車の株価が今後暴落する理由を3つ解説していきます。
最近、トヨタ自動車の株価が好調です。
株価が堅調なこともあり、個人投資家もトヨタ株を買っている人が増えています。
(SBI証券のNISA枠買付ランキングで第2位)
でも2022年になって、トヨタ自動車の経営状況に変化が見られます。
直近の決算では前年を下回る結果となっており、今後の見通しに不透明感が増しています。
そこで本記事では、トヨタ自動車の株価が今後下がる理由を3つ解説していきます。
トヨタへ投資を考えている方に役立つ情報をお届けします。
トヨタ自動車の株価は今後暴落する理由3選|なぜ株価は上がるの?
トヨタの株価が今後下がる理由は、以下の3つです。
・主力の日本・アメリカ市場で新車販売が不調
・素材、原料高が利益を圧迫
・部材入手難で計画通り生産できない
トヨタは、2021年度は過去最高の営業利益を達成しました。
しかし、2022年度は苦しい状況となっています。
詳しく解説します。
主力の日本・アメリカ市場で新車販売が不調
実は2022年度になって、トヨタの販売台数が不調です。
・日本市場:500千台→403千台
・北米市場:661千台→635千台
※2022年4月~6月のトヨタ新車販売台数
トヨタの主力である日本と北米市場で販売台数が大きく減少しています。
日本市場では、新型コロナウイルスの感染拡大による自粛影響が大きく、3年連続で前年割れとなっています。
自動車販売の業界団体が5日発表した2021年の国内新車販売台数(軽自動車含む)は、20年比で3%減の444万8340台だった。前年割れは3年連続。半導体不足による減産が1年を通して続き、新型コロナウイルス禍で販売が落ちこんだ20年を下回った。
【出典】日本経済新聞_国内新車販売、21年3%減 3年連続前年割れ
またアメリカ市場も同様に、新車販売台数が伸び悩んでいます。
日本の自動車大手6社が1日発表した2022年上半期(1~6月)の米新車販売台数は計239万1026台と、前年同期より26・9%減った。全社が前年を下回り、三菱自動車を除く5社は2桁の減少率となった。
【出典】毎日新聞_アメリカ新車販売台数、日本6社は26%減 供給網混乱が響く
このようにトヨタは、2022年度になって苦戦を強いられています。
特に欧米では、急速な利上げが逆風になっています。
通常0.25%刻みで行われる利上げが、0.75%も上がるなど、急速に金利が上昇しています。
金利が上がると、景気は冷え込む傾向にあります。
実際、欧米では金利引き上げによって、景気後退(リセッション)に入ったのでは?という報道もあります。
こうした流れから、今後も新車販売台数は伸び悩む事が予想されます。
素材、原料高が利益を圧迫
現在世界的にインフレが進んでいます。
アメリカでは、消費者物価指数が9%も上昇するなど、40年振りのインフレとなっています。
また日本でもインフレが徐々に進んでいます。
日本の企業物価指数も2022年6月は「9.2%上昇」と過去最高のインフレとなっています。
僕自身、製造業の調達部門でモノを買っていますが、インフレの凄まじさを実感します。
素材、電子部品など、全てのモノが値上がりしており、その値上げ幅もかつて無いほど高い状況です。
トヨタ自動車も例外ではありません。
2022年4月~6月では、部材の値上げにより利益が「3,150億円」も吹っ飛んでいます。
たった3ヶ月で3,150億円も値上がりするのは、ヤバイですよね。
単純計算で年間1兆円以上の利益が吹っ飛ぶ計算です。
これまでトヨタは圧倒的な発注量を武器に、取引先から安価な価格を引き出してきました。
しかし、このインフレによってかなり苦しい経営状況となっています。
インフレが収まる見込みは立っておらず、22年度の利益が下がる事が予想されております。
もちろん利益が下がれば、株価も下がっていく事が予想されます。
部材入手難で計画通り生産できない
また2021年度以降、世界的な部材入手難が続いています。
