この記事では、東京海上の株価はなぜ下がるのか?下落する理由を解説しています。
東京海上HDへ投資する時のリスクが知りたいな。
こんな疑問に答えます。
東京海上HDは、日本最大の損保企業です。
配当利回りも高いので、投資を検討している方も多いのでは無いでしょうか?
でも東京海上HDの事業には、大きなリスクがあることをご存知ですか?
東京海上のビジネスリスクを知らないと、大きな損をする可能性があります。
そこで本記事では、東京海上HDの株価が下がる理由を詳しく解説していきます。
東京海上への投資を考えている方へ、役立つ情報を提供します。
東京海上HDの株価はなぜ下がる?【利益が下落する理由を解説】
東京海上HDの株価が下がる主な要因を3つ紹介します。
・自然災害発生による保険金支払いリスク(台風、地震、洪水など)
・株価の下落による資産運用額減少リスク
・買収先の減損リスク
東京海上へ投資する方は、上記4つのリスクを理解した上で投資しましょう。
以降では、リスクの具体的な内容について解説していきます。
東京海上HDの事業構造をざっくり解説
東京海上HDは、日本の損害保険会社のトップ企業です。
全世界での売上は、2020年度実績で5.4兆円にものぼる巨大企業です。
東京海上HDは、地震・火災保険などを提供する損害保険会社です。
顧客から集めたお金を運用する事業も行っています。
比率としては、約9割が保険、残りの1割が資産運用となっています。
自然災害発生による保険金支払いリスク(台風、地震、洪水など)
東京海上HDの一番の経営リスクは、「自然災害」です。
大規模な自然災害が起こると、保険金の支払いが急増します。
基本的に、保険会社の利益は「保険料収入ー保険金支払額」で決まります。
そのため、大規模災害が起こる事が一番のリスクとなります。
一度自然災害が起こると、数百億円~数千億円もの支払いが発生します。
特に、日本は災害大国です。
大規模な災害が起こると、東京海上の保険支払額が増大し、利益が目減りする構造となっています。
株価の下落による資産運用額減少リスク
東京海上は、顧客から集めた資金で資産運用を行っております。
そのため、株式や債券価格が下落すると、東京海上の利益も減る構図となっています。
上記の通り、有価証券の損失・評価損が「費用」として計上されます。
もし株式市場が暴落すると、東京海上の保有資産が下落し、利益が目減りします。
買収先の減損リスク
東京海上HDは、積極的にM&Aを進めています。
2020年には、アメリカのpure社を3,225億円で買収するなど、多額の資金を投じております。
ですが、買収はマーケット価格より高く買う事が一般的です(プレミア価格)。
割高に買うことになるので、買収後にシナジー効果を出す事が求められます。
もし買収が失敗すると、減損処理を行い利益が大きく減ります。
日本の企業は、M&Aで失敗しているケースが多いです。
もし東京海上がM&Aで失敗すると、利益減少→株価も下落という道になるので注意が必要です。
2020年度はなぜ利益が大きく減ったのか?
2020年は、東京海上は利益が前年比で「1,000億円ほどダウン」しました。
ですが何故、東京海上の利益が減ったのでしょうか?
主力の自動車保険は、事故が減少したことで利益増になりました。
一方で、コロナ影響による保険の支払いがかさんだことで、最終的には約1,000億の利益減となりました。
基本的に、保険会社は「保険の支払い額が増えると利益が減る構造」です。
「自然災害が起こると利益が減る構造」を理解すると、東京海上の決算を理解しやすいと思います。
東京海上HD株価は今後どうなる?株価上昇・下落の理由を予測
東京海上HDは、今後どうなるのでしょうか?
・経営が上手で、今後の売上・利益増が期待できる
・高配当ポートフォリオの一角を担える存在
・但し自然災害リスクには要注意!
個人的意見ですが、東京海上は売上・利益が伸びており優良企業だと感じています。
リスクをきちんと理解した上で、投資する価値のある銘柄だと思っています。
経営が上手で、今後の売上・利益増が期待できる
東京海上は、近年海外企業のM&Aを続けています。
日本でM&Aというと、日本郵政やキリンHDのような失敗事例ばかりですが、東京海上のM&Aは成功しています。
その結果現在は、利益の半分近くが海外になっています。
東京海上HDの買収がうまいのには、理由があります。
東京海上の社長が、買収をする時の3条件を上げています。
①今後の見通しを含めて、業績が良い会社であること
②業績の源となるビジネスモデルが他社に真似できない
③経営者が何のために経営しているのか、ビジネスの目的が同じ方向か?
シナジー効果が得られる企業に絞って買収している事が、成功の秘訣になっています。
また東京海上は、M&Aの目的を「リスク分散」と説明しています。
日本事業だけでは、日本で災害が起きた時に赤字に陥ってしまいます。
ですが、海外事業を展開することで、特定地域の災害の影響比率を減らす努力をしています。
日本は災害大国です。
また少子高齢化が進む国でもあります。
そうした事業リスクをヘッジするために、海外企業を上手にM&Aしているのです。
高配当ポートフォリオの一角を担える存在
東京海上HDは、高配当銘柄として有名です。
そして、今後も配当を重視する姿勢を見せています。
このように今後も増配を計画しております。
高配当投資家は、今後の増配を期待しながら保有することができそうです。
但し自然災害リスクを警戒して投資すべき
東京海上は、海外事業比率を高め日本の自然災害でのリスク軽減に努めています。
一方で、それでも以下のケースでは厳しい状況が見込まれます。
・世界規模の自然災害(例:新型コロナウイルス)
・連続で最規模災害が起きた場合
日本では、毎年のように台風被害が起きています。
それに加えて、大規模な地震が同じ年に起こる可能性もゼロではありません。
自然災害は、会社ではコントロール出来ません。
そのため、災害が起きることによる事業環境の悪化に備える必要があります。
具体的には、投資ポートフォリオを分散することで、東京海上のリスクを減らすのが望ましいです。
ご自身のリスク許容度に応じた投資をしていきましょう。
まとめ:東京海上HDの株価が下がる理由と今後の見通し
本記事のまとめです。
・東京海上HDは、自然災害が起こると利益が減少する仕組み
・積極的なM&Aにより、リスク分散を図っている
・高配当投資家は検討の余地がある銘柄!
東京海上は、自然災害リスクが付きまといます。
ですが売上・利益が伸びており、株主還元にも積極的な企業です。
高配当株投資家は、検討の余地がある銘柄かと思います。
この記事が東京海上の分析の助けになれば、幸いです。
尚本記事は、著者の見解をまとめたものです。
投資を推奨するものではありませんので、ご注意下さい。
(投資は自己責任でお願いします)
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