こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。
今日は、交渉において最も重要な「選択肢を持つこと」について解説します。
しゃべりが上手い人=交渉上手だと思っていませんか?
でも上手な話し方というのは、交渉においては二次的な要素です。
実は交渉で一番大切なのは「複数の選択肢を持つこと」です。
ですが交渉のプロである資材部員でも、「選択肢を持つ」ことを軽視している人がいます。
日々の業務に忙しく、複数の選択肢を持てないまま交渉に臨んでいる人がホントに多いです。
今回は交渉で一番大切な選択肢を持つことについて、具体的なステップで分かりやすく解説していきます。
・交渉をうまく進めたい
・交渉の事前準備って何をすれば良いの?
こんな疑問を解決します。
交渉で一番大切なのは選択肢を持つこと|バトナという考え方を解説
なぜ交渉では、選択肢を持つことが重要なのでしょうか?
・選択肢を持つことで、相手と合意しないという行動が取れるから
交渉において、複数の選択肢の中から最適な選択をすることを「バトナ」と言います。
「バトナ」とは、英語の「Best Alternative Negotiated Agreement」の頭文字をとった言葉です。簡単にいえば、「相手の提案に合意する以外の選択のなかで、一番よいもの」という意味になります。
【出典】滝本哲史 武器としての交渉思考
資材調達におけるバトナとは、「他社へ発注できる自由」のことです。
A、B、C社から発注先を自由に選べる時、資材部員は交渉で有利な立場になります。
交渉では、相手と顔を合わせた瞬間に勝負が決まっています。
選択肢を持っていない人は、屈辱的な条件でも合意するしかありません。
でも意外と多くの資材部員が、出たとこ勝負をしています。
取引先と交渉する前に、いかに自分の選択肢を増やせるかが、成果を出す鍵です。
詳しく解説します。
【ステップ1】自分と相手の選択肢を考える
先ほど申し上げたように、事前に交渉で取り得る選択肢を考える必要があります。
尚、選択肢の検討では、自分だけでなく相手の選択肢も考えましょう。
例えば、選択肢の検討では、以下のことを整理します。
資材部員は、取引先に「発注しない選択が取れるのか」がポイントとなります。
選択肢を持てれば、理不尽な要求をする取引先を排除できます。
また「発注」というエサをぶら下げて、価格を頑張らせることも可能です。
逆に相手に発注するしかない場合は、どんな値上げ要請がきても受諾するしかありません。
相手が「じゃあ納入しない」とへそを曲げてしまうと、困るのは資材部員です。
1社発注の状態の場合、交渉で優位な立場に立つことは不可能だという事を認識しましょう。
また取引先側の心情も理解することが大切です。
取引先が受注の意欲に乏しい時は、どんなに競合状態を作っても相手はついてきてくれません。
【ステップ2】交渉の前に自分の選択肢を増やす
取引先と交渉をする場合は、取引先と対面する前に「選択肢」を増やす取り組みが必要です。
・転注先を見つけておく
・新規に採用するときは、必ず複数社から相見積をとる
・技術的にA社、B社どちらも採用できるようにする
いずれも設計段階に入り込んで、取引先選定に関与していく必要があります。
ここまで説明して分かるとおり、「選択肢」を持つタイミングはかなり上流段階です。
取引先と交渉するときに「さて、何ができるかな?」と考えるのでは遅すぎるということです。
とにかく資材部門は、設計の上流段階に入り込むことが全てです。
「取引先に発注しない選択肢」を持つためにも、設計の初期段階での活動に注力しましょう。
【ステップ3】交渉が妥結しなかった場合どうなるのかを想定する
「選択肢」を考える上で重要なのが、交渉が妥結しなかった場合、どうなるのかです。
例えば、値下げ交渉で妥結できなかった場合、どうしますか?
A:諦めて相手の言い値で発注する
B:発注を見送る
資材調達では、ほぼ全ての人が「A」の状態だと思います。
製造業のモノ作りは、仕様が決まってしまうと簡単には転注ができません。
いくら発注を見送ると脅しても、最終的に困るのは自分です。
かと言って、物凄い剣幕で値下げを要求していたのに、そのまま言い値で妥結していたら、相手から舐められます。
あれだけ強気だったのに、結局発注してくれた。
結局口だけだったんだね。
つまり、ここから分かる事として、「転注ができない状況の時にあまりに強気になってはいけない」ということです。
交渉では、はったり・脅しなどの手法は本当に最後の手段です。
手札が全く無いときに行う奇策なので、基本的には推奨しません。
交渉が物別れに終わって困らないように、やはり選択肢を出来る限り持つことに注力したいです。
まとめ:とにかく選択肢を得るために行動しよう
本記事のまとめです。
・選択肢を持つことで、相手と合意しないという行動が取れる
・資材部員は設計の上流に参画し、複数社へ発注できる選択肢を持とう
交渉とは、相手を論破することではありません。
取りうる選択肢を増やすことで、交渉を有利に運べます。
これを読んだ人は、是非設計の上流段階に入り込んで、選択肢を増やす取り組みをして下さい。
きっと大きな成果を出せるはずです。
この記事が、交渉の正しい理解の助けになれば幸いです。
このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。
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