伊藤園の株価が下落している理由を解説【急落の今は買い?】

伊藤園の株価が下落している理由を解説【急落の今は買い?】 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、伊藤園の株価が下落している要因を解説しています。

       

最近、伊藤園の株価が大きく下がっています。

      

【出典】google市場概説_伊藤園株価推移
【出典】google市場概説_伊藤園株価推移

        

たった1年で株価が40%も暴落しています。

ですが伊藤園と言えば、グローバルに活躍する飲料メーカーです。

そんな伊藤園に何があったのでしょうか?

    

そこで本記事では、伊藤園の最新決算から「株価が下落している要因」を詳しく分析していきます。

      

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伊藤園の株価が下落している理由を解説【急落の今は買い?】

       

伊藤園の株価が下がっている理由をまとめました。

      

・2023年4月期実績で、第二の柱のアメリカ事業がまさかの赤字

・2024年4月期の決算予想で、中核の日本市場が減益予想だから

      

世界的なお茶ブームを背景に、これまで伊藤園の株価は非常に高い水準でした。

しかし、最近の原料高に苦しんでおり、利益が伸び悩んでおります。

詳しく解説します。

      

伊藤園の概要をざっくり解説

伊藤園の概要をまとめました。

      

・2023年4月期売上4,316億円、営業利益195億円(営業利益率4.5%)

・海外比率32%

・傘下にタリーズコーヒーとチチヤスがある

     

伊藤園は、ご存じの通り「お~いお茶」などのお茶系の飲料水を販売する会社です。

売上の7割がお茶系飲料となっています。

また世界的なお茶の人気もあり、年々海外比率が高まってきています。

              

【出典】伊藤園_2023年4月期業績
【出典】伊藤園_2023年4月期業績

       

また伊藤園は2006年にタリーズコーヒーを、2011年にチチヤスヨーグルトで有名なチチヤスを買収しております。

コーヒー・乳製品もブランドに加えており、事業ポートフォリオの多角化が進んでております。

      

【出典】伊藤園_グループシナジー
【出典】伊藤園_グループシナジー

        

第二の柱のアメリカ事業がまさかの赤字

世界的なお茶ブームを背景に、伊藤園は世界各国で「お~いお茶」を販売しています。

その中でもアメリカは、ヘルシー志向が強まったことで、伊藤園事業の第二の柱にまで成長しました。

    

しかし直近2023年4月決算で、アメリカ事業がまさかの赤字に転落しています。

       

【出典】伊藤園2023年4月期決算実績
【出典】伊藤園2023年4月期決算実績

      

2022年は円安が進展した年です。

通常であれば円安になると、増益要因になります。

しかし、円安にもかかわらず大幅な赤字となりました。

     

赤字になった原因は原料高にあります。

     

米国事業においては、お~いお茶飲料やティーバッグの売り場が拡大の為売上(数量)が伸びましたが、コスト高の影響を受け増収減益(赤字転落)となっています。

【出典】伊藤園2023年4月期上半期決算

          

昨今の原材料高によって、利益が吹き飛んでおります。

       

中核の日本市場が減益予想

苦しんでいるのは、アメリカ市場だけではありません。

日本市場も同様に、原材料高に苦しんでおります。

2024年4月期の予想では、国内市場は減益の見込みです。

      

【出典】伊藤園_2024年4月期業績予想
【出典】伊藤園_2024年4月期業績予想

       

伊藤園は値上げを実施しておりますが、それでも原料高に追い付いていない状況です。

     

【出典】伊藤園2024年4月期営業利益増減の要因
【出典】伊藤園2024年4月期営業利益増減の要因

      

こうした原料高への対応が出遅れていることで、株価は下落傾向にあるのです。

      

元々の株価が余りにも割高だった

また伊藤園は、元々の株価が割高にありました。

1年前の6,000円ベースでは、以下の通り明らかに割高であることが分かります。

      

・PER:55倍

・PBR:4.3倍

・配当利回り:0.7%

     

この6,000円の株価は、今後の成長まで織り込んだ価格でした。

期待が剥落した結果、株価は大きく暴落したとも言えます。

     

実態を伴わない株高は、投資家に見限られた瞬間に株価が暴落します。

身近な企業かもしれませんが、それだけの理由で安易に買うのは危険なのです。

      

第1種優先株式は割安感が出てきた

伊藤園は2種類の株式を発行しています。

     

【出典】伊藤園_優先株式の概要
【出典】伊藤園_優先株式の概要

      

優先株式は、議決権はないけど配当が25%増しになるという特徴があります。

   

また普通株式への転換権ですが、自分の意志では切り替えができません。

一定の事象により普通株式に切り替わる事があり、比率として1:1となります。

株価は普通株式の方が圧倒的に高いので、1:1で交換されるのは有利な条件と言えます。

(切り替わっても問題は無い)

      

そして一番の特徴は、2つの株価の水準が全然異なる点にあります。

2023年7月時点では、以下の株価となっています。

     

普通株式:3,827

優先株式:1,809

    

普通株式に対して、優先株式は半値になっています。

にも拘わらず、配当は1.25倍となっております。

   

普通株式ベースでは割高ですが、優先株式ならフェアバリューと言えそうです。

     

優先株式

・PER:16.7倍

・PBR:1.3倍

・配当利回り:2.9%

     

高配当株投資でディフェンシブセクターを入れたい方は、検討の余地がありそうです。

(株主優待もあります)

      

ただ1点注意ですが、優先株式は一般株式に比べて流動性が低いです。

売買される量が少ないので、売りたい時に適切な価格で売れないリスクがある点には注意が必要です。

      

まとめ:伊藤園の株価が下落している理由

伊藤園の株価が下がっている理由まとめです。

       

・2023年4月期実績で、第二の柱のアメリカ事業がまさかの赤字

・2024年4月期の決算予想で、中核の日本市場が減益予想だから

       

伊藤園は原料高により、減益となっております。

2024年4月期も苦戦することが予想されているので、安易なリバウンドを期待するのはまだ早いです。

    

一方で個人的には優先株式は買っても良さげな価格になってきており、個人的にはチャンスがあれば狙っていきたいと思っています。

     

この記事が参考になれば幸いです。

なお本記事は、著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではありませんのでご注意下さい。

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