日本製鉄の赤字はなぜ起きたのか?【赤字の背景・今後の見通し解説】

日本製鉄の赤字はなぜ起きたのか?資材業務について
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こんにちは、コロスケです。

今日は、日本製鉄の19年3Qの決算発表で4,440憶円もの通期赤字を発表したことをまとめていきます。

 

2020年2月7日、日本製鉄は、大幅赤字と日本国内の生産体制の構造改革を発表しました。

 

 

日本を代表する鉄鋼メーカーである日本製鉄の大幅赤字は大きな話題となりました。

 

今回は、日本製鉄の構造改革の中身を解説していきます。

 

・日本製鉄の決算発表の内容が知りたい

・日本製鉄は何故大幅な赤字を計上したのか?

・今後、日本製鉄はどうなるのか?

 

これら疑問を解決していきます。

 

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日本製鉄の赤字はなぜ起きたのか?【赤字の背景・今後の見通し解説】

赤字

 

・日本製鉄の単独事業は三期連続の赤字となっている

・赤字の根本原因は、安く鉄を作れなくなってきたから

・高炉を15基⇒11基(生産能力を-500万トン/年)にする改革を実施

 

日本製鉄は単独事業が3年連続赤字となる深刻な経営状況です。

遅かったですが、ようやく国内の生産体制の見直しを実施することになりました。

 

19年3Qの決算内容まとめ

まずは日本製鉄の決算の内容をみていきます。

 

18年度まではパッと見て悪い内容に見えない

日本製鉄売上利益推移
日本製鉄 業績チャート 【売上・利益推移】

 

売上は下がり気味ですが、なんとか利益を出しており、そこまで悪い状況には見えません。

(18年度が無いのは、18年度よりIFRSに変わって横並びで見ることが出来ないからです)

  

 

日本製鉄有利子負債
日本製鉄 業績チャート 【自己資本比率・有利子負債】

 

自己資本比率は40%程度と良くも無いですが、悪くも無いです。

有利子負債もほぼ横ばいの数値です。

 

日本製鉄キャッシュフロー推移
日本製鉄 業績チャート 【キャッシュフロー】

 

そしてフリーキャッシュフローも毎年プラスを維持しています。

この数値からは、資金繰りに苦しんでいるようにも見えません。

 

実態は国内の赤字を海外が補っている状況

一見、悪くなさそうな経営数字でしたが、内訳を見ると、経営課題が見えてきます。

 

日本製鉄収益状況内訳
【出展】日本製鉄決算資料  https://www.nipponsteel.com/ir/library/pdf/20200207_800.pdf

 

このように日本製鉄単独では3年連続で赤字となっています。

全体の売上が今まで黒字だったのは、「海外事業や鉄以外の事業が支えていたから」です。

 

しかし19年度の見通しが1,360憶円の赤字となり、他の事業でカバーしきれなくなっています。

日本製鉄の経営課題は、「日本国内事業の収益性の悪さ」です。

 

日本製鉄の決算・構造改革の中身

今回の構造改革の中身は以下の通りです。

 

4,900憶円の減損、通期で4,400億円の赤字

今回日本製鉄は、4,900憶円の減損を発表しました。

主に、国内の固定資産の見直しで3,197憶円の減損を実施。

また今回発表した呉工場の休止に伴う費用として787憶円の減損を実施しています。

 

高炉を15基⇒11基(生産能力を500万トン/年縮小)

そして、日本製鉄は国内にある15の高炉を11基に減らすことを発表しました。

主な内容は以下の通りです。

 

日本製鉄生産設備構造対策一覧
【出展】日本製鉄決算資料  https://www.nipponsteel.com/ir/library/pdf/20200207_800.pdf

 

今回の発表で、日鉄日新製鋼の呉製鉄所は一貫休止、つまり完全に終息することになりました。

これらの見直しにより、年間で500万トンの生産能力が縮小されます。

 

日本製鉄の赤字の要因

今回の決算資料に書かれている赤字の原因をまとめてました。

 

・国内の鋼材需要減少⇒供給過多

・生産量減少によりトン当たりの固定費増

・原料高

・古い設備の修繕費など、設備投資費が増えている

・19年度は台風・火災の影響で生産効率ダウン

・物流費用の上昇

・ひも付き材の値上げ交渉が道半ば

 

