こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
今日はオリンパスの株価が下落している理由を解説していきます。
ここ最近になって、オリンパスの株価が大きく下がっております。
1年前と比べて株価が40%も下がっております。
株価が下がってきているので、リバウンド狙いでの購入を検討している方も多いと思います。
そこで本記事では、オリンパスの株価が下がっている要因と、今後の見通しについて詳しく分析していきます。
オリンパスの株価が下落している理由を解説【主力の内視鏡事業が減益】
オリンパスの株価が下がっている理由をまとめました。
・科学事業の売却を受けて、収益向上の期待から株価が先行で上昇
・主力の内視鏡事業が減益
・治療機器事業も減益
・昨年の土地売却の反動(オリンパス、旧幡ヶ谷事業所を売却)
医療機器にリソースを集中させているオリンパスですが、その主力事業で減益となっております。
こうした状況を受けて、株価は大きく下がっております。
オリンパスの概要をざっくり解説
オリンパスの会社概要をまとめました。
・2022年度の売上:8,819億円
・営業利益:1,866億円(営業利益率21.2%)
・内視鏡や治療機器など、医療系機器を製造・販売
・祖業の科学事業(顕微鏡事業)を売却
オリンパスは、売上8,819億円となっております。
会社全体の売上の2/3を内視鏡事業が占めております。
以前は、オリンパスと言えばカメラも有名でした。
しかしスマートフォンの普及に伴い、カメラ事業の売上は大きく減少。
加えて、祖業であった内視鏡事業を2023年に売却しております。
オリンパスが100年を超える祖業と別れを告げる。29日、工業用顕微鏡などを手がける科学事業を米ベインキャピタルに4276億円で売却すると発表した。同日開催した取締役会で決議した。売却で得た資金をテコに、主力の消化器内視鏡をはじめとした医療機器分野に経営資源を集中する。
【出典】オリンパス、4300億円で事業売却 100年の祖業と決別
その結果、事業の大半が内視鏡と治療機器事業となっております。
特に消化器内視鏡では、グローバルのシェアが70%となっており、圧倒的な存在感となっています。
またオリンパスは、海外の売上比率が高いという特徴があります。
売上の86%は海外となっており、特に欧米の比率が高いです。(半分以上が欧米)
科学事業の売却を受けて株価が上がっていた
オリンパスは、2022年に祖業である科学事業を売却することを発表しました。
科学事業では、顕微鏡などの製造を行っておりました。
しかし内視鏡事業と比べると利益率が低いという課題がありました。
オリンパスは経営資源を内視鏡などの医療系に集中させており、経営判断として科学事業を売却する決断を下しています。
この発表を受け、オリンパスの株価は大きく上昇しました。
売却益を利益率が高い内視鏡事業などに集中させることで、更なる事業成長が期待されたのです。
しかし、株価の上昇は「期待先行」の側面が強かったです。
そのため、実際に売却が完了した2023年の段階では株価が大きく下がってしまいました。
主力の内視鏡事業が減益
2023年度1Qの決算では、前年同期比で増収減益となりました。
利益が下がった要因は、以下の2つです。
・事業運営基盤強化などに伴う人件費の増加
・FDA関連対応費用約32億円をその他の費用として計上
オリンパスは、各種品質・法規制対応として、人員を増強しております。
その結果、昨年比で経費が増加し、利益が減少しています。
また米国の規制当局(FDA)が求める品質保証対応費なども、利益押し下げ要因となりました。
成長の期待で上昇していた株価でしたが、利益減という結果を受け、株価は大きく下がっているのです。
治療機器事業も減益
またもう一つの柱である治療機器事業も昨年同期比で減益となりました。
治療機器事業の減益要因は、以下の3つです。
・呼吸器科で欧米における一部製品の出荷停止や遅延を受け、為替影響調整後では減収
・効率性向上などを目的とした各種プロジェクト関連費用の増加
・FDA関連対応費用約18億円をその他の費用として計上
オリンパスは2023年度も、未だに部材不足の影響を受けています。
会社全体として、1.5%から2%くらい連結売上の成長阻害要因となっております。
売上は、社内計画比で3%程度下振れ。多くは出荷停止・部品供給不足に由来する売上の機会損失が要因。1.5%から2%くらい連結売上の成長阻害。とりわけ TSD に際立っており、TSD の売上では3-4%の成長阻害。
【出典】オリンパス_2024年3月期第1四半期決算カンファレンス 質疑応答(要旨)
多くの企業が2022年度の後半からは、部材入手難が落ち着いてきております。
その一方で、オリンパスはまだ部材入手難が売上機会の損失になっているようです。
昨年の土地売却の反動(オリンパス、旧幡ヶ谷事業所を売却)
2023年度1Qは、オリンパスは減益となりました。
その要因の一つが、土地売却の反動です。
オリンパスは、2022年1Qに土地売却益を計上しています。
渋谷にある遊休施設であった旧幡ヶ谷事業所を164億円で売却しております。
22年度はこうした一時的な要因が利益を底上げしていました。
しかし今年度ではその反動で、利益が大きく減少しております。
その意味で去年の株高は、土地売却益というゲタを履いた状態であり、それが無くなった結果株価は下がっているのです。
まとめ:オリンパスの株価が下落している理由
オリンパスの株価が下がっている理由まとめです。
・科学事業の売却を受けて、収益向上の期待から株価が先行で上昇
・主力の内視鏡事業が減益
・治療機器事業も減益
・昨年の土地売却の反動(オリンパス、旧幡ヶ谷事業所を売却)
オリンパスは、事業の集中によって利益を伸ばしてきました。
一方で直近では利益の伸びが止まっており、株価も下落傾向にあります。
この記事がオリンパスの株価分析の参考になれば幸いです。
なお本記事は、著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではありませんのでご注意下さい。
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