こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、日野自動車の株価が下落する理由を解説しています。
2022年に、日野自動車の株価が大きく下落しています。
株価が下落した要因は、日野自動車のエンジン認証において不正が見つかったからです。
不正発覚後も、株価は下落傾向にあります。
今回は、不正が経営にどのようなインパクトを与えるのか詳しく分析していきます。
日野自動車への投資を考えている方に役立つ情報をお届けします。
日野自動車の株価が下落する理由を解説【不正がやばいです】
現在の日野自動車が置かれている状況をまとめました。
・国内の大半の機種が出荷停止となっている
・海外機種へも波及の可能性がある
・アメリカで賠償訴訟が提起されている
・2022年度通期予想も大幅赤字予想で経営状況悪化
現在の日野自動車は、危機的状況です。
一刻も早く不正問題にケリを付けないと、経営危機に陥る可能性もあります。
詳しく解説します。
国内の大半の機種が出荷停止に
2022年3月に日野自動車は、エンジンの認証において不正をしていたと発表しました。
中型エンジン「A05C(HC-SCR)」は排出ガス性能の劣化耐久試験において、大型エンジン「A09C」および「E13C」は認証試験の燃費測定において、それぞれエンジン性能を偽る不正行為があったことを確認し、エンジン性能に問題があることも判明した
【出典】日野自動車_エンジン認証に関する当社の不正行為について ※太字は著者
この影響で、中型・大型エンジンを使用している国内向け機種の出荷を停止をしています。
公式サイト上でも、現在は「取扱なし」となっています。
この結果2022年1Q決算では、販売停止となった中型・大型トラックの販売台数が半分になっています。
それだけでは、終わりません。
2022年3月時点では「中型・大型エンジンのみ」が不正の対象と発表していました。
しかし、2022年8月に新たに「小型エンジン」でも不正が行われていた事が発覚しています。
これまで認証プロセスにおける不正行為が判明していなかった小型エンジン「N04C(HC-SCR)/2019 年モデル」も今回判明した不正行為の対象となるため、同エンジン搭載の小型トラック「日野デュトロ」についても本日より出荷を停止いたします。
【出典】日野自動車_エンジン認証に関する追加の判明事項について
この結果、日野自動車は「国内向けの機種の大半が出荷停止」に追い込まれました。
日野自動車は国内市場で「年間57,800台」のトラック・バスを販売していました(2021年度実績)。
今回の停止により、この5.7万台のほぼ全てが出荷できない異常事態となっています。
海外機種へも波及の可能性がある
2022年8月時点で日野自動車が生産停止にしているのは、国内機種のみです。
そのため、海外機種は現時点では通常通り生産を継続しています。
2022年1Q決算では、国内の出荷停止影響を海外でカバー。
トータルでは、販売台数を伸ばしています。
ですが、そもそも今回の問題は、アメリカ市場で「排出ガス認証に関する課題を認識」した事が発端です。
北米市場向け車両用エンジンについて、社内にて排出ガス認証に関する課題を認識したことから、外部弁護士の主導の下、自主的に調査を開始し、現地当局への報告を実施しました。これまでの間に米国司法省からの調査も開始されており、当社は当局の調査に全面的に協力しております。
【出典】日野自動車_エンジン認証に関する当社の不正行為について_経緯 ※太字は著者
そのため、今後海外でも同じような問題が起きるのでは?と思った方もいるかと思います。
海外への波及について、今回の不正の調査責任者である榊原一夫弁護士は、以下の通り述べています。
3月の日野自動車の発表にもありますように、今回の調査のきっかけになったのが、北米問題という形で、北米で問題があったので、国内向けのエンジンについても調査したところ、不正行為があって、規制値を逸脱しているようなエンジンが見つかったということで、調査委員会が発足して調査したという契機がありますので、ほかの、海外向けのものについても問題がある可能性はあると思います。
【出典】Yahooニュース_日野自動車会見8月2日 ※太字は著者
このように、現在は国内向けの機種のみが出荷停止となっておりますが、今後北米向け機種にも影響が波及する可能性があります。
もし海外機種の出荷に影響が出ると、日野自動車の経営は更に悪化します。
今回の問題は根深く、国内だけの問題と考えるのは時期尚早です。
アメリカで賠償訴訟が提起
先程も説明したように、日野自動車はアメリカ市場で不正の疑惑が出ております。
現在は米国当局の調査を受けている段階です。
そして、2022年8月に日野自動車は、トラックを購入した人から集団訴訟を受けたことを明らかにしました。
日野自動車は12日、米国で販売された2004年から21年モデルのトラックの購入者らが、過去の不正行為により損害を受けたなどとして、日野自や米子会社、親会社トヨタ自動車に対し、損害賠償などを求める集団訴訟を起こしたと発表した。
【出典】ヤフーニュース_日野自動車に米で賠償訴訟 トヨタにも、不正で損害
現時点で請求額は不明ですが、アメリカの裁判では法外な請求が来ることが多いです。
一部報道では懲罰的な請求になるとも言われております。
訴訟の結果次第では、日野自動車の経営に直結する深刻な問題になる可能性があります。
2022年度通期予想も大幅赤字の予想で経営危機
日野自動車はコロナ禍以降、経営状況が急速に悪化しています。
2020年、2021年と、2年連続で通期決算が赤字となっています。
2020年度EPS:▲13.05円
2021年度EPS:▲147.61円
2022年1Q決算は、ぎりぎり黒字となっております(1Q EPS:+1.26円)
しかし、今後は国内機種の大半が出荷停止となります。
通期予想は出しておりませんが、現状の状況では2022年度も大幅な赤字を出す可能性が非常に高いです。
そして怖いのは、どのくらいの赤字幅になるのか?これがいつまで続くのか全く予想できない点にあります。
今の決算は、小型エンジンの出荷停止や米国の調査の影響は全て含まれておりません。
こうした危機的状況が株価を更に下落させているのです。
こうした不正は今後も続く可能性が高い
不正が起きて株価が下がると、必ずリバウンド狙いで投資をする人がいます。
ですが、不正は企業風土に根ざすものです。
そのため一度では終息せず、何回も繰り返し発生することが多いです。
例えば、日本郵政の不祥事は何回も繰り返されており、その度に株価が下落しています。
大切なお金を不祥事を起こす企業に投じるのは、個人的にリスクが高いと思っています。
特に今回の日野自動車の不祥事は、底が見えておりません。
今後どんな爆弾が爆発するか全く読めない中、投資するのはオススメできません。
まとめ:日野自動車の株価が下落する理由
日野自動車の株価が下がっている理由まとめです。
・国内の大半の機種が出荷停止となっている
・海外機種へも波及の可能性がある
・アメリカで賠償訴訟が提起されている
・2022年度通期予想も大幅赤字予想で経営状況悪化
日野自動車は、国内向け機種の大半が出荷停止となる異常事態に陥っています。
更に海外機種にも派生するリスクがあり、苦しい経営状況となっております。
この記事が日野自動車の経営分析の参考になれば幸いです。
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