資生堂ショック!資生堂の株価はなぜ下落しているのか詳しく解説

資生堂ショック!資生堂の株価はなぜ下落しているのか詳しく解説 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、資生堂の株価は何故下落しているのか分析しています。

         

最近、資生堂の株価が急落しています。

      

【出典】Google市場概説_資生堂株価推移
【出典】Google市場概説_資生堂株価推移

        

ピーク時と比べるとかなり割安に見える事から、投資を検討している方も多いと思います。

ですが、株価はまだ下がるリスクが高いって知っていましたか?

安易に飛びつくと、含み損を抱える可能性が高いです。

     

この記事では、資生堂への株価が下落している理由を詳しく分析していきます。

資生堂への投資を考えている方に役立つ情報を提供します。

       

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資生堂ショック!資生堂の株価はなぜ下落しているのか詳しく解説

       

資生堂の株価が下落している理由を4つまとめました。

       

・主力の中国事業が中国の景気後退により厳しい見通し

・インバウンドを前提とした積極投資が今は重荷に

・元々の株価があまりにも割高すぎた

・米大手化粧品銘柄の株価の下落に追随

       

資生堂は、現在厳しい状況に直面しています。

今後利益をV字回復できないと、株価は更に下がる可能性もありそうです。

詳しく解説します。

      

主力の中国事業が中国の景気後退により厳しい見通し

資生堂は日本だけでなく、グローバルに事業を展開しています。

そして海外では、中国を第二の本社と位置づけております

実際、売上の1/4が中国であるなど、中国への依存度が高いのが特徴です。

       

【グラフ】資生堂2021年度事業別売上高比率
【グラフ】資生堂2021年度事業別売上高比率

       

しかし、主力の中国市場は、景気後退局面に差し掛かっています。

      

・不動産投資への締付け

・コロナ対策のロックダウン

    

中国では長らく不動産バブルが続き、不動産価格が高騰していました。

その対応として中国政府は、不動産投資への締付けを実施しています。

その結果、不動産企業の経営不振へと繋がっています。

      

        

2022年4月は、新築住宅の販売が大きく減少している事もニュースになりました。

     

野村のアナリストが13日にリポートで明らかにしたところによると、WINDが調査した4月1─12日の30都市の新築住宅販売件数は前年比55.6%減少した。

【出典】ロイター_中国の新築住宅価格、3月も前月比横ばい需要低迷

     

加えて中国では、ゼロコロナ政策が続けられております。

新規感染者数が出た段階で、大規模なロックダウンが行われております。

     

中国上海では、1ヶ月以上ロックダウンが続くなど、経済へのダメージが懸念されております。 

      

      

ロックダウンによる外出制限により、資生堂の化粧品の売上が大きく減少することが予想されます。

中国市場の市場環境が厳しくなった事が、資生堂の株価にマイナスとなっています。

      

インバウンドを前提とした積極投資が今は重荷に

日本は近年、訪日外国旅行客数が伸びていました。

そこでは「爆買い」と呼ばれる外国人観光客の旺盛な需要が続きました。

    

資生堂は、空港免税店での販売や、訪日観光客の爆買い需要に支えられ、売上を伸ばしてきました。

あまりに急速な需要増に供給が追いつかないことから、資生堂は「1,700億円超」の投資を行い、工場を新設しました。

     

国内外の化粧品需要拡大に対応し、今後の更なる成長性を確保するため、中長期的に安定した供給体制の確立が不可欠と判断し、現在建設中の那須工場、大阪新工場(仮称)に続き、新たな工場の建設を決定しました。なお、現在建設中の工場、九州福岡工場建設、既存工場の増強を合わせ、約1,700億円超の投資となる見込みです。

【出典】資生堂_資生堂、新工場を福岡県久留米市に建設

       

しかしその後、新型コロナウイルスの流行により、訪日観光客は激減しました。

       

【出典】観光庁_訪日外国人旅行者数・出国日本人数推移
【出典】観光庁_訪日外国人旅行者数・出国日本人数推移

      

上記の通り、ピーク時に3,000万人以上だった訪日観光客がほぼゼロになりました。

インバウンド需要を見込んだ投資でしたが、結果的に過剰投資の状況に陥っています。

      

その結果、設備投資の償却が重くのしかかっています。

      

【グラフ】資生堂減価償却費推移(著者作成)
【グラフ】資生堂_減価償却費推移(著者作成)

     

インバウンド需要が消滅した現在、新工場は明らかに過剰な投資となってしまいました。

売上が伸びない中、設備償却が利益を目減りさせる悪循環になっています。

    

そもそもジェレミー・シーゲル博士著「株式投資の未来」では、積極的な設備投資は必ずしも株主に高いリターンをもたらさない事が証明されています。

    

こうした過剰な設備投資が、資生堂の株価の下落要因の一つとなっています。

     

      

元々の株価があまりにも割高すぎた

資生堂は、その圧倒的な知名度から投資家に人気の銘柄となっています。

加えて資生堂は、株主優待も用意しており、それが資生堂人気に拍車をかけています。

       

【出典】資生堂_株主優待のご案内
【出典】資生堂_株主優待のご案内

      

