アクセンチュア「強い調達」を読んでみた感想|現役資材部員が解説

アクセンチュア「強い調達」を読んでみた感想|現役資材部員が解説 資材業務について
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こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。

今日は、「強い調達」という本について解説していきます。

    

今週、資材関連の本を読みました。

   

      

コンサルが考える「強い調達」とは何か?

実務を経験している資材部員が読むと、どんな感想を持つのか?

    

このあたりを解説していきます。

    

    

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アクセンチュア「強い調達」を読んでみた感想|現役資材部員が解説

サラリーマン割に合わない

     

アクセンチュアの「強い調達」を読んでみた感想は、以下のとおりです。

    

・ぶっちゃけこの本を読んでも資材部員としてレベルアップはしない

    

この本は、製造業の経営者向けに書かれた本です。

そのため、課長・担当レベルが読んでも、得るところは少ないです。

書いてあることも「資材部員にとって当たり前」な内容ばかりでした。

   

   

ただ読んでいる中で、色々と気づきが合ったので、もう少し掘り下げていきます。

   

「資材部員は受け身で言われるがまま」ってホント?

「強い調達」の中に、こんなコメントがありました。

   

要求される仕事が多くて手が回らないから、と放置している調達部門がなんと多いことか。受け身でいわれるままに買ってくるだけでは、子供のお使いである。

【出典】強い調達 P90

    

僕はこの文章を読んで、「コンサルは実態がわかってない」と思いました。

  

資材部員は、価格交渉、ソーシングなどやるべきことは理解しています。

しかし、事務処理に追われて「やる時間が捻出できない」のです。

   

事務処理はやって当然、付加価値の高い仕事をしなさい

    

コンサルの言う事は、もっともです。

ですが資材部員は、分かっちゃいるけど出来ないのです。

    

資材担当者のジレンマ(やりたいけど時間がない)を理解しないと、組織は強くなりません。

コンサルは「やるべきこと」を指示するのではなく、「やらなくても良いこと」を止めさせることに注力すべきです。

   

多くの偉い人は、「やらないより、やった方が良い」という謎理論で無限に仕事を増やしていきます。

そのため資材部員は、価値が相対的に低い事務処理・資料作成などで疲弊しています。

    

      

権威性のある第三者が「こんな仕事やめましょう。コンプライアンス的にもやらなくてOKです」と言ってあげる事に価値があります。

   

僕たちの時間には限りがあります。

大切なことにリソースを投入し、いらない業務は思い切って止める勇気が資材部門には求められます。

      

10年経つと調達の考えは大きく変わる

    

「強い調達」は、2007年に書かれた本です。

書かれた時から13年もの期間が経過しています。

   

2007年では上記3つは重要とは考えられておらず、記載がありませんでした。

ですが、今は価格よりも調達の安定性が重視され始めています。

   

     

10年経つと、資材の常識も変わっていく。

今から10年後には、今常識の考えが変わっているかもしれません。

   

僕も10年後の新しい常識についていけるように、日々情報をアップデートしていきます。

    

時間をお金で買う考え

   

これは参考になる考えです。

日本では「納期は守って当たり前」という考えです。

ですが、海外では「前倒ししたいなら追加料金を払う」という考えもあります。

   

短い納入リードタイムには付加価値がある。

この考えはもっと普及しても良い気がします。

   

資材部門として「短いリードタイムには高いお金を払う価値がある!」ということを関係部門に啓発していきたいです。

   

資材調達・購買部門は、IT化が遅れている

本の中で、「調達部門のIT化が遅い」との指摘がありました。

僕も完全に同意です。

   

製造業では、古いシステムを使い続けているケースが多いです。

   

僕の会社なんか30年以上前の化石のシステムを使っているよ・・・

     

仮にシステムを更新する場合も、設計部門など他部門が優先にされがちです。

そのため、未だに手作業で各種作業を行っている会社が多数です。

知識・ノウハウも属人的です。

   

       

では何で経営者は、資材部門のシステムにお金をかけないのでしょうか?

    

予算は限られている。資材部門に人はいるし人をかけてやれば良い

   

多分経営者は、システム化するなら人を減らさなきゃ割に合わないと思っています。

ですが人は簡単に解雇出来ない。なら今の人員で手作業させておこうと思っているはずです。

   

資材のシステムが最新になることは無いのかもね・・・

     

まとめ:強い調達は担当者にはあまり役に立たないかも

強い調達を読んだ感想です。

   

・コンサルは仕事の選択と集中に寄与してほしい

・10年経つと、資材の常識も変わっていく

・時間をお金で買う考えを資材調達にも適用したい

・資材部門では、IT化は望めない(自分で改善するしかない)

    

強い調達は、経営者向けの本です。

組織改革など、経営層でなければ出来ない事が書かれています。

そのため、課長・担当者レベルが読んでも「ふーん」で終わりがちです。

   

ですが、読んでいく中で自分の調達に関する考えが整理できるので、たまにはこういう仕事に関する本を読むのもありだと思いました。

    

    

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。

     

      

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