こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、HDVへの投資をおすすめしない理由を解説しています。
HDVは、米国の優良高配当銘柄を集めたETFです。
1つのETFで米国高配当株へまとめて投資できるので、日本の個人投資家にも人気となっています。
HDVはインフルエンサーもおすすめしているので、気になっている方も多いと思います。
でも、HDVにはデメリットがあるのをご存知でしょうか?
デメリットを知らないと、後悔する可能性もあります。
そこで本記事では、HDVへの投資をおすすめしない理由を詳しく分析していきます。
米国の高配当株に興味のある方に役立つ情報をお届けします。
HDVへの投資をおすすめしない理由3選【中途半端なETFです】
HDVへの投資をおすすめしない理由を3つまとめました。
・銘柄の選定・入れ替え基準が不明瞭
・VYMより株価上昇率、増配率が劣る
・配当利回りがSPYDに劣る
HDVは他の高配当ETF(HDVやSPYD)と比べると、非常に中途半端なETFです。
何故HDVを買うのか明確化しないと、買ったあと後悔するリスクがあります。
過去多くの個人投資家がHDVを買っていましたが、売却して他の銘柄に乗り換えています。
HDVを買う場合は、きちんとデメリットを理解した上で買うようにしましょう。
HDVとは?ざっくり解説
HDVの特徴をまとめました。
・米国の高配当かつ財務優良な75社に分散投資したETF
・モーニングスター配当フォーカス指数に連動
・経費率は0.08%と格安
・運用額は約1.6兆円(2022年8月時点、1ドル130円で計算)
・運営は世界最大の資産運用会社
HDVは、高配当かつ財務優良な75社に分散投資するETFです。
SPYDやVYMと違って「財務優良な銘柄」という選定基準を持っているのが特徴です。
財務の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができると認められた「利回り上位75社の銘柄」で構成
【出典】iFinance_モーニングスター配当フォーカス指数
投資先は、以下の通りです。
ヘルスケアやエネルギーセクターの比率が多いです。
経費率は格安の0.08%です。
SPYD(0.07%)、VYM(0.06%)と比べると若干高いですが、ほぼ誤差のレベルで気にする必要ありません。
また運用会社は世界最大の資産運用会社であるブラックロックです。
会社全体で、10兆ドル(1,300兆円)という途方もない金額を運用しております。
また、HDVの運用額も1.6兆円です。
このようにHDVは、運用会社・運用規模からも一流のETFであることが分かります。
(規模が大きいETFなら、早期償還リスクが少なく長期運用に適している)
銘柄の選定・入れ替え基準が不明瞭
先程説明したようにHDVは、モーニングスター配当フォーカス指数に連動したスマートベータです。
スマートベータとは、最近生まれた新しい指数です。
従来の時価総額型の指数のように市場全体の平均や値動きを代表する指数ではなく、財務指標(売上高、営業キャッシュフロー、配当金など)や株価の変動率など銘柄の特定の要素に基づいて構成された指数
野村證券_証券用語解説集_スマートベータ指数
モーニングスター配当フォーカス指数とは、「財務健全」で「高配当」の銘柄へ投資するETFです。
ですが、この指数は非常に選定基準が曖昧です。
× REITは除く。
× モーニングスター品質のスクリーンを使用
× ワイド・ムーア評価
× デフォルトまでの距離
「モーニングスター品質のスクリーン」が非常に曖昧です。
どのような選定基準となっているのか良く分かりません。
そのため四半期ごとの銘柄入れ替えで、構成が大きく変わることが多いです。
比率が大きかった銘柄がいきなり売却されるケースもあります。
そのため、自分が一体何の銘柄を保有しているのか把握するのが難しいです。
もはやアクティブファンドへ投資している感覚です。
投資の大前提は「自分が何に投資しているのか理解すること」です。
「自分で良く分からないものに投資してはダメ」というルールに反しているので、おすすめできないのです。
HDVは、VYMより株価上昇率・増配率が劣る
HDVは、ライバルのVYMと比べて以下2点で劣ります。
・株価上昇率
・増配率
HDVの株価は、VYMと比較すると、株価の上昇率が劣っています。
2011年9月からの株価成長率は、以下のとおりです。
HDV:117%の成長
VYM:173%の成長
このようにVYMと比べると、株価の上昇率で見劣りします。
加えて、増配率もVYMに劣ります。
5年以上の長期的目線で「株価上昇と配当を両方得たい人」は、HDVよりもVYMの方おすすめとなります。
配当利回りがSPYDに劣る
HDVをおすすめできない最後の理由が「配当利回り」です。
HDVを買う人は「高い配当利回り」を目的に投資をしているはずです。
しかし、肝心の配当利回りはSPYDに比べると劣ります。
このようにHDVは、一貫してSPYDよりも利回りが低いです。
高配当目当てで投資をするなら、配当利回りが高いSPYDを選ぶのが自然です。
このように「早く高い配当利回り得たい人」にとって、HDVよりもSPYDのほうがおすすめなんです。
HDVへの投資はおすすめしないけど買っても良いケースがあります
このようにHDVは、非常に中途半端なETFです。
利回り・株価上昇率・増配率、どれも中途半端な成績です。
このため基本的には、HDVへの投資はおすすめしません。
一方で以下の2つのケースに該当する場合は、投資する価値があります。
・SPYDの補完として投資する場合
・HDVの投資方針に賛同できる場合
何となくHDVに投資すると「やっぱり止めておけば良かった・・・」となります。
HDVへ投資する場合は、「どういう目的で投資しているのか」を明確にしましょう。
SPYDの補完として投資する場合
実はSPYDとHDVは、相性が良いETFです。
・銘柄のダブリが少ない
・投資するセクターが大きく異なる
HDVは、不動産セクターへ投資しない方針となっています。
一方でSPYDは、不動産セクターの比率が高いです。
実際、HDVとSPYDで重なるのは「23%」と低めです。
こうした投資セクターの違いが「分散効果」をもたらします。
SPYDへ投資したいけど、もっとリスクを減らしたいと考えている方にHDVはおすすめです。
HDVの投資方針に賛同できる場合
HDVは、高配当ETFの中では唯一「財務健全性」への配慮がされているETFです。
その点SPYDは、景気敏感銘柄ばかりが集められており、株価が暴落する時は想像以上に株価が下がる傾向があります。
「VYMじゃ利回りが足りないけど、SPYDよりリスクは抑えたい・・・」
こういうかゆいところに手が届くのが、HDVの良さです。
HDVはアクティブファンドのように銘柄入れ替えが激しいです。
でもその運用方針に納得して投資ができるなら、HDVへ投資する資格があります。
まとめ:HDVへの投資をおすすめしない理由
HDVへの投資をおすすめしない理由まとめです。
・銘柄の選定・入れ替え基準が不明瞭
・VYMより株価上昇率、増配率が劣る
・配当利回りがSPYDに劣る
HDVは高配当ETFの中でも、クセが強いです。
そのため、投資をする際は特徴をきちんと理解する必要があります。
個人的にはSPYDとの相性が良いので、SPYDの補完目的なら投資する価値があると思っています。
また高配当ETF3つについてもっと深く知りたい方は、以下の記事も参考にしてみて下さい。
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