この記事では、武田薬品工業の株価が下落している理由と今後もやばい理由を解説しています。
ここ数年、武田薬品の株価は下落傾向にあります。
2018年に7,000円近くだった株価が、3,000円へと半値以下へと下落しています。
ジェットコースターですね。
だいぶ株価が下がっているね。どうしてこんな事になったの?
武田薬品と言えば、製薬会社として日本でトップ企業です。
それなのに株価が半分以下になるのは、やばいですよね。
武田の株を買うべきか考えている方は、心配だと思います。
そこで本記事では、「なぜ武田薬品工業の株価が下落したのか?なぜ業績がやばいのか?」について解説していきます。
武田への投資を考えている方に、役立つ情報を提供します。
武田薬品の株価が下落している理由は?【業績がやばい原因を解説】
武田薬品工業の株価が下落している理由は、以下の3つです。
・借金が5兆円近くもあるから
・買収したのに1株利益が伸びていないから
・タコ足配当で減配リスクが高いから
武田は製薬会社なので、景気に左右されず安定しているイメージがあるかもしれません。
ですが、実際は大きな勝負に出ているギャンブル銘柄です。
経営上のリスクも高いので、株価は大きく下落しています。
以降では、具体的な下落の理由を3つ解説していきます。
【下落理由1】借金が5兆円近くもあるから
武田薬品は、2018年度にアイルランドの製薬会社シャイアーを買収しました。
武田薬品工業は8日、アイルランド製薬大手シャイアーを総額約460億ポンド(約6兆8千億円)で完全子会社化すると発表した。
【出典】日本経済新聞 武田、シャイアー買収で合意 日本企業で過去最大額
買収額は6兆円という巨額な金額となりました。
買収の発表後、株価は大きく下落しました。
シャイアーの買収により、武田は莫大な借金を抱える事になりました。
2020年3月時点で、有利子負債は「5兆円」にも膨れ上がりました。
そして、武田による買収は「割高」との声が出ています。
買収の基本合意が発表された際、買収プレミアム(上乗せ幅)が買収報道前のシャイアー株価対比で64.4%にもなるということで、その高さに懸念が集まっていた。買収プレミアムは20~40%が一般的とも言われており、今回の買収プレミアムは突出している。交渉の過程でシャイアーから値を釣り上げられたためで、高値づかみを懸念する声が少なくない。
【出典】livedoor news まるで東芝。武田薬品、6兆8千億「高値づかみ」買収劇に不安の声
武田は余計なお金を払っており、「投資の費用対効果が見合っていない」と投資家から判断されています。
その結果、株価は大きく下落し、今でも低迷したままとなっています。
【下落理由2】買収したのに1株利益が伸びていないから
武田薬品は、自分と同じくらい大きいシャイアーを買収しました。
ですが、買収した後もあまり1株利益が伸びていません。
上記の通り全然、買収効果が見えないですよね。
利益が伸びないと、株価は上がりません。
今の武田薬品は、買収したけど利益はそのままの状態です。
借金を増やしただけにも見えます。
買収後も利益が伸びない理由は、主に2つあります。
・研究開発費がかさんで、利益を減らしている
・事業売却益は単発
武田は引き続き研究開発に多くの資金を投入しています。
その結果、なかなか利益が伸びていません。
営業利益についても、Core営業利益の減益と概ね同じ理由であり、研究開発費を増額させることから、当年度から213億円減益(△4.2%)の4,880億円を見込んでいます。
【出典】2021年3月決算短信
また武田は積み上がった有利子負債を圧縮するために、コア事業と関係が薄い事業を売却しています。
武田薬品工業は24日、ビタミン剤「アリナミン」など一般用医薬品(大衆薬)事業を米投資ファンド大手ブラックストーン・グループに売却すると正式発表した。金額は2420億円で、売却予定日は2021年3月31日。
【出典】日本経済新聞 武田、大衆薬売却を正式発表 米ファンドに2420億円
2020年度は利益がそこそこありますが、実はこの大衆薬事業の売却要因が大きいです。
