太陽誘電の株価が下落している理由を解説【年初来最安値の原因】

太陽誘電の株価が下落している理由を解説【年初来最安値の原因】 株/ETF/投資信託
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こんにちは、コロスケ(Twitter)です。

この記事では、太陽誘電の株価が下落している理由を解説しています。

      

2022年になって、太陽誘電の株価が下落傾向にあります。

     

【出典】Google市場概説_太陽誘電株価推移
【出典】Google市場概説_太陽誘電株価推移

       

年初来で40%以上も株価が下落しております。

ですが、太陽誘電は2021年純利益が過去最高で、経営状況は絶好調です。

     

いったい太陽誘電に何があったのでしょうか?

そこで本記事では、太陽誘電の株価が下落する理由を詳しく解説していきます。

    

太陽誘電への投資を考えている方に役立つ情報を提供します。

      

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太陽誘電の株価が下落している理由を解説【年初来最安値の原因】

      

太陽誘電の株価がさがっている原因を3つまとめました。

       

・今後世界的な景気後退が予測されているから

・3,000億円の設備投資が経営の重荷なると予想されるから

・投機資金の流出が流出しているから

      

今後世界的な景気悪化によって、太陽誘電の業績も落ち込む事が予想されています。

その影響で株価は、下落傾向にあります。

      

太陽誘電の会社概要をざっくり解説

まず太陽誘電の会社概要を説明致します。

太陽誘電は、MLCC(積層セラミックコンデンサ)などの電子部品を製造しています。

      

【出典】太陽誘電統合報告書_主な製品
【出典】太陽誘電統合報告書_主な製品

      

2021年度の売上は、3,496億円。営業利益は682億円となっています。

営業利益率が非常に高いのが特徴です。

      

【グラフ】太陽誘電_売上・営業利益率推移
【グラフ】太陽誘電_売上・営業利益率推移(著者作成)

     

上記の通り年々、売上と利益を伸ばしています。

太陽誘電の売上・利益が伸びている大きな要因は、MLCCの世界的な需要増です。

    

MLCCは、スマホや自動車に多く使われています。

5Gや車のEV化によって、1台当たりに使われるMLCCの数は大きく伸びる見込みです。

    

その一方で、MLCCの小型化には技術力が必要で、世界的に村田製作所や太陽誘電など複数のメーカーで寡占化しています。

太陽誘電は、MLCCの需要増加に伴い年々売上を伸ばしているのです。

     

       

今後世界的な景気後退が予測されているから

2021年度、太陽誘電は過去最高の利益を出しました。

     

【出典】太陽誘電_EPS,1株配当,配当性向推移
【出典】太陽誘電_EPS,1株配当,配当性向推移

      

そして2022年度予想も現時点では、2021年に次ぐ高い利益水準です。

     

一方で世界的には、今後景気後退が来る可能性が高いです。

欧米は、近年稀に見る高いインフレに悩まされております。

インフレを抑えるために、アメリカの中央銀行は急速なペースで利上げを進めています。

      

【出典】investing.com_アメリカ政策金利推移
【出典】investing.com_アメリカ政策金利推移

       

金利が上がると、景気にはマイナスの影響を与えます。

今後アメリカは景気後退に入る可能性が高いと言われており、株価も下落傾向にあります。

     

そして太陽誘電は、電子部品を作っており景気敏感銘柄です。

今後景気が悪化すると、電子部品の需要は大きく下がる事が想定されます。

実際、2022年度1Q決算では、通期の決算見通しを下方修正する可能性も示唆されています。

      

第2四半期の売上高ガイダンスには中華圏スマートフォンや PC などの情報機器を中心に、自動車以外の顧客が在庫調整を行うリスクを織り込んでいる。また、各機器の生産台数低下に伴う需要減少などのリスクも入れている。そのため、売上高は期初の上期計画をやや下回る前提となっている。営業利益も、売上高の水準次第ではあるが期初の上期計画を下回る可能性がある

【出典】太陽誘電_2022年度1Q決算質疑応答要旨

       

こうした景気悪化見通しから、太陽誘電の株価は先行して下落しているのです。

      

3,000億円の設備投資が重荷なると予想されるから

太陽誘電は旺盛なMLCC需要に応えるために、積極的に投資を続けております。

今後5年間で、合計3,000億円もの莫大な投資をする方針を発表しています。

     

需要拡大に対応するための継続的な能力増強に加え、環境対策やIT整備に向けた積極的な取り組みを実施し、5年間で3,000億円規模の設備投資を計画しています。

【出典】太陽誘電_2022年度1Q決算短信 ※太字は著者

       

確かにMLCCの需要は、長期的には右肩上がりです。

スマホや自動車1台当たりに使われるMLCCの数は、今後も増加していく見通しです。

こうした旺盛な需要に応えるためには、設備投資をしないと供給が追いつかないのは事実です。

     

一方でさきほど説明したように、目先は景気後退が来る予想となっています。

莫大な設備投資を行うと、今後減価償却が重くのしかかります。

景気後退✕減価償却によって、今後大きく利益が目減りする可能性があることから、株価は下落しつつあるのです。

       

投機資金が流出しているから

2020年3月にコロナショックが起こり、株価は大暴落しました。

各国政府・中央銀行は、景気の下支えのために、天文学的な額の金融緩和を実施しました。

     

     

その結果、株価は急反発。グロース株中心に株価は大幅に上昇しました。

太陽誘電など、売上が伸びている優良銘柄には多くの買いが集まりました。

      

一方で金融緩和は、深刻なインフレをもたらしています。

アメリカの消費者物価指数(CPI)は、9%台に上昇しています。

       

【出典】Investing.com_米CPIチャート
【出典】Investing.com_米CPIチャート

        

さきほど説明したように、現在は金融引き締めの段階に入っています。

その結果、株式市場に流入していた大量の資金が流出しております。

      

【出典】SBI証券_景気サイクルとセクター・ローテーション
【出典】SBI証券_景気サイクルとセクター・ローテーション

※2022年8月現在は「黄色:右下のあたり」です

     

これまで太陽誘電の株高を支えてきた資金が、急速に流出しております。

そのため、目先の見通しは明るいにも関わらず株価は徐々に下げているのです。

         

太陽誘電の株価は今後どうなるの?

今後世界的な景気悪化によって、太陽誘電のユーザーである「車、スマホ」などの需要は減速していく込みです。

需要減速によって、太陽誘電の株価は下がる可能性が高いです。

     

しかし太陽誘電の事業は、将来性があり利益率も高いです。

一時的には落ち込む可能性がありますが、長期的に売上が伸びていく事のはほぼ確実です。

     

そのため、今後もし株価が下がれば優良銘柄の株を安く買うチャンスとなります。

個人的には、暴落があれば積極的に狙っていきたい銘柄の一つとなっています。

       

まとめ:太陽誘電の株価が下落している理由

太陽誘電の株価が下落している理由まとめです。

        

・今後世界的な景気後退が予測されているから

・3,000億円の設備投資が経営の重荷なると予想されるから

・投機資金の流出が流出しているから

         

太陽誘電の株価は、年初来で大きく下落しています。

太陽誘電は景気敏感銘柄なので、今後景気が悪化すると業績が悪化し、株価も下落することが予想されます。

    

ただ太陽誘電自体は優良銘柄なので、大きく値を下げる機会があればチャンスだと思って狙っていきたいと思っています。

     

尚この記事は著者の意見をまとめたものであり、投資を推奨するものではありません。

投資は自己責任でお願い致します。

      

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