こんにちは、コロスケです。
今日は資材部員/購買部員のための交渉術について書いていきます。
資材部員は日々色々な場面で交渉することが求められています。
代表的な交渉と言えば価格交渉ですが、それ以外にも納期交渉、資料提出の依頼交渉、品質問題の対応における交渉など、交渉の種類は多種多様です。
資材部員は交渉内容、自分が置かれた状況、交渉相手などによって、交渉の進め方や手法を変えていきます。(意識していない資材部員も多いですが・・・)
交渉の手法を多く持っている資材部員は、その場、その場の交渉に適切なスタイルを確立することで、交渉を有利に進めることが出来ます。
今回は、僕が10年間資材部員として働いてきた経験から得た「資材部員の交渉術」についてまとめていきます。(その中でも普段はなかなか出会わない交渉スタイルをご紹介していきたいと思っています)
今回のテーマは、「竹やり特攻隊」という交渉術についてです。
聞いたことが無い交渉術だと思いますが、たまーに用いられる手法です。交渉が行き詰まった時に有効な方法ですので、これを機会に是非新しい交渉術を学んでみましょう。
※注
このネーミングは僕が交渉方法からイメージしたものであり、広く一般に知れ渡っている名称では無いことを予めご了承願います。
またこの手段を用いる場合は自己責任でお願い致します。
資材/購買部員のための交渉術1 竹やり特攻隊戦術とは何か?
使用難易度:★ ★ ★ ★ ☆ (使い時が難しい)
インパクト:★ ★ ★ ★ ★ (相手に衝撃を与えられる)
効果 :★ ★ ★ ★ ☆ (停滞した交渉を打破できる)
この手法は、「こちらの主張が正しいにも関わらず、相手が誠実な対応をしない時」に用います。
普段はなかなか使うことが無い手法ですが、ここぞという場面で使うと、相手に衝撃を与えることが出来る手法です。
①上司と部下がタッグになって交渉に臨む
②部下が機先を制して、取引先を叱責したり、怒りをぶちまける(竹やり特攻)
③場が乱れたところで上司が仲介・場を収める
④今までの流れを無視し、上司が少しこちらに有利な案を妥結案として提示
上記が基本的な流れです。
この手法は、通常取引先に対しては「紳士にかつ感情的にならずに対応すべき」という基本ルールに逸脱している、劇薬型な交渉手法です。
正しいやり方を熟知して、自己責任で用いるようにしましょう。具体的に一つずつ解説していきます。
上司と部下がタッグになって交渉に臨む
この交渉では上司と部下がタッグになる必要があります。同僚2名でもいけません。上下関係がある人物2名が交渉に参加する必要があります。(理由は次で説明いたします)
そして、舞台の演劇のように役割を決めて交渉に臨みます。
どうして事前に役割を決める必要があるの?
交渉に出たとこ勝負で臨む人が非常に多いですが、それで成功するのは生まれつき話術が巧みな人です。
僕たち普通の資材部員は、生まれつき話術が巧みではないので、事前準備をする必要があります。
そしてこれは、上司/部下と参加する打合せでも同じことです。打合せの前に上司/部下と以下内容についてすり合わせしておきましょう。
・今までの交渉経緯の説明
・交渉の方針・打合せの結論のすり合わせ
・交渉で言ってほしいこと、言ってほしくないことの説明
交渉の席でたまに、味方同士の意見が統一出来ていなかったりする取引先を見ますが、対峙している側からすると、白けてしまいます。
交渉に説得力を持たせる上で一貫した論理は必要不可欠です。こうしたボロを出さないようにまずは自分の上司/部下との意見を統一しておきましょう。
打合せ前に上司/部下と情報すり合わせるのは大事だね
部下が機先を制して、取引先を叱責したり、怒りをぶちまける
打合せで最初の口火を切るのは部下です。
部下は、こちら側の要望が正論であるにも関わらず、それに対して紳士な回答をしない取引先を叱責し、取引先への怒りをぶちまけます。
僕はこれを「竹やり特攻」と呼んでいます。
どうしてそんな激しいやり方を取るの?