翌年2021年の利益が少ないのは、その反動です。
買収後も研究開発費がかさみ、利益が増えていない構造が続いています。
【下落理由3】タコ足配当で減配リスクが高いから
武田薬品は、近年1株当り180円の配当金を継続しています。
ですが、その配当金は「タコ足配当」となっています。
・利益から配当を出せず、自分の資産から配当を払う事をタコ足配当と言う
配当は、利益の範囲内で支払うのが一般的です。
しかし武田薬品は、利益以上の配当を度々支払っています。
その結果、毎年のように配当性向が100%を超えています。
通常、配当性向は100%未満が望ましいです。
100%を超える=タコ足配当である事が懸念されます。
また武田は配当金として、毎年2,800億円を支払っています。
営業キャッシュフローの観点でも2,800億円も稼げない事が多かったので、明らかにタコ足配当でした。
但しシャイアーを買収してからは、営業キャッシュフローが増えています。
配当性向100%付近ですが、昔よりはタコ足感は減りました。
このまま配当を継続できるのか判断が難しいよね
【武田薬品】株価は今後も下落する?このままではやばい理由
今の株価が低い理由は分かったけど、今後はどうなるのかな?
今後の武田薬品の見通しは、以下のとおりです。
・武田薬品は上がるか下がるか分からないギャンブル銘柄
・安定的に利益を確保できるかが鍵
・ギャンブル銘柄なので買う時は分散を徹底!
以降では、武田薬品の見通しを分かりやすく解説します。
上がるか下がるか分からないギャンブル銘柄
武田薬品は、創薬のために毎年5,000億円もの大金を投じています。
そのため、なかなか利益が出にくい体質になっています。
製薬会社は、ジェネリック医薬品の登場/薬価改定の影響で利益が出にくくなっています。
そのため、武田は創薬で新たな稼ぎ頭を作ろうと必死です。
ですが研究開発が成功するか、ギャンブル要素が大きいです。
うまくいけば利益が増えますが、うまくいかないとタコ足配当でジリ貧です。
高配当に釣られて、安易に投資すると大やけどする可能性が高いです。
安定的に利益を確保できるかが鍵
武田薬品は、経営が安定していません。
上のグラフの通り、EPSに波があります。
株価を安定的に伸ばすためには、利益を安定して稼ぐ必要があります。
現状は、買収・売却・減損などイベントが多すぎで、利益が安定しません。
僕もイチ投資家ですが、今の状態だとちょっと怖くて手が出しづらいです。
今後安定して利益を出せると考えるなら今が買い!
一方で、今後利益を伸ばせるはず!と考えるなら「今が買い」だと思います。
営業利益率も買収後に回復傾向にあり、営業キャッシュフローも増えてきています。
180円の配当は、配当率5%近いです。
5%の配当は今のご時世、超レアです。
リスクがあるから配当も高いのですが、実は超お買い得な買い場だったと言えるかもしれません。
一方、今の180円の配当は、タコ足感満載です。
経営が少しでも悪化すれば、必ず減配する瀬戸際です。
高配当目当てで、武田薬品を買う時は、「買値に注意すること」「分散を徹底すること」が大切です。
また投資する時は、少しずつ投資するのがおすすめです。
まとめ:武田薬品工業の株価が下落している理由は?
本記事の纏めとして、武田株が低迷している理由を再度掲載します。
・借金が5兆円近くもあるから
・買収したのに1株利益が伸びていないから
・タコ足配当で減配リスクが高いから
武田薬品は、日本を代表する製薬会社です。
ですが、経営が安定せず株価は低迷したままです。
株価が半値は、さすがにヤバイですよね。
武田はギャンブル柄ですが、逆に言うと夢がある銘柄です。
創薬に期待できる人のみ、買いましょう。
また買う時は分散を徹底して、リスクをできるだけ減らすようにしましょう!
尚本記事は、投資を推奨するものではありません。
投資は自己責任にてよろしくお願い致します。
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