明治ホールディングスの株価が下落している理由4選を解説

明治ホールディングスの株価が下落している理由4選を解説 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、明治ホールディングスの株価が下落している理由を解説しています。

      

明治の株価ですが、長期的に見て右肩下がりとなっています。

     

【出典】Google市場概説_明治ホールディングス株価推移
【出典】Google市場概説_明治ホールディングス株価推移

       

ピーク時に1万円でしたが、30%以上株価が下がっております。

    

明治といえば、チョコやヨーグルトなど身近な製品を作っている会社です。

株主優待もあるので、投資を考えている方も多いと思います。

      

ただ投資をする場合は、きちんと株価が下がっている背景を理解すべきです。

そこで本記事では、明治ホールディングスの株価が下がっている要因を分析します。

    

明治への投資を考えている方に役立つ情報をお届けします。

        

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明治ホールディングスの株価が下落している理由4選を解説

      

明治の株価が下がっている理由は、以下のとおりです。

      

・利益額が近年横ばいで、成長していないから

     

明治は、2013年から2015年にかけて、利益を大幅に伸ばしました。

しかし、最近は利益額が横ばいで成長しておりません。

      

【出典】明治ホールディングスEPS,配当金推移
【出典】明治ホールディングスEPS,配当金推移(著者作成)

※注:2021年度にEPSが高いのは、子会社売却益であり一時的要因

      

このように一時期は、利益増への期待感で株価は上昇していました。

しかし最近は、利益が伸びないので徐々に株価が下がっております。

    

以降では、どうして明治の利益が伸びていないのかを詳しく分析していきます。

      

インフレ影響で利益減少

2021年以降、世界的に物価の上昇が進んでおります。

日本でも企業物価指数は上昇しています。

    

【出典】日本経済新聞_企業物価、7月8.6%上昇 17カ月連続で前年超え
【出典】日本経済新聞_企業物価、7月8.6%上昇 17カ月連続で前年超え

       

ピーク時には、前年同月比で10%の物価上昇となっております。

これは1980年代以来の極めて高い数字です。

    

加えて円安も進んでおります。

為替は1ドル130円を超える水準になっております。

    

明治は、脱脂粉乳やチーズなど原価に占める輸入品の割合が多いです。

そのため、円安になると原価が悪化します。

     

【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_輸入品の市況推移
【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_輸入品の市況推移

      

こうしたインフレ・円安の影響で、明治の利益が圧迫されています。

      

【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_コストアップ影響額
【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_コストアップ影響額

      

2022年度の通期でインフレ・円安影響で「270億円も原価が悪化」する見通しです。

2022年度の営業利益予想が925億円なので、経営への影響が大きいことが分かります。

     

節約志向で主力のヨーグルト・チーズの売上ダウン

インフレが深刻化した影響で、消費者に節約志向が広がっています。

明治の主力商品である「ヨーグルト・チーズ」についても、節約志向の影響で売上がダウンしています。

     

【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_ヨーグルト・チーズ
【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_ヨーグルト・チーズ

     

2022年度1Q決算では、前年比で売上が「7.5%ダウン」しております。

特に利益率の良いプロバイオティクスの下落が大きいです。

     

プロバイオティクスとは、「R1」や「LG21」など高付加価値のヨーグルトです。

明治は、これまで付加価値をつけることで、市場が小さくなる中でも利益を伸ばしてきました。

しかし「R1」などは値段が高いので、買い控えが起きております。

     

コロナワクチンの受託生産減

明治は「食品」のイメージが強いですが、実は医薬品も行っています。

明治の売上高1兆円の内、20%弱が医薬品となっています。

     

【出典】明治ホールディング_事業ポートフォリオ
【出典】明治ホールディング_事業ポートフォリオ

       

そして新型コロナウイルスのワクチンについても、明治が受託生産を行っております。

    

2020年、2021年は、コロナワクチンの製造が堅調でした。

しかし、2022年度になってワクチン需要が落ちています。

     

【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_ヒト用ワクチン
【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_ヒト用ワクチン

     

これまで、ほぼ全国民がコロナワクチン接種をしてきました。

しかし、3回目以降の接種は伸び悩んでおります。

こうした事情から、2022年度は減収減益の予想となっております。

     

薬価改定の影響で医薬品の売上ダウン

医療用医薬品の価格は、公定価格として売価が決まっています。

そして公定価格は毎年見直されております。これを薬価改定と呼びます。

    

そして薬価改定は、市場価格を反映して「毎年価格が下がっていく」のが一般的です。

そのため医薬品を製造・販売する会社は、薬価改定の影響で毎年売上・利益が下がる構造になっています。

    

明治では、薬価改定の影響で年間で「50億円」もの利益が目減りしています。(2021年度実績)

     

【出典】明治ホールディングス2021年度通期決算説明資料_医薬品利益増減分析
【出典】明治ホールディングス2021年度通期決算説明資料_医薬品利益増減分析

     

2022年度1Q実績でも、薬価改定が12億円の利益減少要因となっています。

      

【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_医薬品利益増減
【出典】明治ホールディングス2022年度1Q決算説明資料_医薬品利益増減

      

今後も薬価改定で価格は下がり続けていきます。

長期的に安定した利益を得られない事が、株価が伸び悩む一つの要因となっています。

     

明治ホールディングスの今後の見通し【食品の値上げができるか?】

ここまでマイナス要因もご説明してきました。

しかし、明治にも今後売上が回復する可能性があります。

一番大きいのがコロナでの自粛が終わり、日常生活が戻りつつあることです。

     

・通院控えが無くなり、医薬品の売上が戻ってきている

・巣ごもりが無くなり、グミ需要が徐々に回復

     

こうした追い風を背景に、今後売上が回復してくることが期待されます。

一方で利益面では、値上げを断行できるか?が重要なポイントです。

    

食品の値上げは、買い控えに直結するため、値上げが難しいとされてきました。

一方で直近の原料高騰は、明治内で吸収できるレベルを超えています。

そのため、適切な値上げをして利益を維持することが非常に重要です。

    

明治は2022年度の追加値上げも検討しております。

値上げを断行しつつ、販売量は維持する難しい舵取りが求められます。

    

値上げを適切に実施できれば、明治の売上・利益率の上昇も期待できそうです。

     

まとめ:明治ホールディングスの株価が下落している理由

明治の株価が下落している要因まとめです。

     

・インフレ影響・円安影響で利益減少

・節約志向で主力のヨーグルト・チーズの売上ダウン

・コロナワクチンの受託生産減

・薬価改定の影響で医薬品の売上利益ダウン

     

明治は縮小する日本のマーケットにおいて、付加価値を訴求することで利益を伸ばしてきました。

しかし直近はインフレ影響によって、売上・利益が伸び悩んでいます。

     

今後値上げを適切に実施できるかが、株価復活のポイントとなりそうです。

個人的には、明治の食品は好きなので頑張ってほしいと思っていますが、どうなるでしょうか?

      

尚この記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではございません。

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