自分たちの主張が正しいにも関わらず、いつまでも交渉が進展しない場合に、その交渉の停滞を一気に打破するために激しいやり方が用いられます。
竹やり特攻はこんなときに用いましょう。
・こちらの主張が正しい場合
・相手の取引先が紳士に対応しない場合
・相手の取引先がこちらを舐めている場合
正義は我にあり!相手の不誠実を正す!というとき以外に、この手法を用いると失敗しますし相手の取引先からの信頼を失います。
相手に非がある時のみに特攻=相手の非を非難するようにしましょう。
場が乱れたところで上司が仲介・場を収める (妥結案の提示)
基本的には、相手の取引先に非があるので、竹やり特攻した部下が言いたいことを言いまくると、大抵は場がしーんとなります。
こうなると基本的に収まりどころが見当たらず、結論までもっていくことが難しくなります。
そこで、今まで黙っていた上司の出番となります。上司は場が乱れまくったことを確認した上で、助け舟を出します。
弊社の希望は、先ほど部下が色々申し上げました通りですが、御社の事情も良く分かります。
そこで、今回は現実的な妥結点として、〇〇〇(現実的な提案・ややこちら有利)ということにしましょう。
取引先が「えっ、どうやってこの打ち合わせの決着をつけるの?」と困り果てたところで、上司が仕切り直すことが大事です。
この「まあまあ」という役割は部下にはできない仕事です。(上司がブチ切れて、部下がなだめるというのは役割的にありえないですよね)
この竹やりとなだめる作戦で、今までの交渉の停滞感をぶち壊してこちらのペースに持っていくことが可能です。
そして、この時の上司は相手に諾否を確認せずに「もうこれで行きましょう」くらいの勢いで話を進めましょう。そしてなし崩し的に妥結にまでもちこむことが出来ればBESTです。
竹やり特攻戦術のメリット
竹やり特攻戦術のメリットは以下の通りです。
・こちらの主張を衝撃をもって相手方に伝えることが出来る
・担当レベルの交渉では停滞している状況を打破できる可能性がある
・こちらの熱量に相手がびっくりして、取引先が妥協してくれる可能性がある
本当にこれでうまくいくのかなぁ?
この手法を使うときは、こちらの主張が正しいにも関わらず相手が紳士に対応しなかったり、こちらを舐めている場合に使うショック療法です。
この交渉で当方が望む回答が引き出せなくても、少なくとも今後取引先が僕たち資材部員への対応が変わってきます。
少なくとも、失礼だったり、舐めた対応を取ることにリスクがあると感じるようになり、今後の交渉がやりやすくなります。
竹やり特攻戦術を用いる場合の注意点
相手の取引先を叱責したり、怒りをぶちまける行為は通常行ってはいけない行動です。
そのため、この手法を用いる場合は以下のポイントに注意しましょう。
・必ずこちらが正しい主張をしているときに用いる
・相手が紳士的に対応しない時に用いる
・打合せの終わりに遺恨を残さないようにする
・途中で笑ったりしない
こちらの主張が正しくないときに用いるとこれはヤクザです。資材はヤクザな商売ですが、それでもそうならないように注意しましょう。
こちらが正しい主張をしていていても、相手が誠実に対応している時は、この手法は用いてはなりません。相手の努力・誠実さを裏切る行為になり、取引先の信頼を失います。
また、ビジネスで重要なことは後々遺恨を残さないことです。もちろんビジネスで利害関係が対立することはありますが、それは交渉の間だけの話です。打合せが終わればノーサイドです。遺恨を残さないカラっとした関係にしましょう。
最後に、意外と忘れやすいですが交渉中に笑ったりすると、交渉が一気に台無しです。相手も「あっ、そんな本気じゃないんだね」と間違って受け取るからです。そしてその後も恐らく本気で怒ってもあまり真剣に受け取ってくれなくなるでしょう。
使い方を誤ると、トラブルになる手法だから注意して用いようね
最後に
普段はあまり用いない交渉手法ですが、「困った・・・」「相手が言うこと聞かない・・・」など状況を変えたい時には使える手法です。
このような逆境の時にどうやって有利に交渉を進めていくかが資材部員の腕の見せ所ですので、色々な状況で使える交渉手法を覚えるのはとても有効です。
また、一般的な価格交渉の手法が知りたいという方は、以下の記事をご覧ください。
この記事を通じて、資材の交渉について興味を持ってもらえると嬉しいです。
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