村田製作所の将来性について知りたいな。
こんな疑問に答えます。
村田製作所は、日本を代表する電子部品メーカーです。
コロナ禍においても、売上・利益を大きく伸ばしている超優良企業です。
でも村田製作所の競争力の源泉は、どこにあるかご存知ですか?
この記事では、村田製作所と10年以上取引してきた著者が「村田の強さの秘密」を解説していきます。
村田への投資を考えている、村田と取引をしている方に役立つ情報を提供します。
村田製作所はなぜ世界のトップ企業であり続けられるのか?詳しく解説
村田製作所の強さの秘密を4つ挙げました。
・車の電装化&EV化で、MLCCの需要が伸び続けているから
・MLCCサプライヤーは寡占化している
・村田製作所のモノ作り力は世界トップクラスだから
・経営がとても上手
村田製作所は、まだまだ今後も成長します。
僕は村田製作所と取引をしていますが、村田の強さを肌で実感しています。
以降では、村田のIR資料と僕自身の経験を踏まえて「なぜ村田は世界のトップなのか」詳しく分析していきます。
車の電装化&EV化で、MLCCの需要が伸び続けているから
近年、車の電装化が進んでいます。
今まで電子部品は、家電やパソコン中心に使われるものでした。
ですが最近は、車に様々な機能が付与されています。
その結果、電子部品は車の分野のシェアが急拡大しています。
村田の主力製品であるMLCC(積層セラミックコンデンサ)も、2019年→2025年で「1.5倍」に伸びる見込みとなっています。
また100年に一度の変革と呼ばれる、車のEV(電気自動車)化も、村田にとっては追い風です。
EV化により1台あたりの車に占める「MLCCの搭載数が大きく伸びる」事が分かっています。
このように、MLCCの使用量は3倍以上になります。
単純計算で需要が3倍になるので、その分村田の売上・利益が伸びる構造です。
MLCCのサプライヤーは寡占化している
でも市場が伸びるなら、競争も激しくなるんじゃない?
MLCCは、大手5社で世界シェアの大半を占めています。
そしてその中でも村田は、世界シェア40%という圧倒的なシェアを誇ります。
このようにMLCCはサプライヤーが限られており、最近は常に需要過多の状態が続いています。
そのため大きく値崩れするリスクが低く、安定的に利益を出せる構造となっています。
また村田は、MLCCの中でも単価が高い「高付加価値領域」のシェアが高いという特徴があります。
利益を出しやすい領域をがっちり抑えている事が、村田の利益が高い要因になっています。
村田製作所の技術・モノ作り力は世界トップクラスだから
MLCCのシェアの高さを支えるのは、村田の技術・モノづくり力です。
村田のモノづくり力の3つのポイントを纏めました。
・高い技術力(小型化、大容量化、高信頼性)
・供給力(納期が安定)
・価格対応力(安くモノを作れる)
現在MLCCは、小型化・大容量化・高信頼性が求められています。
また電子部品の市場は、需要の波が激しいです。
需給逼迫時に安定的に供給できる力が求められます。
更に、競合他社より安くモノを作る力も必要です。
こうしたニーズに対応するために、村田は毎年巨額の投資を続けています。
売上1.7兆円の中で、2,640億円もの投資を行っています。
そしてその多額の投資額を、ほぼ自前でまかっています。
2018年だけフリーキャッシュフローがマイナスですが、これは需要急増に対応して3,000億円規模の設備投資をしたことが要因です。
このように、技術・モノづくり力に莫大な投資をし続ける事が「村田の競争力の源泉」となっています。
村田製作所は、経営がとても上手
村田製作所は、経営が上手です。
いくら戦う市場が成長しても、経営者がポンコツでは勝ち続けるのは困難です。
村田の経営が上手だと感じた3つのポイントを紹介します。
・コロナ禍でも設備投資の手を緩めなかった
・高付加価値品の領域をがっちり抑えている
・M&AでMLCC以外の柱を育てている
まず1点目が、コロナ禍でも設備投資の手を緩めなかった事です。
短期的には売上が大きくダウンしましたが、長期目線で投資は継続していました。
その結果、2021年の需要逼迫でも村田製作所は、安定供給をする事に成功していました。
2つ目が、高付加価値の領域に注力している点です。
海外メーカーとの価格競争になりやすい汎用品ではなく、利幅が大きい高付加価値のシェアを確実に取っています。
その結果、村田は20%前後の高い営業利益率を確保出来ています。
最後に村田は、MLCC以外の柱を育てている点です。
部品単体ではなく、モジュール(部品を組み合わせたもの)の事業も伸ばしています。
こうしたMLCC以外のビジネスも着実に育てている点も、高評価です。
尚、2020年に村田は経営者が創業家の村田恒夫氏から、中島氏へとバトンタッチしています。
今後の中島氏の経営舵取りが気になりますが、村田氏が引き続き会長職についており、大きな方向の見直しは無いものと思われます。
まとめ:村田製作所はなぜ世界のトップ企業であり続けられるのか
村田が世界一のMLCCメーカーであり続ける理由を纏めます。
・車の電装化&EV化で、MLCCの需要が伸び続けているから
・MLCCサプライヤーは寡占化している
・村田製作所のモノ作り力は世界トップクラスだから
・経営がとても上手
僕は村田と10年以上取引をしています。
そして今後も、村田からMLCCを買い続けると思います。
自分で記事を書いていて、やっぱり村田はすごいなと改めて思いました。
日本のモノづくり力も、まだまだ捨てたもんじゃないと思っています!
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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