NTNの株価はなぜ安いの?【結論、財務脆弱で赤字連発だからです】

NTNの株価はなぜ安いの?【結論、財務脆弱で赤字連発だからです】 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、NTNの株価がなぜ安いのか解説しています。

      

ここ数年、NTNの株価が下落傾向にあります。

     

【出典】Google市場概説_NTN株価推移
【出典】Google市場概説_NTN株価推移

      

NTNは1株単価が非常に安いので、投資を検討している方も多いのでは無いでしょうか?

ですがNTNへの安易な投資は、非常に危険なのをご存知でしょうか?

   

僕自身、投資初心者の頃にNTN株を買ってひどい目に合いました…。

目先の利回りや単元の安さで投資をすると、失敗する可能性が高いです。

     

そこで本記事では、なぜNTNの株価は安いのかを詳しく分析していきます。

NTNへの投資を考えている方に役立つ情報を提供します。

        

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NTNの株価はなぜ安いの?【結論、財務脆弱で赤字連発だからです】

      

NTNの株価が安い理由をまとめました。

       

・財務体制が脆弱で、度々赤字となっているから

・2022年度が再び赤字に転落する可能性が高いから

     

NTNは財務脆弱で、頻繁に赤字転落しております。

経営状況が安定していないことから、株価は下落傾向にあるのです。

     

詳しく解説していきます。

     

NTNの会社概要をざっくり解説

NTNの概要をご説明します。

      

・ベアリングや自動車用部品を製造するメーカー

・2021年度の売上は6,420億円。営業利益69億円。

・海外売上比率が70%

       

NTNは、大手ベアリングメーカーです。

ベアリングとは軸受とも呼ばれ、軸の摩擦を減らしクルクル回転する部品です。

     

【出典】NTN_ベアリング
【出典】NTN_ベアリング

      

ベアリングは、モーターなどに使われており、僕たちの身近な製品にも多く使われています。

またNTNは、自動車用のシャフトなど、ベアリングと関係が深い自動車部品も製造しております。

      

【出典】NTN_ドライブシャフト
【出典】NTN_ドライブシャフト

       

NTNは、海外向けの比率が高いという特徴もあります。

     

【出典】NTN_海外比率
【出典】NTN_海外比率

      

ものづくりの半分が海外工場での生産となっております。

売上も日本以外に、アメリカ・欧州・アジアなどバランスよく分散されております。

そんなNTNですが、なぜ株価が安いのでしょうか?

      

業績が安定せず度々赤字となっている

NTNが扱うベアリング事業は、競合メーカーが多いです。

そして、ベアリングは規格品となっており、コモディティ化しております。

    

そのためベアリングメーカー各社は、価格以外の部分で差別化ができず、価格の叩き合いになりやすい事業構造となっています。

NTNは、競合との価格競争に勝つために積極的な価格を出しており、薄利多売のビジネスになっています。

      

その結果、外部環境が悪化して売上が下がると、すぐに赤字に転落しております。

     

【出典】NTN売上高・営業利益率推移
【出典】NTN売上高・営業利益率推移

    

営業利益率は、18年度以降大きく下がっています。

    

【出典】NTN_EPS推移
【出典】NTN_EPS推移

      

また1株純利益(EPS)は、度々赤字になっています。

特に2018年から2020年度は、3年連続で純利益が赤字となっております。

     

このようにNTNは、安定的な経営が全くできておりません。

外部環境が少しでも悪化すると、すぐに赤字に転落する非常に脆弱な経営です。

    

安定的に利益を出せない事から、株価は低くなっているのです。

      

NTNは財務体制が脆弱

安定的に黒字が確保できないので、NTNは財務体制も脆弱です。

     

【出典】NTN貸借対照表(2022年6月)
【出典】NTN貸借対照表(2022年6月)

      

このように自己資本比率が20%台となっております。

自己資本比率が20%台は、財務体制としてはかなり脆弱です。

ライバルの日本精工は、自己資本比率が50%前後となっており、財務安定度で大きく差をつけられています。

      

自己資本比率が低いということは、不足する資金を借金でまかなう事に繋がります。

NTNは、有利子負債の額も多いです。

     

【出典】NTN_2022年1Q決算説明資料_有利子負債額推移
【出典】NTN_2022年1Q決算説明資料_有利子負債額推移

       

上記の通り、有利子負債は4,000億円付近で高止まりしています。

またFCF(フリーキャッシュフロー)も度々マイナスになっています。

(FCFとは、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いたもの)

      

【出典】NTNフリーキャッシュフロー推移
【出典】NTNフリーキャッシュフロー推移(著者作成)

      

会社は赤字になってもすぐには倒産しません。

しかし、資金繰りが苦しくなりキャッシュが回らないと倒産します。

     

NTNは大きな設備投資をしている訳ではありませんが、度々FCFがマイナスになっています。

これは稼ぐ力が弱いのと、事業継続に必要な設備投資額が大きいという事の証です。

    

このように安定的に利益が出ない事から、財務体制も脆弱となっております。

こうした経営状況であるので、NTNの株価は安いのです。

      

2022年度が再び赤字に転落する可能性が高い

2022年度は、世界的にインフレが加速しています。

NTNのベアリングは、鉄でできておりますが、鉄の原料価格も高騰しております。

      

【グラフ】薄板三品市中価格推移(著者作成)
【グラフ】薄板三品市中価格推移(著者作成)

     

その結果NTNは2022年度1Q実績では、インフレ影響で「93億円」も利益が吹っ飛んでいます。

     

【出典】NTN_2022年1Q決算説明資料_利益変動要因
【出典】NTN_2022年1Q決算説明資料_利益変動要因 ※赤枠は著者

          

現在インフレが収まる気配は見えておらず、今後もNTNはインフレの影響で苦戦することが予想されます。

加えてNTNの主力事業である「車事業」ですが、車メーカーの減産によって厳しい状況が続いております。

      

【出典】NTN_2022年1Q決算説明資料_事業別営業利益
【出典】NTN_2022年1Q決算説明資料_事業別営業利益

      

このように車事業は、ずっと赤字が続いております。

更に直近の2022年度1Qでは、赤字幅が大きく拡大しており「営業利益率-6.3%」となっております。

     

この結果、NTNは全体でも2022年度1Qは赤字となっています。

     

【出典】NTN_2022年1Q決算短信
【出典】NTN_2022年1Q決算短信 ※黄色は著者記載

      

現状NTNは、2022年度通期で黒字にする計画を立てています。

しかし現状の決算状況を見ると、計画の達成(通期黒字化)は難しいと思います。

    

今後どこかのタイミングで決算を下方修正することが予想されます。

そして決算が下方修正されると、配当も減配となる可能性が高いです。

      

今も株価は安いですが、NTNは今後更に株価が下がる懸念があるのです。

         

まとめ:NTNの株価はなぜ安い理由

NTNの株価が安い理由まとめです。

       

・財務体制が脆弱で、度々赤字となっているから

・2022年度が再び赤字に転落する可能性が高いから

      

NTNは僕が投資家初期の頃に買って、一番損を出した銘柄です。

ある意味思い入れが強い銘柄ですが、これから投資を検討する方にはおすすめしていません。

     

世の中には安定して利益を出す銘柄が沢山あります。

敢えて優良銘柄ではなく、NTNへ手を出す必要はありません。

      

この記事がNTNの企業分析の参考になれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございました!

     

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