この記事では、JAL株で大儲けを狙うのが危険な理由を解説しています。
航空株って今株価下がっているんだよね、今買えば儲かるかな?
こんな考えを持っている方向けの記事です。
最近はコロナ影響もあり、JAL(日本航空)の株価は低迷しています。
「よし!今買えば大儲けできる!」と思った方も多いと思います。
ですが、実は安易に投資すると大損する可能性があるって知っていましたか?
この記事では、「JAL株への安易な投資は危険」である理由を解説します。
航空銘柄で大儲けしたい方に、役立つ情報をお届けします。
JAL株で大儲けは可能?【日本航空への逆張り投資は危険です】
JALへの投資が危険な理由を、4つまとめました。
日本人は、逆張り投資が大好きです。
そのため下がった銘柄があると、つい買ってしまいたくなります。
でも実はJALに関しては、安易な投資をすると損をする可能性が高いんです。
以降では、JALへの投資が危険な4つの理由を解説していきます。
航空需要はそう簡単には戻らない
ワクチンを打てば、コロナウイルスは終息すると思っていた方も多いと思います。
ですが、コロナウイルスとの戦いは長引くとの予想が出ています。
実際、欧州やアフリカなどでは、感染の再拡大が問題になっています。
ワクチン先進国のドイツでも、再び感染が拡大しております。
またコロナワクチンは、接種後6ヶ月ほどすると徐々に効果が低下する可能性も報告されています。
このように、感染予防効果と発症予防効果は時間とともに徐々に低下するという報告があります
【出典】厚生労働省新型コロナワクチンQ&A_効果の持続期間について
更に各国で変異株が猛威を振るうなど、感染の再拡大が広がっています。
世界が正常化しないと、航空需要は戻りません。
もしかしたら、再びコロナ前の需要に戻る事は無いのかもしれません。
実際、JAL経営者も「ビジネス用途」の需要が戻らない可能性に言及しています。
ビジネス需要はコロナ前の水準には戻らない可能性がある
【出典】JAL_2022 年 3 月期第 1 四半期 決算説明会 主な質疑応答(要旨)
このように「すぐに航空需要は戻る」という安易な非常に危険なんです。
急速に財務状況が悪化している
JALはコロナ以降、急速に財務環境が悪化しています。
このように50%台だった自己資本比率が、30%台まで低下しています。
有利子負債も、5倍以上に急増しています。
この状態がこれ以上続くと、経営的にも危なくなってきます。
その結果、JALは公募増資に踏み切っています。
日本航空(JAL)は6日、公募増資などで最大約1680億円を調達すると発表した。
【出典】日本経済新聞_JAL、1600億円公募増資 コロナ後見据え投資へ
公募増資により、財務体力は回復しました。
しかし、公募増資は諸刃の刃です。
既存の株主の利益が希釈化するので、通常は株価にマイナスです。
今後業績が戻らないと、第2第3の増資により株主利益が益々目減りして行くことになりかねません。
今の株価が割安という訳でも無い
足元の業績を踏まえて、株価は低迷しています。
ですが、PER(株価収益率)という指標では、まだまだ株価は割安ではなさそうです。
(PERは、企業の割安さを図る指標)
コロナ前の業績に戻る前提なら、JALは割安に見えます。
一方で2019年度レベルの業績だと、PERは15倍と適正値です。
(PERは通常10倍~20倍程度が一般的 ※業界によっても異なります)
つまり今の株価は、19年レベルに利益が戻ることを折り込み済です。
先程説明したように、コロナ前の水準に利益が戻るのは難しいと思われます。
このように、今の株価でも「株価はそこまで割安では無い」事が分かります。
あの投資の神様ウォーレン・バフェットも見放した
2020年のコロナショックの時、投資の神様ウォーレン・バフェットは航空株を全て手放しました。
株主総会ではデルタ航空など保有していた米大手エアライン4社の株式をすべて売却したと明かした。エアライン株はバフェット氏の「お気に入り銘柄」として知られていただけに驚きが広がり、株主からの質問も集中した。
【出典】日本経済新聞_バフェット氏、航空株すべて売却 「世界は変わる」
バフェットは「世界は変わる」と述べ、航空需要が戻らない予想をしました。
「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な見方を示した。
【出典】日本経済新聞_バフェット氏、航空株すべて売却 「世界は変わる」
変異株の拡大により、いつまでも正常化の見通しは立っていません。
更にweb会議の浸透で、飛行機が無くてもビジネスが成り立つようになりました。
バフェットの予想通り、航空需要は戻らない可能性が高そうです。
JAL株で大儲けを夢見るのは危険です。買うなら長期目線で!
以上を踏まえて、JALへの投資を考えている方へのアドバイスです。
・投資するなら5年以上の長期スパンで見る必要がある
・コロナ前まで需要が戻らない前提での投資が必要
・優待もそこまでメリットが大きくない点に注意
バフェットが述べたように、世界は変わります。
JAL株へ投資する場合は、長期目線での投資が必要です。
投資するなら5年以上の長期スパンで見る必要がある
バフェットの予言の通り、コロナ禍が収まるには数年単位で時間がかかります。
今買えば、すぐに株価が上がるはず
そういう安易な気持ちで投資すると、痛い目を見る可能性が高いです。
そのためJALへの投資は、5年以上の長期目線で行った方が無難です。
特に航空業界は、コロナ前の利益には戻らない可能性が高いです。
そのため、安易な株価上昇を期待するのもNGです。
大儲けを期待せず、長期目線で投資することをオススメします。
優待もそこまでメリットが大きくない点に注意
JALへの投資を考えている方は、優待目当ての方も多いと思います。
ですが、個人的には「そこまで優待メリットは大きくない」です。
JALの優待では、国内の運賃が「通常料金から半額になるチケット」が貰えます。
半額と聞くと、メリットが大きそうですよね。
でも、個人的には微妙かと思っています。
JALには「早得」という早期予約割引制度があります。
早めに予約できるケースでは、優待よりも早得の方が「お得」です。
優待がお得なのは、直前に予約するケースのみです。
毎年決まった時期に帰省する人は、無理してリスクが高い株を買う必要は無いと思います。
優待投資でも、バリエーションは必ず意識して買うようにしましょう!
まとめ:JAL株で大儲けは難しいです。安易な投資は危険です!
JALへの投資が危険な理由まとめです。
JALは、個人投資家に人気の銘柄です。
株価アップを狙いで投資をする人が増加しています。
ですが、航空需要は再び同じレベルで戻る事はないかもしれません。
安易に投資すると、長期間含み損を抱える事になるので注意が必要です。
投資を検討している方は、注意しましょう!
尚本記事は、著者の意見をまとめたものです。
投資を推奨するものではないので、ご注意下さい。
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