こんにちは、コロスケ(Twitter)です。
この記事では、花王株は買いかどうかを分析しております。
最近、花王の株価が低迷しております。
更に2022年3Q決算発表を受けて、株価は再び暴落しております。
株価が大きく下がっているので、花王への投資を考えている人が増えています。
実際SBI証券の買付ランキングでも、上位にランクインしております。
花王は、個人投資家にも人気の銘柄です。
チャンスなら、ぜひとも拾いたいですよね。
そこで本記事では、花王の株価は買いかどうかを詳しく分析していきます。
【減配目前】暴落した花王株は買いか?ホルダーが徹底解説!
株価が下がっている花王の株は買いなのでしょうか?
・減配目前であり、一般的にはおすすめしにくい
・一方で花王の未来を信じられる人は、これからが投資の好機
現在花王は、かつてないほど苦しい状況となっております。
おそらく来年度は、減配する可能性が高いです。
減配になると、株価はさらに暴落する可能性があり、安易な投資は非常にリスキーです。
2022年の通期利益目標の達成がほぼ絶望的
現在の2022年の通期利益計画は、以下のとおりとなっています。
・営業利益:1,450億円
・EPS:236.45円
しかし、2022年3Qの決算発表を見る限り、通期利益目標の達成は「ほぼ不可能な状況」になっています。
1年の75%が過ぎ、利益面は未だ進捗率50%程です。
残り1Qで、50%も追い上げるのはほぼ不可能です。
これまでの進捗から見ると、4QのEPSは「40円前後」だと推測されます。
その場合は、以下の結果になります。
通期EPS見通し:164円
配当性向:90%
※4QのEPSが40円だった場合
現状、利益率が回復する見込みはなく、おそらくこちらの方が実態に近いと思います。
すぐに業績が回復する見通しは立っていない
またこの厳しい状況は、来年も継続する見込みです。
花王の業績がすぐに回復しない要因は、3つあります。
・原料高・円安の継続
・値上げに敏感な消費者(価格転嫁の難しさ)
・インバウンド需要戻らず
現在、歴史的な円安水準となっております。
1ドル140円台となっており、円高が緩和する見通しは立っておりません。
円安によって、輸入品の価格は軒並み高騰しております。
企業物価指数も10%近い値となっており、インフレが収まる気配は全くありません。
こうした状況が続く限り、花王の原価悪化は収まらないと思われます。
また消費者の値上げへの抵抗感も、採算改善が進まない要因となっております。
一般消費者は値上げに敏感です。
値上がりするなら、消費を控えたり安価なもので代替する傾向があります。
こうした消費者のマインドがあるので、花王は大きな値上げに踏み切れておりません。
その結果、原価の悪化がそのまま収益の悪化につながっているのです。
上記の通り、原価の上昇に値上げが全く追いついていない事が分かります。
最後に日本では、現在も「インバウンド需要」が戻っておりません。
花王はこれまで、訪日客の化粧品需要を取り込むことで利益を増やしてきました。
しかし、2022年末でも訪日客が復活する目途は立っておりません。
一番の訪日客である「中国」は、未だゼロコロナ政策を続けております。
中国が以前のように、気軽に来日するまでには相当の期間がかかります。
こうした見通しから、来年度も厳しい状況が続くものと思われます。
来期に減配する可能性が高く、株価はさらに下がりそう
現実的な見通しでは、2022年の配当性向は「90%」ほどになります。
配当性向90%というのは、利益のほとんどを配当として払っていることを意味します。
そのため基本的に配当性向が90%という数字は、すなわち減配が近いことを意味します。
おそらく2021年度は、根性で予定していた配当を払うと思います。
しかし22年の新しい計画では、現実的な配当金へと見直される可能性が高いです。
もし減配となれば、個人投資家を中心に一斉に売られると思われます。
そうなると、株価はさらに下がる可能性もありそうです。
EPS160円の場合、花王の適正価格は恐らく4,000円前後かと思います。
つまり、現在の価格よりさらに下がる可能性があるので、安易な買付は危険だと思われます。
このように、花王はまだ下がる余地が残されており、基本的に今花王株を買うのはリスクが高いのでお勧めしません。
花王株は買いだと思う根拠【但し花王の未来を信じられる人限定】
一方で僕は、花王の株価が大きく下がることがあれば、勇気を出して買い増ししたいと思っています。
その根拠は、以下のとおりです。
・歴史的に生活必需品セクターのリターンは高いから
・花王の株主を重視する姿勢を評価しているから
歴史的に生活必需品セクターのリターンは高い
ジェレミーシーゲル博士の名著「株式投資の未来」では、これまでの50年以上の長期に渡ってリターンの高かったセクターを分析しております。
実は長期的にリターンが良いのは、ITセクターではなく「生活必需品・ヘルスケアセクター」なのです。
花王は、まさに「生活必需品」を扱う日本トップクラスの企業です。
株式投資の未来は、一流の企業の株価が低迷したときこそ、株数を増やすチャンスと説いています。
こうした歴史を踏まえて、僕は花王が大きく下がれば買い増しを検討したいと思っています。
花王の株主を重視する姿勢
花王は2022年の苦しい時でも、連続増配を発表しています。
33期連続増配は、日本歴代一位の大記録です。
※2022年は148円の配当を実施予定
また2022年5月に株価が大きく下がったタイミングでは、花王は500億円規模の自社株買いを発表しました。
そして2022年9月には、きっちり500億円の自社株買いを完了させています。
総額500億円・908万株の自己株式を取得。910万株を9月28日に消却
【出典】2022年3Q決算説明資料_連結決算の概況
経営状況が苦しくても、きっちり自社株買いを実施する姿勢に好感が持てます。
(株価が下がっている時こそ、自社株買いの効果が高まるため)
こうした株主への積極的な還元が、投資家のリターンを高めてくれます。
花王が投資家重視の姿勢を維持する限り、長期的に投資家は報わられる可能性が高いと思っています。
但し復活するのは早くて2,3年後となる
花王の企業としての姿勢は評価できます。
但し、目先は非常に苦しいです。
現在のEPSレベルなら、4,000円くらいまで株価が下がる可能性は多いにあり得ます。
そのため短期的には、花王を買っても報われない可能性が高いです。
・原料高が落ち着くまで時間がかかる
・値上げ浸透には時間がかかる
こうした要因から、業績が回復してくるのは2~3年後では?と思っております。
短い期間で回復するシナリオではありませんので、その点には注意が必要です。
その内株価が戻ってくれれば良いな。それまで買い増ししていこう
このくらいの長期的な視点が必要かと思います。
まとめ:花王の株は買いか?【花王を信じられる人だけ買いです)
本記事のまとめです。
・現在の経営状況は非常に苦しく、すぐに業績が上向く見通しは無い
・減配&株価下落のリスクが高いことから、基本は買うのは推奨しない
・一方で花王の長期的な回復を信じられる方のみ、買う価値がある
花王はこれまでで、一番厳しい状況になりつつあります。
減配の可能性が非常に高く、株価もさらに暴落する可能性があります。
一方で5年以上の長期スパンで考えられるなら、花王の株価下落は買い増しのチャンスの可能性があります。
安易なナンピンはリスクが高いですが、慎重に資金を投じていきたいと思います。
なお本記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではございませんのでご注意下さい。
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