資材調達部門のデータアセットを考える【バイヤーは職人と同じ】

資材調達部門のデータアセットを考える【バイヤーは職人と同じ】 資材業務について
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こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。

先日Twitterで、キャディ代表の加藤さんの文章を読みました。

      

        

製造業で働く身として、とても参考になりました。

今回は、加藤さんが記事で語っていた「データアセット」について、僕が思っていることをまとめていきます。

      

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資材調達部門のデータアセットを考える【バイヤーは職人と同じ】

      

僕が共感したポイントをまとめました。

     

これはサプライチェーンに限らずですが、何かの生産性を継続的に高めていくには、「アセットを使った複利での積み上げ」が極めて重要

【出典】サプライチェーンに始まる、グローバル製造業の再進化。/キャディ創業5年記

     

私は最も重要なサプライチェーンアセットは「データアセット」だと考えています

【出典】サプライチェーンに始まる、グローバル製造業の再進化。/キャディ創業5年記

        

【出典】サプライチェーンに始まる、グローバル製造業の再進化。データアセットの考え方
【出典】サプライチェーンに始まる、グローバル製造業の再進化。データアセットの考え方

       

詳しくは本文を読んで頂きたいのですが「担当者変更で前任の資産をいかに引き継げるか?」が製造業の生産性を上げる鍵だと説いています。

僕も100%同意です。

     

現在使われているデータアセットの一例

多くの会社が、それなりに調達システムを導入しております。

そしてシステムや共有フォルダの中に、色々なデータアセットが存在します。

     

・過去の価格履歴

・価格決定経緯

・発注方針

・調達品の図面・仕様書

・過去の会議議事録 など

      

今でも最低限の資産はありますが、それじゃあ全然足りないんです。

     

現在のデータアセットの弱点

現在のデータアセットの問題点をまとめました。

     

・前任者のフォルダ(ゴミの山)をあさる必要がある(効率が悪い)

・これまでの「経緯」「流れ」は断片的にしか書かれていない

・前任者&引き継ぐ人の資質によって、引き継がれる情報が大きく変わる

・前々任のノウハウは基本的に継承されない

・時間をかけて作った資料が活用されないケースが多い

      

バイヤーが蓄積してきた調達品の知識は、基本的に引継ぎによって一旦リセットされます。

(以下の引用図の左側の状態)

     

【出典】サプライチェーンに始まる、グローバル製造業の再進化。データアセットの考え方
【出典】サプライチェーンに始まる、グローバル製造業の再進化。データアセットの考え方

      

新しく引き継いだバイヤーは、知識ゼロの状態から手探りで知識を積み上げる必要があります。

もちろん、前任者から色々引継ぎやヒアリングをすることで、資産を有効活用するように努力しています。

    

しかしそのやり方は、非常に属人的です。

極端な事を言うと、前任者or引き継ぐ人が無能だと資産は全く引き継がれません

      

他にも、頑張って作った資料が誰にも見られないなど、せっかくの資産が有効活用されない事象が多発しております。

      

製造業のバイヤーは職人さんと同じ

結局、製造業のバイヤーは、職人さんと同じです。

上司・先輩・前任者から学んで、ゼロから知識を積み上げていきます。

    

知識が積みあがった職人は重宝されますが、その人がいなくなると組織の力も落ちます。

資材部門のパフォーマンスは、かなりの部分が人に依存しております。

    

組織の力を底上げするためには、こうした属人性に頼らない仕組みが必要です。

実際、僕も含めて現場のバイヤーは、こうした仕組みの必要性を常々感じております。

     

そして、そういう課題を解決するツールも世の中に増えてきております。

解決法はあるのに、なぜ製造業ではこうした有益なツールを使わないのでしょうか?

      

ではなぜシステムを入れないのか?

日本の製造業が積極的に新しいツールを使わない理由を分析しました。

     

・既に自社システムがあり、それとの整合性

・自社情報システム部門が難色を示す(自前主義)

・経営者が調達システムに問題意識を持っていない

・システムを入れても、短期的に人員を効率化できない

・経営層、管理職が保守的で変革を好まない

    

日本の古い企業では、上記課題が複合的に重なり、改革を難しくしています。

担当者レベルが問題意識を持っていても、何も変わらないのが実情です。

      

製造業のスタートアップが既存の企業を駆逐するしかないけど・・

僕の結論は以下のとおりです。

     

・めちゃめちゃ生産性の高いスタートアップ企業が古い企業を駆逐するしかない

     

日本は昔から、外部からの脅威があって初めて色々な改革が始まります。

古い企業が自発的に変わるケースをほとんど見たことがありません笑。

    

30歳くらいの優秀な設計者たちが会社から独立して、超少人数&ファブレスで頑張れば、かなりの確率で古い企業に勝てるのでは?と夢想しています。

     

そんな事を思うなら、自分で始めれば良いのでは?

     

そうなんですけど、ビビりで保守的なので、どうしても起業という結論になりません笑。

(そもそも、保守的だから伝統的な企業に入っているんです…)

     

またファブレスでも金型などの初期費用が必要なこと、需要が右肩上がりではないのも、新規参入者が増えない要因なのでは?と思っています。

     

担当者レベルでやれるアセット資産の蓄積方法

これで終わったらただの愚痴&夢想なので、個人レベルでやれることを考えてみました。

     

・組織内で蓄積すべきデータアセットの中身を定義する

・データアセットは、必ず所定の位置に置く(個人フォルダに置かない)

・データアセットの様式は統一する

・担当者は既存のデータアセットの更新だけ行う(新規に増やさない)

    

ここまですれば、システムに頼らなくても、ある程度のノウハウの引継ぎが可能となりそうです。

僕の会社では上記が出来ていないので、まずはこういうところから改善していこうと思います。

     

最後まで読んでくれてありがとうございました!

      

      

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