【コネクタ端子】納期遅延の原因|JST納期遅れの理由を解説

【コネクタ端子】納期遅延の原因|JST納期遅れの理由を解説 資材業務について
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こんにちは、コロスケ( Corosuke blog)です。

この記事では、JSTなどのコネクタメーカーの納期遅延の原因を解説しています。

      

コネクタが全然入らないよ。どうしちゃったの・・・

     

最近、コネクタ・端子の納期が遅れまくっています。

モノが全然入らないので、困っている方も多いのでは無いでしょうか?

    

この記事では、何故コネクタの納期が遅れているのか?を解説しています。

実際にコネクタを調達しているバイヤーが、分かりやすく説明します!

      

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【コネクタ端子】納期遅延の原因|JST納期遅れの理由を解説

コネクタ

     

コネクタの納期が遅れている理由は、以下の3つです。

    

・樹脂【PBT・ナイロン】が入ってこない

・リン青銅が入ってこない

・景気の急回復に追いつかない

     

最近コネクタが入らない主な理由は、原材料の入手難と需要の急増に対応できないことにあります。

詳細を解説します。

    

     

樹脂【PBT・ナイロン】が入ってこない

コネクタは、外郭は樹脂で出来ているケースが多いです。

コネクタに使われる樹脂は、熱に強い「エンプラ樹脂」が使われています。

   

エンプラ樹脂の中でも、コネクタで良く使用されている「PBT樹脂」と「ナイロン(PA66)」が入手難になっています。

    

ナイロン樹脂が入らない理由

ナイロン樹脂は、主に3つの理由で入手難に陥っています。

    

・21年2月の北米寒波で、原料メーカーの生産が停止

・生産メーカーが寡占化しており、常に需要過多で逼迫しがち

・需要の急回復についていけない

    

2021年2月に北米に寒波が押し寄せました。

寒波の影響で大規模停電となり、多くの樹脂原料メーカーが生産停止となりました。

その結果、供給が絞られ多くの企業がフォースマジュール(ギブアップ宣言)をしました。

    

東レは19日、自動車のエアバッグに使うナイロン樹脂に関し、一時的に売り手への出荷義務が免責される「フォースマジュール(不可抗力)」条項を宣言していることを明らかにした。原料調達先である米国の化学メーカーが、2月の寒波の影響で出荷が不安定になっているためとしている。

【出典】日本経済新聞 東レ、ナイロン樹脂で出荷免責宣言 米寒波で原料不足

    

また、そもそもナイロン原料を作るメーカーは寡占化しています。

供給元が少ないので、1社でもダメになると世界的に供給が逼迫する構図になっています。

    

ナイロンは2017年頃にも同じような問題が起きていたよね。

構造的に需要過多ですぐに供給が逼迫するんだよね。

      

PBT樹脂が入ってこない理由

PBT樹脂は、主に以下2つの理由で入手難に陥っています。

     

・海外生産メーカーが定修&生産中止で供給量が減少

・需要の急回復に追いつけない

     

樹脂プラントは、法律で定められたメンテナンスを行う必要があります。

その期間は、生産を停止しなければならないため、納期に影響が出やすいです。

   

またPBTは、車などいろいろな分野に使われております。

コロナ後の市場の急回復に製造メーカーがついてこれず、供給が滞る事態となりました。

    

国内では三菱エンプラや東レなどが大幅な値上げを打ち出したよね

      

リン青銅が入ってこない

コネクタの端子には、りん青銅と呼ばれる金属が使われているケースがあります。

そしてりん青銅は、寡占化が進んでおり、度々需要過多の状態に陥っています。

    

2021年になってから、リン青銅の入手難が顕著になってきました。

     

昨今、リン青銅の中国買占めにより材料供給が間に合わず、コネクタ・コンタクト及び基板部品の生産規模縮小のニュースが大きな話題となっています。この影響は納期延伸に現れ、通常納期に対して かなり長納期化すると予測しております。

【出典】:株式会社 広田製作所 HIROTA News Letter

     

リン青銅の需給が逼迫した理由は、以下の通りです。

    