大幅赤字になるだけに、色々なマイナス要因が見られます。

値上げ要因を整理すると以下の通りになります。

 

日本製鉄の赤字の要因分析

①日本製鉄が安く鉄を作れなくなってきている

②鉄を取り巻く外部環境が悪化している

③供給過多なので、買い手が有利

 

資材・購買部門がすべき対策

今回の国内製造拠点の再編で生産工場が変更となる材料が出てきます。

鉄鋼の担当者は、以下の対応を進めていきましょう。

 

・生産工場変更に伴う、変更手続き

・値上げ要請対策、他社・海外材の認定推進

 

日本製鉄は、供給量を減らすことで、適正な生産量を目指しています、

生産量を減らして次に行うことは、値上げです。

 

日本製鉄は採算が悪く現状の価格ではやっていけないので、工場再編後は値上げを進めてくるものと思われます。

今の内から、値上げ時の対策を考えておく必要があります。

 

今後の鉄鋼業界はどうなるのか?【日本国内の需要減の対応が急務】

鉄鋼

赤字が続く日本製鉄ですが、今後の鉄鋼業界はどうなるのでしょうか。

 

・国内の鉄鋼市場が年々小さくなってきていることの対応が急務

・人の手をかけずに安く鉄を作れるようにする必要がある

・今後追加のリストラや事業再編が行われることを予想

 

今後、日本国内の鉄鋼需要は右肩下がりです。

日本製鉄は、右肩下がりの市場でも適性利益を取れる体制にする必要があります。

 

縮小していく国内市場への対応が急務

 

日本の鉄鋼市場規模推移
【出展】日本製鉄決算資料  https://www.nipponsteel.com/ir/library/pdf/20200207_800.pdf

日本の鉄鋼市場規模は、9400万トンをピークに、18年度は6200万トンに縮小しています。

(19年度は6000万トンと割る予想となっております) 

  

今の日本製鉄に求められるのは、より一層の生産能力の削減です。

今回は500万トンの生産能力削減でしたが、まだ日本製鉄全体の10分の1程度の能力です。

  

日本の市場規模が小さくなるにつれ、更に生産能力の削減が必要になると思われます。

  

安くモノ作りが出来る体制を作ることが必要

今の鉄鋼業界は、生産量の3割~4割を輸出に頼っています。(先ほどの図参照)

 

日本製鉄が輸出で世界と戦おうとするなら生産コストの一層の削減は必須です。

一方で今回の構造改革では、リストラを避けると言及しています。

 

日鉄の右田彰雄副社長は7日の記者会見で「雇用確保を最優先にしていきたい」「希望退職(の募集)についてはまったくやる考えはない」と強調したが、地元の不安はぬぐえそうにない。

https://www.asahi.com/articles/ASN2773Y0N27ULFA02Z.html

 

高炉を減らして、人員はそのままにするのはあまりにも非効率です。

競争力が低下するだけで、ジリ貧です。

 

今は黒字リストラも当たり前の時代になってきました。

日本製鉄は早急に人員を整理して安く鉄を作れるようにするべきです。

 

まとめ:今後の日本製鉄の国内再編は続くと予想

 

まとめです。

 

・高炉を15基⇒11基に減らす大規模な再編を実施

・日本製鉄は安くモノ作りが出来る体制を作ることが急務

・日本製鉄の国内再編は今後も続くことを予想

 

個人的な意見ですが、日本製鉄は日本でこれ以上頑張らない方が良いと思っています。

日本メーカーは海外生産・現地調達にシフトしており、日本市場の価値は下がっています。

 

日本市場は、供給量を大幅に減らし、人員削減を進めてコンパクトなモノ作りをしていってほしいです。

小さい規模でも安くモノ作りが出来る体制が必要です。

(買い手側からすると、余剰人員を温存し値段を上げるのには納得が出来ません)

 

そして日本では無く、海外事業にリソースを集中していくべきと思います。

   

このブログ( Corosuke blog)では、僕が働く「資材・購買業務の紹介」や「日々の生産性向上による生活の質UP」「投資を通じた自己実現」などをまとめています。

良かったら、他の記事も読んでみて下さい。きっとあなたの役に立つ情報があると思います。

 

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