NVIDIA(エヌビディア)の株価が急落している理由を詳しく解説

NVIDIA(エヌビディア)の株価が急落している理由を詳しく解説 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、NVIDIA(エヌビディア)の株価が急落している理由を解説します。

       

NVIDIAの株価が急落しています。

     

【出典】Google市場概説_NVIDIA株価推移
【出典】Google市場概説_NVIDIA株価推移

     

年初来で46%も株価が下がっております。

一時は時代の寵児と呼ばれ、株価が右肩上がりだったNVIDIAに何が起きているのでしょうか?

     

そこで本記事では、NVIDIAの株価が下落している要因を詳しく解説していきます。

NVIDIAへの投資を考えている方に、役立つ情報をお届けします。

     

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NVIDIA(エヌビディア)の株価が急落している理由を詳しく解説

     

NVIDIAの株価が急落している要因をまとめました。

     

・需要減退で在庫が積み上がっている(ゲームPC、マイニング需要減)

・元々の株価があまりにも割高だった

    

右肩上がりで売上・利益を伸ばしてきたNVIDIAですが、ここにきて風向きが変わっております。

2022年の2Q決算発表でミスしてしまい、株価が更に下がっています。

    

詳しく解説していきます。

     

NVIDIAの会社概要をざっくり解説

まずNVIDIAの会社概要をご説明します。

     

・1993年に創業したアメリカの半導体企業

・GPU(グラフィク・プロセッシング・ユニット)の専業メーカー

・製造工場を持たないファブレス企業

・2021年の売上が約3.5兆円、営業利益1.3兆円。※為替130円で計算

       

GPUとは、画像処理装置と呼ばれています。

画像処理に特化しており、きれいな映像を映すためには欠かせない半導体となっております。

    

NVIDIAの売上の約半分は、ゲーム用GPUです。

残り40%がデーターセンター向けとなっています。

     

【出典】NVIDIA_2021年決算説明資料_ビジネスミックス
【出典】NVIDIA_2021年決算説明資料_ビジネスミックス

     

NVIDIAは、売上を右肩上がりに伸ばしており、急速に事業を拡大しております。

    

【グラフ】NVIDIA売上・営業利益率推移
【グラフ】NVIDIA売上・営業利益率推移(著者作成)

      

特に2021年は、ゲームPC需要や、データサーバ需要、仮想通貨用マイニング需要が急増し、売上・利益を大きく伸ばしました。

    

また、NVIDIAは利益率が高いのも特徴です。

2021年は、営業利益率37%という驚異的な高利益を実現しています。

     

利益率が高い要因は、製造工場を持たないファブレス企業である点にあります。

半導体工場は設備産業です。

そのため、設備投資費用は莫大なものとなります。

    

特に半導体プロセスの進化によって、半導体設備費用が非常に高騰しており、自社で工場を持つ事の負担は年々重くなっています。

その点、ファブレス企業ならこうした設備負担が不要になります。

リソースを設計に集中することができる結果、高利益体質となっているのです。

     

NVIDIAは時代を牽引する銘柄と言われた

NVIDIAの強みは、今後需要が急拡大する分野に強い点にあります。

       

【出典】NVIDIA_2021年決算説明資料_注力事業
【出典】NVIDIA_2021年決算説明資料_注力事業

    

・ゲームPC

・データセンター

・仮想通貨

・AI

・自動運転

      

このように、これからの時代を牽引する事業に強いのが特徴です。

こうした業界の伸びとともに、NVIDIAは順調に売上を伸ばしました。

    

ゲームPC・データセンターは、web3の普及とともに更に伸びていく事が予想されます。

またAI・自動運転も、今後の世の中を変えていく非常に重要なテクノロジーです。

     

こうしたバラ色の未来予想が、株価の上昇へとつながったのです。

       

2022年2Q決算がひどかった

売上・利益を右肩上がりに増やしていたNVIDIAに異変が生じております。

2022年2Qの決算で、利益が大幅に下がっていることが分かりました。

       

【出典】NVIDIA_Q2 Fiscal 2023 Summary
【出典】NVIDIA_Q2 Fiscal 2023 Summary

      

・売上が前Qと比較してダウン。前年同期比でも横ばい

・利益のダウンが著しい(1株利益は前年同期比で72%ダウン)

     

かなり酷い数字です。

特に利益は、前年同期比で72%も減少しております。

     

ここまで利益が悪化したのは、市場に在庫がダブついていることにあります。

今までは供給不足で値段が高騰していましたが、現在は在庫過多の状態となっております。

NVIDIAは膨らんだ在庫を処理するために、安売り・在庫調整をしており、それが利益の大幅減少につながったのです。

      

でも何故、急に状況が悪化してしまったのでしょうか?