コロナ後の急速な景気再開によって、部材の供給が追いつかず生産したくてもできない状況となっています。
2022年もその傾向は続いています。
トヨタは2022年4月に起きた中国上海のロックダウンの影響をモロに受けています。
中国上海のロックダウンでは、ほぼ全ての経済活動が止まりました。
そのため、上海での生産活動が全て停止。部材が入らなくなったトヨタは減産せざるをえない状況に陥りました。
トヨタ自動車は27日、中国・上海でのロックダウン(都市封鎖)の影響で部品供給が滞っているため、6月6~10日に国内10工場16ラインの稼働を停止すると発表した。今回の停止による影響台数は約5万台で、6月の世界生産台数は年初の計画から約15万台少ない約80万台になる見通し。
【出典】読売新聞_上海「ロックダウン」影響、トヨタが国内16ラインの稼働停止…減産拡大15万台
この結果、トヨタはいまだに新車の納品リードタイムが長い状況が続いています。
このように品種によっては、納品まで6ヶ月以上もかかる状況です。
あまりにも納期が長いので、新車を諦めて中古車を探す人も出ています。
こうした販売ロスによって販売台数が伸び悩んでおり、年間の販売目標を達成できるか不透明になっています。
トヨタ自動車の株価が足元上がっている理由【円安・個人投資家頼み】
一方で、足元の株価は好調です。
なぜ、株価は堅調なのでしょうか?
・円安の追い風で何とか利益減を相殺
・株式分割で個人投資家が買っている
円安の追い風で何とか利益減を相殺
2022年になって急速に円安が進んでいます。
このように1ドル110円前後だったのが、130円にまで円安が進んでいます。
トヨタは輸出企業なので、円安は業績に追い風です。
実際、2022年4月~6月は、円安のお陰で利益が1,950億円も上積みされています。
トヨタは2023年度1Q決算で、為替の前提を115円/ドルから「130円/ドル」へと見直しました。
為替の前提を見直す事で、2022年度の通期の決算を維持しております。
ただ130ドルへ為替を見直すということは、これ以上為替による利益増を期待するのは難しいです。
もし、為替が130円より円高に振れる事があれば、下方修正せざるをえない状況です。
株式分割で個人投資家が買っている
2022年になって、トヨタは株式分割を行いました。
具体的には、1株を5株に分割しました。
その結果、単元が20万円前後となったので、個人投資家が買いやすい水準となりました。
これを株式市場は好感し、株価は上昇しています。
実際、SBI証券の買付ランキングでは、堂々の2位にランクインしています。
このように、トヨタの株価を個人投資家が買い支える展開となっています。
ですが、株式分割をしても本質的な企業価値は変わりません。
単元が安くなったから、人気が出るというのは本来おかしいことです。
業績が悪化しつつある銘柄を、個人が買い支え続けるのは難しいように思います。
まとめ:トヨタ自動車の株価は今後暴落する理由
本記事のまとめです。
・新車販売が低迷&素材高騰で、決算の下方修正のリスクが高まっている
・直近は円安効果&個人投資家の買い支えで、株価は堅調
→今後景気後退や下方修正によって、株価が大きく下がる可能性大
トヨタ自動車は、直近の株価は好調です。
しかし今の株価を維持するためには、22年度の営業利益2.4兆円をクリアする必要があります。
個人的にはマクロ環境が悪化しており、この目標の達成は厳しくなってきていると感じています。
尚この記事は、著者個人の意見をまとめたものであり、この内容での投資を推奨するものではありません。
本記事が参考になれば幸いです。
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コメント
権利確定日前にトヨタ、日産株を買ったところ暴落です。その理由はこのブログでおっシャル通りなのですが、なぜこの9月下旬に暴落するのか訳わかりません。材料不足や、納品の遅れなどの理由はとっくに織り込み済みと思っていたのですがなぜ今おちるんだ!