この記事では「みずほの株価がなぜ安いのか」「みずほの株価が上がらない理由」を解説しています。
みずほフィナンシャルグループの株価は何で安いの?
こんな疑問に答えます。
みずほFGみずほの株価がさえません。
株価が徐々に下がってきております。
PERも10倍未満と、かなり割安な水準です。
単元も安い&配当も高いので、みずほへの投資を検討している方も多いのでは無いでしょうか?
でも、みずほの株価が安いのには、それなりの理由があるのを知っていますか?
投資をするなら、投資先のリスクは知っておくべきです。
そこで本記事では、「みずほの株価が安い原因」と「今後の見通し」を解説します。
みずほへの投資を考えている方へ、役立つ情報をお届けします。
みずほFGの株価はなぜ安いのか?みずほ銀行の株価が上がらない理由
みずほの株価が安い原因は、以下の3つです。
・海外事業の出遅れ
・システム障害が多発(致命的)
・ゼロ金利政策のせいで、稼げなくなっている(銀行全般)
みずほFGは、ゼロ金利政策の影響で稼ぐ力が年々落ちています。
加えてシステム障害が起きるなど、企業のブランドに傷がついており、株価が低迷しています。
以降では、みずほの株が何故安いのかを深堀りしていきます。
海外事業の出遅れ
みずほは、競合(三菱UFJ)と比べて、海外への進出が遅れています。
■みずほ
■競合(三菱UFJ)
みずほの海外比率が28%に対して、三菱UFJの海外比率は37%です。
日本は人口減少により、今後市場が縮小していきます。
今後売上の減少を補完するために、日本企業は海外に活路を求めています。
一方でみずほは、ライバルに比べて海外への進出が遅れています。
その結果、株価が伸び悩んでいるのです。
でも何で、みずほは海外展開が遅いの?
みずほの海外展開が遅い理由は、国内の構造改革に注力していたからです。
みずほは、収益性改善を目的に「固定費の削減」に取り組んでいます。
人員を1.9万人削減するなど、固定費の削減を優先した結果、海外展開が遅れたのです。
システム障害が多発(致命的)
みずほ銀行は、過去何回もシステム障害を起こしています。
その結果、入出金ができなくなるなど、業務に支障が生じております。
みずほ銀行でまた、現金自動預払機(ATM)などが一時利用できなくなるトラブルが発生した。同行でシステム障害が表面化したのは今年だけで7回目。しかも今回は、8月下旬に起きた障害の原因を解明する途上で障害を繰り返したことになる。止まらない失態に、同行に対する利用者の不安は一段と高まりそうだ。
【出典】JIJI.COM_みずほ、障害止まらず 原因解明途上また失態
みずほは2002年・2011年・2021年に、システム障害が起きています。
何度もトラブルが起きたことで、みずほ銀行への信頼は失墜しました。
行政指導も行われ、顧客離れも進みました。
銀行業務の本質である「入出金」に不安があることが、株価の低迷につながっています。
ゼロ金利政策のせいで、稼げなくなっている(銀行全般)
みずほに限らず、銀行は「ゼロ金利政策」の影響で稼げなくなっています。
ゼロ金利政策とは、日本銀行がみずほへお金を貸す時の金利を「ゼロ付近」に誘導することです。
政策金利を限りなくゼロ近くに誘導する金融政策。
政策金利をゼロにすることにより、銀行はただ同然で資金を調達できるため、企業への融資がしやすくなり、お金の流れが活発化し、景気を刺激する効果が得られます。
【出典】大和証券_金融・証券用語解説 [ゼロ金利(政策)]
銀行は利ざやで儲けるビジネスです。
金利がゼロになると、お金を貸しても儲かりません。
その結果、みずほの収益性も年々悪化しています。
このように経常利益率が毎年下がっています。
利益が出なくなっていることが、株価が伸びない原因です。
みずほFGの株価はなぜ安いまま?今後の見通しを詳しく解説
みずほの株価は今後どうなるの?