        

ゲームPCの大幅な需要減

NVIDIAには2つの柱があります。

1つ目はゲームPC。2つ目がデーターサーバーです。

    

この内データーサーバーは、決算がひどかった2022年2Qでも何とか売上を維持しています。

     

データーサーバー部門

第2四半期の売上高は38億1000万ドルで、前年同期比61%増、前四半期比1%増

      

ダメだったのがゲーム用PCです。

ゲーム用PCの売上利益が落ち込んだのには、2つの要因があります。

      

・個人消費の停滞(巣ごもり需要の終了)

・仮想通貨ビジネスの急速な冷え込み

     

これまで巣ごもり需要を背景に、2020年以降ゲームPC需要が急速に伸びました。

しかし、2022年になり巣ごもり需要が一巡し、売上が大きくダウンしております。

    

またNVIDIAのGPUは、仮想通貨のマイニングでも使われていました。

仮想通貨の世界では、マイニング(採掘)という作業を行うことで、通貨を得る事ができます。

    

そしてマイニングには沢山の計算を行う必要があるのですが、そこでGPUの機能が役に立ちます。

仮想通貨の価格が上昇していた時は、マイニング需要も高まり、GPUの需要も大幅に増加しました。

    

しかし2022年以降、仮想通貨の価格は右肩下がりです。

     

【出典】Google市場概説_ビットコイン株価推移
【出典】Google市場概説_ビットコイン株価推移

      

仮想通貨の代表格であるビットコインは、ピーク時の半値以下になっています。

それ以外のコインは、もっとひどい状況です。

    

仮想通貨価格が下がると、マイニングで貰えるお金も目減りします。

その結果マイニング需要が激減し、中古市場に大量のNVIDIAのGPUが流れ込んでいます。

   

この結果、GPUが供給過多になり売上・利益減につながっているのです。

     

そもそも元々の株価があまりにも割高だった

NVIDIAの株価はピーク時に330ドルもの高値をつけました。

いくら利益が増えているとはいえ、330ドルの価格はあまりにも割高でした。

     

21年度実績PER:84.4倍(株価330ドル時)

     

アメリカの代表銘柄で構成されるS&P500の平均PERは「約20倍」です。

指標的には、NVIDIAは4倍も高い価格で取引されていました

     

2021年はゼロ金利政策が取られ、異次元の緩和が続いていました。

その結果、市場には大量のお金が流れ込み、株価が実態以上に膨らんでいました。

Twitter上でも、NVIDIAの株価上昇が未来永劫続くような発言が散見されました。

   

しかし2022年になって急速に金利を上げるなど、金融引き締めが行われています。

その結果、実態以上に膨らんだNVIDIAの株価も適正な価格へと戻って来ているのです。

     

でも株価はだいぶ下がったから、今なら買いなのでは?

     

現在160ドルまで下がっております。

21年度の利益で計算すると、PERは40倍とまだ割高です。

  

2022年は2021年よりも利益が下がる見込みなので、PERは更に高まると思われます。

これらのことから、160ドルでもまだ割高であり、まだ株価が下がるリスクが高い状況です。

     

まとめ:NVIDIA(エヌビディア)の株価が急落している理由

NVIDIAの株価が急落している理由まとめです。

      

・需要減退で在庫が積み上がっている(ゲームPC、マイニング需要減)

・元々の株価があまりにも割高だった

      

NVIDIAは、長期的には今後も売上を伸ばす事が期待できる優良企業です。

しかし直近は厳しい見通しなっており、株価下落リスクが非常に高いです。

    

リバウンド狙いで安易に買うのはリスクが高いので、注意しましょう。

尚本記事は投資を推奨するものではございません。投資は自己責任でお願いいたします。

    

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