その結果、資生堂の株価はかなり割高な状態となっています。

株価の割安さを測るPERという指標は、50倍前後となっております。

(倍率が低いほど、割安となる)

      

【グラフ】資生堂PER推移(著者作成)
【グラフ】資生堂PER推移(著者作成)※20年度は赤字のためマイナス

       

日経平均のPERが10倍台なので、相当な割高な状態です。

こうした高PER銘柄は、株価が下がる時は想定以上に下げる傾向があります。

    

特に優待バブルが終わった事で、優待銘柄の多くが暴落しています。

      

        

資生堂はあまりに割高な株価であり、見通しが悪くなると想像以上に下がる可能性があるのです。

     

米大手化粧品銘柄の株価の下落に追随

最近アメリカの大手化粧品メーカーである「エスティ・ローダー」が通期の見通しの引き下げを発表しました。

この発表を受け、他の化粧品銘柄も同様に先行きが不安視され、資生堂の株価も連れ立って下落しております。

     

米化粧品大手エスティ・ローダーA<EL>が3日、四半期決算とともに通期見通しの引き下げを発表。中国の新型コロナウイルスに関する規制やウクライナ侵攻の影響などを要因としており、これを受けて同日のエスティローダー株は一時急落

【出典】Kabutan_化粧品株が安い、米エスティローダーが通期見通し引き下げで

    

中国市場の景気後退、ロシアとウクライナの戦争など、懸念要因が多いことも、株安の要因となっております。

     

2022年度2Q決算で通期業績を下方修正

こうした逆風により、資生堂は通期の業績予想を下方修正しました。

    

【出典】資生堂2022年度2Q決算短信_通期連結業績予想見直し
【出典】資生堂2022年度2Q決算短信_通期連結業績予想見直し

        

当社は 2022 年 12 月期の上半期に、日本国内の化粧品市場の回復の遅れや、中国上海を中心としたロックダウンの影響等を大きく受けました。足元の市場環境を踏まえて、下半期以降、主に日本および中国の市場前提の見直しを行うとともに、中長期の成長に向けたブランド価値を強化するためのマーケティング投資や人財投資を実施する予定です。これらを織り込み、売上高は 50 億円減額し 1 兆 700 億円、コア営業利益は220 億円減額し 400 億円と、それぞれ予想数値を修正します。

【出典】資生堂2022年度2Q決算短信_通期連結業績予想見直し

       

中国はいまだに「ゼロコロナ政策」を続けており、中国市場が復活するのには、相当な時間がかかりそうです。

       

資生堂ショックは買い?株価の下落で買うべき?詳しく解説

      

では、資生堂の株価が下がったタイミングで、株を買うべきでしょうか?

      

・高PERの割高銘柄は下落幅も大きくリスク大

・アフターコロナでインバウンド需要が戻らないと厳しい

・優待がほしい人は、自分のお金で商品を買いましょう

     

高PERの割高銘柄は下落幅も大きくリスク大

2022年は、世界的に金利上昇局面となっております。

今まで高PERだった銘柄も、金利上昇と共に株価が大きく下落しています。

    

また日本のヘルスケア銘柄(花王・ライオンなど)も暴落しております。

     

        

このような状況を踏まえると、資生堂の今の割高な価格はかなりリスクが高いと思っています。

株価の下落に釣られて安易に購入すると、大きな含み損を抱える可能性があります。

    

個人的には2,000円前後が適正価格と思っており、今の株価ではさすがに手が出せないと思っております。

    

アフターコロナでインバウンド需要が戻らないと厳しい

資生堂は、訪日観光客が伸びないと大きく売上・利益は伸びません。

世界的には、徐々に国の移動も正常化する動きが進められております。

しかし、完全に戻るにはまだ時間がかかる見通しです。

     

インバウンド需要がいつ完全に戻るかは誰にもわかりません。

そのため資生堂へ投資を検討する場合は、インバウンド需要が戻るまで粘り強く保有し続ける前提で投資すべきと考えます。

       

優待目当てでの投資はおすすめしない

現状資生堂の単元は、50万円ほどです。

単元が高い銘柄なので、万が一含み損になった場合の損も大きいです。

    

先程説明したように資生堂は、高PER銘柄です。

下がる時は、想像以上に下がる可能性があります。

    

万が一購入後に暴落した場合、かなりの含み損になる事が想定されます。

化粧品1つのために、リスクを負うのは割に合わないです。

    

化粧品がほしい場合は、自分で買う方が無難です。

あくまで優待はおまけです。

バリュエーションをみて、適正な株価で購入するようにしましょう。

       

まとめ:資生堂ショック!資生堂の株価はなぜ下落しているのか?

資生堂の株価が下落している原因をまとめました。

      

・主力の中国事業が中国の景気後退により厳しい見通し

・インバウンドを前提とした積極投資が今は重荷に

・元々の株価があまりにも割高すぎた

・米大手化粧品銘柄の株価の下落に追随

      

資生堂は、現在苦しい経営状況となっております。

それを受け株価も下落傾向にあるので、投資をする際は注意しましょう。

    

尚本記事は、著者の個人的意見をまとめたもので、投資を推奨するものではありません。

投資をする場合は、ご自身の判断でお願い致します。

        

      

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