みずほFGの今後の見通しは、以下の通りです。
・システム障害の根は深く、再び起きる可能性がある
・フィンテックの台頭で今後オワコンになるかも
・同じ銀行なら、株主還元の意識が相対的に高い他のメガバンがおすすめ
みずほは、今後フィンテックの台頭によりオワコンになるリスクがあります。
そのため、株価の大きな伸びは期待できません。
更に再びシステム障害が起きる可能性もあり、安心して保有できません。
同じ銀行銘柄で投資するなら、個人的には三菱UFJや三井住友の方がオススメです。
システム障害の根が深い(また起きる可能性がある)
みずほのシステム障害の原因は、みずほへ合併した時の「最初のシステム開発」にあります。
三菱UFJや三井住友は、1社が主導して開発を進めました。
一方みずほの場合は、経営統合した3社が主導権を譲らなかったので、システム開発が複雑化したと言われています。
みずほは日本IBM、富士通、日立製作所、NTTデータのマルチベンダーの4社体制を活かして統合した」(みずほ銀関係者)
システムの主導権を3行とも譲らなかったわけだ。結果、開発・移行作業は複雑化し、総投資額は4000億円超、開発工数推定35万人月まで膨らんだ。「システムのサグラダファミリア」と揶揄されるほどだった。
【出典】文春オンライン_“1万9000人リストラ策”の影響も…みずほ銀行「大規模システム障害」が繰り返されるワケ
2021年のシステム障害の原因は、主に2つあります。
・IT人材の不足
・企業風土の問題(問題を抑止・解決するという姿勢が弱い)
これらは、いずれも短期間で解決するのが難しいです。
特にみずほの「事なかれ主義」は、深刻です。
社員の仕事への向き合い方は、そう簡単に変えられません。
そのため、今後も同じような「システム障害」が起こる可能性があります。
そしてシステム障害が起きるたびに、みずほの信用が失墜します。
投資家としては、安心して保有出来ないです。
フィンテックの台頭で今後オワコンになるかも
銀行は、金貸し業です。
ですが最近は、銀行に頼らずとも資金を調達できる仕組みが増えました。
・クラウドファンディング
・仮想通貨
・スマホアプリ
クラウドファンディングは、貸し手と借り手を結びつけるサービスです。
仮想通貨では、銀行を介することなくお金のやり取りを可能にします。
また最近では、paypayなどのスマホアプリを通じでお金のやり取りが可能になりました。
このように新たな金融テクノロジー=フィンテックが、銀行の領域を侵食しています。
今後もこの流れが続くので、みずほ株の大きな値上がりは望めそうにありません。
同じ銀行銘柄なら、他のメガバンがおすすめ
一方で、みずほは高配当銘柄です。
配当目当てで保有している方も多いと思います。
もし銀行銘柄がほしいなら、個人的には三菱UFJと三井住友の方がオススメです。
例えば、株主還元で一つである「自社株買い」では、圧倒的に三菱UFJが勝っています。
【2013年~2021年の自社株買い累計額】※出典IRバンク
みずほ→506億円
三菱UFJ→1兆3,294億円
また配当金は、みずほ横ばい、三菱UFJは増配となっています。
みずほの方が人気がない分、配当利回りが高いです。
ですが、三菱UFJは毎年のように増配しており、今後も期待が持てます。
このように同じ銀行株なら、株主還元に積極的な他のメガバンの方がおすすめです。
まとめ:みずほの株価はなぜ安いのか?今後も株価は上がらない・・・
本記事のまとめです。
・みずほは、システム障害&海外への出遅れで株価が低迷
・今後はフィンテックの台頭でさらに厳しくなりそう
・同じ銀行株を買うなら、株主還元に積極的な他のメガバンがおすすめ
みずほは、高配当として有名ですがそれなりにリスクがあります。
特にシステム障害は再び起こる可能性があるので、安心して投資が出来ません。
どうせ銀行に投資するなら、三菱UFJや三井住友の方がオススメです。
また投資する際も、銀行特有のリスク(ゼロ金利等)を知った上で、分散投資を徹底しましょう!
尚本記事は、著者の考えをまとめたものであり、投資を推奨するものではありません。
投資する際は、自己責任で宜しくお願いいたします。
コメント