こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、大塚ホールディングスの株価が下落している理由を解説していきます。
ここ最近、大塚ホールディングスの株価が下がっています。
大塚ホールディングスは、グローバルに活躍する優良企業です。
そんな大塚ホールディングスの株価がなぜ下落しているのでしょうか?
そこで本記事では、大塚ホールディングスの株価が下落している理由と今後の見通しを解説していきます。
大塚ホールディングスへの投資を考えている方に役立つ情報をお届けします。
大塚ホールディングスの株価が下落している理由を解説
大塚ホールディングスの株価が下がっている要因をまとめました。
・EPSが伸びていない
・直近での業績下方修正
・コングロマリット・ディスカウントで割安に評価されている
・相対的にディフェンシブセクターの魅力が低下
・創業家が株式売却との噂
大塚ホールディングスは、業績が安定しており、財務体制も良好な優良企業です。
ですが、最近は上記要因により、株価は下落傾向にあります。
詳しく解説します。
大塚ホールディングスの概要をざっくり解説
大塚ホールディングスの概要をまとめました。
・医薬品事業、ニュートラシューティカルズ事業等を運営
・売上1.7兆円、営業利益1,500億円(2022年度実績)
・海外比率が62%のグローバル企業
・売上の66%が医薬品事業
・医薬品は「精神・神経領域」や「がん・がんサポートディブケア領域」に強み
・ニュートラシューティカルズは、ポカリスエットやカロリーメイトが有名
・買収、提携によって、売上・利益拡大を図っている
大塚ホールディングスは、医薬品・ニュートラシューティカルズ事業等を運営しています。
(ニュートラシューティカルズ:Nutrition(栄養)とPharmaceuticals(医薬品))
2022年度の売上は1.7兆円と、国内でも有数の医薬品メーカーです。
買収・提携等も積極的に行い、年々売上を伸ばしております。
大塚といえば、ポカリスウェットが有名です。
そのため食品系のイメージが強いのですが、実は医薬品事業が売上の66%を占めています。
また、海外にも積極的に展開しており、海外の売上比率が62%となっております。
そんなグローバル企業である大塚ホールディングスは、なぜ株価が伸び悩んでいるのでしょうか?
大塚ホールディングスはEPSが伸びていない
大塚ホールディングスは、長期的に売り上げを伸ばしています。
その一方でEPS(1株当たりの純利益)は、あまり伸びていません。
ご覧の通り、EPSは200円~300円前後のレンジで推移しております。
売上は伸びていますが、利益率が低下している状況です。
(2022年度の営業利益率は10%を割りました)
EPSは、企業の価値を測る上で一番重要な指標です。
そのEPSが右肩上がりでない=営業利益率が下落していることから、株価は伸び悩んでいるのです。
2022年2Q決算で業績下方修正
大塚ホールディングスは、2022年2Q決算で通期の決算予想を下方修正しました。
業績が下方修正された要因は、以下の通りです。
・急激な円安による医療関連事業における売上原価の大幅な増加
・腎性貧血治療薬バダデュスタット等に係る減損損失
・アケビア社との契約終了に伴う経費を含む一過性費用
円安は、海外比率が高い大塚ホールディングスにとってはプラス影響が大きいです。
一方で円安になると、海外事業での研究開発費・経費が増加します。
2022年度は、急激な円安が進んだことで、売上原価が大幅に悪化しました。
加えて、医薬品事業での減損や一過性費用なども発生したことで、利益面が大きくマイナスとなりました。
こうした利益減によって、株価は下落傾向にあります。
コングロマリット・ディスカウントで割安に評価
大塚ホールディングスは、医薬品とニュートラシューティカルズ事業など、業種の異なる複数の事業を運営しております。
事業が複数存在すると、経営資源が分散したりするなど、マイナス面があります。
加えて企業価値も、複数事業を運営していると適正な価値で評価されにくく、割安な株価になりやすいと言われています。
こうした複数の事業を持つことで、株価が割安に評価されることを「コングロマリットディスカウント」と言います。
近年は企業価値向上のため、主力でない事業を売却し、本業に注力する企業が増えております。
実際大塚ホールディングスは、利益の大半を医薬品事業が占めております。
そのため、一部の株主からも「ニュートラシューティカルズ事業」を売却して、医薬品事業にリソースを集中すべきでは?という声が出ております。
NC 関連事業は素晴らしい事業だが、個人的には大塚ホールディングスの市場価値を毀損していると考えている。大塚ホールディングスの中における NC 関連事業の位置づけは変わらないのか?また最近大塚らしさが伝わってこないと感じている
【出典】大塚ホールディングス_2022年度本決算カンファレンスコール 質疑応答議事録
こうしたコングロマリットディスカウントによって、株価は他の医薬品メーカーよりも割安傾向にあります。
相対的にディフェンシブセクターの魅力が低下
2023年現在、各種原材料が高騰しております。
その影響で、原材料を扱う企業(総合商社等)の利益が大きく伸びています。
また2023年は、日本でもインフレが加速しております。
日銀総裁の変更とも重なり、金融緩和見直しによって「政策金利が上昇するのでは?」という予想があります。
その結果メガバンクなど、銀行セクターの株価が上昇しております。
大塚ホールディングスは、そこまで業績が悪い訳ではありません。
しかし他のセクターの調子が良いので、相対的に医薬・食品を扱う大塚ホールディングスの株価の魅力が低下しています。
その結果、投資家の資金はヘルスケア・食品セクターから、銀行・商社セクターへ移っております。
この影響で、大塚ホールディングスの株価は下落傾向にあるのです。
創業家が株式売却との噂
2022年3月、一部ニュースで大塚ホールディングスの創業家が株式を売却したという発表がありました。
大塚ホールディングスが急落。ロイターは3日13時16分、同社株が2日にブロックトレードによって売却されていたことが分かったと報じた。売却株数は1360万7900株で、売却総額は約521億円だという。同社グループの創業家で、大塚家の資産管理会社である大塚エステートが売却したとしている。
【出典】TRADERS WEB_大塚HD-急落 創業家資産管理会社がブロックトレードで保有株売却と報道
売却数は、1360万7900株と言われています。
これは総株式の2.5%程度に相当します。
創業家が売却しても、総株数は変わりは無いためEPSには影響は与えません。
しかし市場での流通株数が増えることから、一般的には株価にはマイナス影響を与えます。
大塚ホールディングスからの正式発表が無いため、真偽は不明ですが、こうしたニュースにより、株価は下がっております。
大塚ホールディングスの株は買い?
大塚ホールディングスですが、減損はありつつも、業績をうまくコントロールしている印象があり、医薬品セクターの一角として保有するのはありかなと感じています。
一方で、現時点ではまだ買うタイミングは早いかなと思っております。
・株主還元(特に自社株買い)が競合他社と比べると消極的
・配当利回りが低い
全体的な相場が下がるタイミングで、少しずつ買っていくならありかなと思いました。
まとめ:大塚ホールディングスの株価が下落している理由
大塚ホールディングスの株価が下がっている理由まとめです。
・EPSが伸びていない
・直近での業績下方修正
・コングロマリット・ディスカウントで割安に評価されている
・相対的にディフェンシブセクターの魅力が低下
・創業家が株式売却との噂
大塚ホールディングスは、上記要因で株価が下落傾向にあります。
医薬品の優良セクターなので、個人的にはチャンスがあれば狙っていきたいと思います。
この記事が大塚ホールディングスの業績分析の参考になれば幸いです。
なお本記事は、著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではありませんのでご注意下さい。
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