①向け薄型デバイスの需要増に伴い、使用されるリン青銅の薄型化が進みメーカーの製造キャパオーバーとなった為

②リン青銅よりも高強度のコルソン合金への需要が増加したことにより、コルソン合金の生産量の増強(2017年以降)

【出典】鋼鈑商事株式会社海外リン青銅メーカーのご紹介

      

リン青銅は、コネクタでは良く使われる金属です。

そのため、リン青銅の需給が逼迫すると、コネクタの生産にも影響が出てくるケースが多いです。

     

景気の急回復にコネクタメーカーの生産が追いつかない

2021年になってから、急速に景気が回復してきました。

巣ごもり需要のPC・家電だけではなく、車や産業機械も急回復しました。

   

市場の急回復に、作り手側のメーカーの生産が追いつかない事態となりました。

材料が無い&注文が多いのダブルパンチで、コネクタメーカーの納期は大幅に遅延することになりました。

    

特に車の急速な立ち上げについて行けなかったメーカーが多かったね・・・

     

コネクタ・端子の納期遅延はいつ解消する?【今後の見通しを解説】

     

コネクタの納期遅延はいつ頃解消するのかな?

     

コネクタの市況が落ち着くのは、いつ頃なのでしょうか?

    

・ナイロン樹脂は、当面需給バランスは崩れたまま(逼迫続く)

・PBT樹脂は、2021年秋には少し落ち着く見通し

・リン青銅も当面落ち着かない(リン青銅のコネクタは使っちゃダメ)

→2021年秋くらいに、いったんは納期は落ち着くモノと予想。

     

僕の勝手な予想ですが、やっぱり秋くらいまではかかるのでは?と思っています。

    

樹脂の逼迫は秋くらいには少し落ち着く?

ナイロン樹脂は、構造的に供給量が少ないです。

そのため、今後も同じようなトラブルが続きます。

ナイロンを使ったコネクタを買っている場合は、別のコネクタへの置き換えを検討しましょう。

    

PBT樹脂については、秋には少し落ち着くと思います。

コンパウンド工程は混んでいますが、海外メーカーの生産が増えてきたので逼迫は少しずつ解消していくと思われます。

(中国の停電など、色々とリスクはありますが・・・)

    

2021年はこの勢いがこのまま続く?

2021年は昨年の反動で、需要が大きく伸びています。

秋以降も、全ての市場は堅調に推移するものと思われます。

   

そのため、部品メーカーが休む暇がなく、このまま在庫を積めない可能性もあります。

コネクタに限らず、多くの部品メーカーが納期遅延を起こしています。

   

一息つけるように、需要が落ち着いてほしいのですが・・・

    

車の減産がニュースになってたけど、ブレーキはかかっていないみたい

      

まとめ:コネクタの納期遅延の理由を解説

まとめとして、コネクタの納期遅延の理由を再度紹介します。

    

・樹脂【PBT・ナイロン】が入ってこない

・リン青銅が入ってこない

・景気の急回復に追いつかない

      

材料が入らず、コネクタメーカーは非常に苦労しています。

コネクタは、置き換えが効かない部品であることが多いです。

早く市況が落ち着いて、安定調達できる環境になってほしいです。

    

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。

      

コメント

  1. カバラン丸 より:

    今まさにJSTコネクタ納期で死んでる者です。有益な情報ありがとうございます。リン青銅ついてはCATLの電極に使われることから中国が買い占め(というよりそもそもの生産量の半分程度が中国なので内需優先にしただけ)により外資系コネクタメーカーが壊滅状況、中国の同等品はすぐに手に入るという歪な状況になっています。ただし、中国製の同等品だと各種認証に通らないことから厳しい状況は今後も続くかと。
    もし情報持っていればお聞きしたいのですが、リン青銅のリンの採掘方法が劇薬を山にかけて溶かして一気に採掘する方法から昨今のSDGsやESGより採掘方法を変えて取れる量が減ったなどの話も聞きました。本当のところが分からないので何か情報あれば欲しいです。
    よろしくお願い致します。

    • コロスケ コロスケ より:

      コメントありがとうございます!コネクタヤバイですよね笑。僕も去年から苦労しています。。。
      すみません、りん青銅の詳細は僕も分かりませんでした。でも希少金属は従来の取り方はダメになりそうですよね。